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夏休み その9
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夜少しだけ目が覚めてしまった。
少しだけ夜風に当たってこようとするか……。
夜風に当たるために廊下に出ると真っ暗な廊下にほのかに光が漏れているところを見つけた。光が漏れている先と言うと狭く薄暗い書室だったはず……。
賀川さんはここに来るのも初めてだし、書室があることも知らないはず。
とはいえ……今この家に居るのは2人だけ……
「まさか……ゆうれ……」
そっと書室のドアの窓を覗くと賀川さんが勉強道具を広げて寝ているのがうっすらと見えた。
そっとドアを開け毛布を掛けようと彼女に近づくと机に広げていたノートに目がいった。
1番上に乗っていたのは彼女が得意とする数学の課題だった。だがそのノートの下に彼女の苦手教科の英語や現代文のノートが置かれていた。少し答え方に癖はあるものの英語に関しては予習に入っていた。
「いつの間に……」
何より彼女は実は裏では努力している事が見えてしまった。
表では散々振り回されるし、意味のわからない言葉も発しているけど、実は彼女は彼女なりに努力出来る子なのかもしれない。
「見た目だけじゃ分からないものね……」
毛布を掛け終わるとそっと電気を消して書室をあとにした。
夜が明けると透き通った海がまるで鏡のように乱反射を行い、眩しいほどに輝いていた。
私たちの合宿2日目が始まった。
「やぁ、今日も素晴らしい一日が始まるな!」
朝からその発言を受けたことには驚きつつ、私は賀川さんにおはようと言い返した。
昨日のことは黙っておいてあげよう。
「さて……勉強会行いますか」
その後、2人で勉強会をした。
前の期末テストで見た時よりも賀川さんの知識量が上がっていた。
さぞ勉強したのだろう。
ただ、相変わらず時折哲学的な回答になっていたりどこかの呪文のような回答になっていたのでそこは訂正を入れさせた。
勉強会が終わり2人でちゃんと勉強以外の事も堪能していたら気づけば夜になっていた。
少しだけ夜風に当たってこようとするか……。
夜風に当たるために廊下に出ると真っ暗な廊下にほのかに光が漏れているところを見つけた。光が漏れている先と言うと狭く薄暗い書室だったはず……。
賀川さんはここに来るのも初めてだし、書室があることも知らないはず。
とはいえ……今この家に居るのは2人だけ……
「まさか……ゆうれ……」
そっと書室のドアの窓を覗くと賀川さんが勉強道具を広げて寝ているのがうっすらと見えた。
そっとドアを開け毛布を掛けようと彼女に近づくと机に広げていたノートに目がいった。
1番上に乗っていたのは彼女が得意とする数学の課題だった。だがそのノートの下に彼女の苦手教科の英語や現代文のノートが置かれていた。少し答え方に癖はあるものの英語に関しては予習に入っていた。
「いつの間に……」
何より彼女は実は裏では努力している事が見えてしまった。
表では散々振り回されるし、意味のわからない言葉も発しているけど、実は彼女は彼女なりに努力出来る子なのかもしれない。
「見た目だけじゃ分からないものね……」
毛布を掛け終わるとそっと電気を消して書室をあとにした。
夜が明けると透き通った海がまるで鏡のように乱反射を行い、眩しいほどに輝いていた。
私たちの合宿2日目が始まった。
「やぁ、今日も素晴らしい一日が始まるな!」
朝からその発言を受けたことには驚きつつ、私は賀川さんにおはようと言い返した。
昨日のことは黙っておいてあげよう。
「さて……勉強会行いますか」
その後、2人で勉強会をした。
前の期末テストで見た時よりも賀川さんの知識量が上がっていた。
さぞ勉強したのだろう。
ただ、相変わらず時折哲学的な回答になっていたりどこかの呪文のような回答になっていたのでそこは訂正を入れさせた。
勉強会が終わり2人でちゃんと勉強以外の事も堪能していたら気づけば夜になっていた。
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