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第六章
第二十一話 馬車
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「ケンギ君、ポストにこんなのが入ってたわ。」
ロウコは、ポストから手紙のようなものを持ってきた。
「なんだろう、もしかして依頼かな?」
ケンギが封を開けると、予想通り依頼であった。
「ついに俺たちのところにも直接依頼が届くようになったのか!」
「ねーねー、早く依頼の内容を教えてちょうだい! 私たちに頼むくらいだから、相当すごい依頼内容のはずよ!」
「じゃあ、読むよ。『ケンギ殿、ロウコ殿。お話があります。是非【メト】の国にお越しください。 メトの国代表【ブハン】より』だって。」
「メトの国、ゴブリンたちが住んでる国ね。」
「一体どんな用事があるんだろ?」
「とにかく行きましょ。何をやることになるかはわからないけど。」
ケンギは早速メトへの道を調べ始めた。
「ラーベから出た後に、【アハク】を横切ってすぐ先がメトだな。これなら、歩きでも行けそうだ。」
「あなた、アハクを歩きで横切るつもりなの!?」
「何か問題でもあるのか?」
「あそこ、日中は大酒場以上に混むのよ。下手したら、横切る間にお腹が空いちゃうかもしれないわ。」
「じゃあ、アハクのところでロウコに飛んでもらおうかな。俺くらいなら持って飛べるだろ?」
「それもイヤよ! あなたなんか持って飛ぼうとしたら、肩が外れるわ!」
「じゃあ、他にどんな移動手段が?」
「馬車よ。」
「馬車じゃ、歩きと変わらないんじゃないか?」
「いいから馬車で行くわよ! さあ、旅に出る用意をしっかりしたら、馬車を呼ぶわよ!」
「う、うん、わかった。(いつも落ち着かない奴だなぁ……)」
ケンギとロウコは荷物を揃えると、早速馬車を呼んだ。
「お、君らは確か、カテイを倒したっていう子たちじゃないか。無料で乗せてあげようか?」
「はい! よろしくお願いします!」
「どこまで連れていけばいいかな?」
「メトの国までよろしくお願いします。」
「わかった。それじゃあメトの国まで連れていってあげよう。」
ケンギたちは馬車に揺られ、あっという間にアハクまで着いた。しかし、それからは馬車がなかなか進まなくなった。
「やっぱり全然進まない。これは馬車ごとロウコが飛んでくれないとダメそうだなー。」
「大丈夫よ。私に考えがあるの。」
「考えって?」
「馬を走らせれば、みんな驚いてどくはずよ!」
「だって御者さん。走らせちゃっても大丈夫なんですか?」
「ダメだね。そんなことしたら周りの人が怪我をするかもしれないから。」
「だってさ。さあ、諦めてゆっくりゆっくり向かおう。」
「この速度で、一体どれだけ時間かかるのかしら……しょぼーん。」
結局アハクを出るまでに太陽が相当昇ってしまった。
ロウコは、ポストから手紙のようなものを持ってきた。
「なんだろう、もしかして依頼かな?」
ケンギが封を開けると、予想通り依頼であった。
「ついに俺たちのところにも直接依頼が届くようになったのか!」
「ねーねー、早く依頼の内容を教えてちょうだい! 私たちに頼むくらいだから、相当すごい依頼内容のはずよ!」
「じゃあ、読むよ。『ケンギ殿、ロウコ殿。お話があります。是非【メト】の国にお越しください。 メトの国代表【ブハン】より』だって。」
「メトの国、ゴブリンたちが住んでる国ね。」
「一体どんな用事があるんだろ?」
「とにかく行きましょ。何をやることになるかはわからないけど。」
ケンギは早速メトへの道を調べ始めた。
「ラーベから出た後に、【アハク】を横切ってすぐ先がメトだな。これなら、歩きでも行けそうだ。」
「あなた、アハクを歩きで横切るつもりなの!?」
「何か問題でもあるのか?」
「あそこ、日中は大酒場以上に混むのよ。下手したら、横切る間にお腹が空いちゃうかもしれないわ。」
「じゃあ、アハクのところでロウコに飛んでもらおうかな。俺くらいなら持って飛べるだろ?」
「それもイヤよ! あなたなんか持って飛ぼうとしたら、肩が外れるわ!」
「じゃあ、他にどんな移動手段が?」
「馬車よ。」
「馬車じゃ、歩きと変わらないんじゃないか?」
「いいから馬車で行くわよ! さあ、旅に出る用意をしっかりしたら、馬車を呼ぶわよ!」
「う、うん、わかった。(いつも落ち着かない奴だなぁ……)」
ケンギとロウコは荷物を揃えると、早速馬車を呼んだ。
「お、君らは確か、カテイを倒したっていう子たちじゃないか。無料で乗せてあげようか?」
「はい! よろしくお願いします!」
「どこまで連れていけばいいかな?」
「メトの国までよろしくお願いします。」
「わかった。それじゃあメトの国まで連れていってあげよう。」
ケンギたちは馬車に揺られ、あっという間にアハクまで着いた。しかし、それからは馬車がなかなか進まなくなった。
「やっぱり全然進まない。これは馬車ごとロウコが飛んでくれないとダメそうだなー。」
「大丈夫よ。私に考えがあるの。」
「考えって?」
「馬を走らせれば、みんな驚いてどくはずよ!」
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「ダメだね。そんなことしたら周りの人が怪我をするかもしれないから。」
「だってさ。さあ、諦めてゆっくりゆっくり向かおう。」
「この速度で、一体どれだけ時間かかるのかしら……しょぼーん。」
結局アハクを出るまでに太陽が相当昇ってしまった。
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