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第2章 地獄編 第1階層 鬼神島〜運命の糸編 まで
第11話 鬼神様
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鬼神様
明朝に鬼神島にたどり着いたのに、もうすっかり夜だ。長い戦いだった。でもこれで最後。
こいつを倒せば村に帰れる!!
「なんか2人で盛り上がってるけどさー。
まさか、僕に勝てるとか思ってないよね?」
さっき頭を切断された少年だったが一瞬にして頭が生えてきた。
「春子さん? あれも回復術の類いですか?」
「いや、 わからないです! 普通、頭を切断されてすぐ回復させられる術なんて存在しません。あったとしても相当な術者でない限り使えませんよ」
まじかよ。こいつは多分、さっきの鬼より強い。最後にして最強の敵! でも! 春子さんと一緒なら!!!
「固有霊刀術 冷血火殺!!」
今度は奴の体の腹をめがけて攻撃した。
だが……
パキーン/
切れたのは奴の体ではなく、俺の刀だった。
その瞬間、俺の腹にとてつもない蹴りが1発入った。あまりの威力に俺は100メートル近くまで飛ばされてしまう。
「ふぅ なんで君たちはさ……僕に挑もうとするのかな? 僕を見て勝てないってわからないの?」
くそ、体がもう全く動かない。あまりの疲労に春子さんは体から出ざる終えなくなった。
「ごめんない。春子さん、俺……」
「私はなんとか大丈夫です……」
春子さんも結構ダメージを受けている。このままだと2人とも、いや全員やられる。しかも俺がここでやらないと村の人達だって……
絶対に負けるわけにはいかないのに…………
「ねぇ、少年。お話しないか?」
「はぁ?」
「僕はね。実は君に会いにきたんだよ。そのためにあの少年をここに連れてきたんだ」
「どういうことだ? 俺はお前に会ったことがないぞ……」
「そうだね。だけど僕は君に一回会ってみたかったんだ。だって今後、君は僕の未来に、いや
"僕たち"の未来にとって重要な存在となるからねー」
「何を言っているか全然わからない。それで、これから俺をどうするつもりだ?」
「んーそうだなーー 取引しないか?」
「取引?」
「そう。今ここにはその女の子と狐さんがいるよね? そこでなんだけど、この2人の中から生贄を決めたいと思いまーす。もしどちらかが死ねば、僕は君達に手を出さないし、村にも2度と干渉しない。どう? いい内容だと思わない?」
「馬鹿なこと言うなぁぁぁぁぁぁ!!!
お前にどんな権利があってそんなことが言える? 勝手に人の命を弄んで何が面白い!!」
「あれ? そんな怒らないでよ~~ん。」
「俺はお前を許さない!! 全員で帰るって決めたんだ! ここでお前を倒す!」
「きゃははははははははは。 僕を倒す?
できる訳ないだろ? 実はね……
僕が"鬼神様"なんだよ……そんな僕に
勝てるのかな?」
「春子さん! 頼む一生のお願いだから!!
もう一度俺に…… 力を貸してくれ!!」
そういうと、俺の体はまたもや白い光に包まれ、右手にはさっきまで折れていた刀が復活していた。
明朝に鬼神島にたどり着いたのに、もうすっかり夜だ。長い戦いだった。でもこれで最後。
こいつを倒せば村に帰れる!!
「なんか2人で盛り上がってるけどさー。
まさか、僕に勝てるとか思ってないよね?」
さっき頭を切断された少年だったが一瞬にして頭が生えてきた。
「春子さん? あれも回復術の類いですか?」
「いや、 わからないです! 普通、頭を切断されてすぐ回復させられる術なんて存在しません。あったとしても相当な術者でない限り使えませんよ」
まじかよ。こいつは多分、さっきの鬼より強い。最後にして最強の敵! でも! 春子さんと一緒なら!!!
「固有霊刀術 冷血火殺!!」
今度は奴の体の腹をめがけて攻撃した。
だが……
パキーン/
切れたのは奴の体ではなく、俺の刀だった。
その瞬間、俺の腹にとてつもない蹴りが1発入った。あまりの威力に俺は100メートル近くまで飛ばされてしまう。
「ふぅ なんで君たちはさ……僕に挑もうとするのかな? 僕を見て勝てないってわからないの?」
くそ、体がもう全く動かない。あまりの疲労に春子さんは体から出ざる終えなくなった。
「ごめんない。春子さん、俺……」
「私はなんとか大丈夫です……」
春子さんも結構ダメージを受けている。このままだと2人とも、いや全員やられる。しかも俺がここでやらないと村の人達だって……
絶対に負けるわけにはいかないのに…………
「ねぇ、少年。お話しないか?」
「はぁ?」
「僕はね。実は君に会いにきたんだよ。そのためにあの少年をここに連れてきたんだ」
「どういうことだ? 俺はお前に会ったことがないぞ……」
「そうだね。だけど僕は君に一回会ってみたかったんだ。だって今後、君は僕の未来に、いや
"僕たち"の未来にとって重要な存在となるからねー」
「何を言っているか全然わからない。それで、これから俺をどうするつもりだ?」
「んーそうだなーー 取引しないか?」
「取引?」
「そう。今ここにはその女の子と狐さんがいるよね? そこでなんだけど、この2人の中から生贄を決めたいと思いまーす。もしどちらかが死ねば、僕は君達に手を出さないし、村にも2度と干渉しない。どう? いい内容だと思わない?」
「馬鹿なこと言うなぁぁぁぁぁぁ!!!
お前にどんな権利があってそんなことが言える? 勝手に人の命を弄んで何が面白い!!」
「あれ? そんな怒らないでよ~~ん。」
「俺はお前を許さない!! 全員で帰るって決めたんだ! ここでお前を倒す!」
「きゃははははははははは。 僕を倒す?
できる訳ないだろ? 実はね……
僕が"鬼神様"なんだよ……そんな僕に
勝てるのかな?」
「春子さん! 頼む一生のお願いだから!!
もう一度俺に…… 力を貸してくれ!!」
そういうと、俺の体はまたもや白い光に包まれ、右手にはさっきまで折れていた刀が復活していた。
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