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庭園へ②
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広い庭園をフォスティヌとセレーヌは一緒に歩いていた。
「ねえ、兄さんとは何処で知り合ったの?」
「え」
「兄さん自分の事を話さないから、フォスティヌさんと付き合っていると聞いた時は驚いたわ。それも、わたくしと同じ年だと聞いた時はもっと驚いたわ」
「あ…ブラッドさんとは隣街の公園で会いました…私がベンチで一人で座っている所を声をかけてくれたんです…」
フォスティヌは、フランシスと初めてデートをした日を思い出し、思い出す度に涙が出ていたが、今は隣街を思い出してもブラッドの事を考えるようになっていた。
「え!?あの兄さんが一人でいる女子に声をかけてくるなんて…」
「ブラッドさんは私と同じ学園にいたんです…その頃から私の事を知っていました」
「同じ学園だったの…だからフォスティヌさんの事を知っていたのね。でも、大勢いる生徒の中でフォスティヌさんを覚えていたなんて…何か印象に残るような事でもあったの?」
フォスティヌはブラッドから聞いた時、フランシスと一緒にいた話しを聞いた事があったが、セレーヌにその話をするわけにはいかず他にブラッドとの繋がりを思い出していた。
「あ…私、何回かブラッドさんにぶつかった事があります」
「え?兄さんと!?」
セレーヌは驚いた顔でフォスティヌを見ていた。
「…何かの競技に入っていたとか?」
「クスッ、私学園にいた頃人を捜している時によそ見をしていたようで…その時に前にいましたブラッドさんに鼻をぶつけて塗り薬を貰った事がありました」
「え!?あの兄さんが塗り薬を渡していたの?」
「自分もケガをするからいつも持ち歩いていると言っていました」
「へぇ…自分の物を人に渡すなんて、その時からフォスティヌさんを見ていたのかしら?」
「え!?」
ボッと顔が真っ赤になったフォスティヌを見て、セレーヌは「フフフ」と声に出し笑っていた。
「…公園にいた時もブラッドさんとぶつかったんです」
「は?……フォスティヌさんて…案外おっちょこちょいの所があるのかしら?」
「お!?……」
「ふ~ん…兄さんが気になるのもわかる気がするわ」
「え、それはどう言う意味で……」
「一人でいるとフラフラと行ってしまいそうだから…だから自分が傍にいてあげたいって事かしら?」
「~~~」
フォスティヌは声にならないほど真っ赤になっていた。
「おい、捜したぞ」
「あっ、世話好きな人が来た」
「は?」
ブラッドはセレーヌに首を傾げ、フォスティヌは学園の頃を思い出し、自分がいる所にはいつもブラッドがいた事を思い出していた。
「ねえ、兄さんとは何処で知り合ったの?」
「え」
「兄さん自分の事を話さないから、フォスティヌさんと付き合っていると聞いた時は驚いたわ。それも、わたくしと同じ年だと聞いた時はもっと驚いたわ」
「あ…ブラッドさんとは隣街の公園で会いました…私がベンチで一人で座っている所を声をかけてくれたんです…」
フォスティヌは、フランシスと初めてデートをした日を思い出し、思い出す度に涙が出ていたが、今は隣街を思い出してもブラッドの事を考えるようになっていた。
「え!?あの兄さんが一人でいる女子に声をかけてくるなんて…」
「ブラッドさんは私と同じ学園にいたんです…その頃から私の事を知っていました」
「同じ学園だったの…だからフォスティヌさんの事を知っていたのね。でも、大勢いる生徒の中でフォスティヌさんを覚えていたなんて…何か印象に残るような事でもあったの?」
フォスティヌはブラッドから聞いた時、フランシスと一緒にいた話しを聞いた事があったが、セレーヌにその話をするわけにはいかず他にブラッドとの繋がりを思い出していた。
「あ…私、何回かブラッドさんにぶつかった事があります」
「え?兄さんと!?」
セレーヌは驚いた顔でフォスティヌを見ていた。
「…何かの競技に入っていたとか?」
「クスッ、私学園にいた頃人を捜している時によそ見をしていたようで…その時に前にいましたブラッドさんに鼻をぶつけて塗り薬を貰った事がありました」
「え!?あの兄さんが塗り薬を渡していたの?」
「自分もケガをするからいつも持ち歩いていると言っていました」
「へぇ…自分の物を人に渡すなんて、その時からフォスティヌさんを見ていたのかしら?」
「え!?」
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「…公園にいた時もブラッドさんとぶつかったんです」
「は?……フォスティヌさんて…案外おっちょこちょいの所があるのかしら?」
「お!?……」
「ふ~ん…兄さんが気になるのもわかる気がするわ」
「え、それはどう言う意味で……」
「一人でいるとフラフラと行ってしまいそうだから…だから自分が傍にいてあげたいって事かしら?」
「~~~」
フォスティヌは声にならないほど真っ赤になっていた。
「おい、捜したぞ」
「あっ、世話好きな人が来た」
「は?」
ブラッドはセレーヌに首を傾げ、フォスティヌは学園の頃を思い出し、自分がいる所にはいつもブラッドがいた事を思い出していた。
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