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庭園へ
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昼食を終えたフォスティヌは豪華な料理に驚きながらも完食した。
「口にあったかな?」
「はい…どれも美味しくいただきました」
「そうか、喜んでくれたのなら何よりだ」
笑みを見せるブラッドの父親は昼食を美味しく食べるフォスティヌに声をかけていた。
「庭園には行ったかしら?」
「まだです。昼食が終わりましたらブラッドさんが案内してくれるそうです」
「わたくしも一緒に行っても良いかしら?」
セレーヌが庭園に自分も一緒にと言ってフォスティヌの方へ顔を向けた。
「あ、私は良いですけど……」
「俺はダメだ」
「え…」
ブラッドはセレーヌも一緒に庭園に行くのを断っていた。
「え~っ、どうしてダメなの?兄さん」
「今日は二人で過ごすと決めている」
(え、そうだったの?いつ決めたんだろう?)
「そうだな、今日は仕方がないセレーヌ今度フォスティヌさんを誘ったらいい…」
「え~…わたくし、いつ帰って来るのか分からないのよ?」
頬を膨らませるセレーヌを見てフォスティヌはブラッドの方へ顔を向けた。
「あの…ブラッドさん、庭園はセレーヌさんも一緒ではダメですか?残りの時間は…ブラッドさんと過ごしますから…」
少し頬を染めてブラッドにお願いするフォスティヌを見て、観念したのかセレーヌに声をかけた。
「…わかった…セレーヌも一緒に行こう」
「本当!?兄さん」
「ああ…」
「ありがとう、フォスティヌさん!」
「いえ」
喜ぶセレーヌにフォスティヌはこんなに喜ぶとは思いもしていなかった。
「昼食は終わったかしら?」
「はい」
「じゃあ、行きましょうか」
「あ…はい」
フォスティヌを連れて行くセレーヌにブラッドが慌てたように席を立った。
「おい!」
「兄さんは後から来ても良いわよ。行きましょうフォスティヌさん」
「は、はい…」
セレーヌはフォスティヌの手を引くとブラッドを残して部屋を出た。
「……はぁ…二人で行こうと思ったが……」
「ふふふふ、置いていかれたわねブラッド」
「ぅ…」
「お前の慌てたような顔は初めて見たな…」
「……はぁ…」
うんうんと頷く父親の顔を見てブラッドはため息を吐いていた。
「あなたよりもセレーヌが、フォスティヌさんを気に入っているようだわ」
「そうだな、同じ年でもあるがセレーヌの方が積極的のようだなセレーヌが男だったらどうなっていたか」
「……庭園へ行って来る…」
「ふふふ」
「二人の邪魔にならないようにな」
「は?……行って来る……」
ブラッドは、何故か両親から遊ばれているような気がして頭を触りながら庭園へと向かった。
「口にあったかな?」
「はい…どれも美味しくいただきました」
「そうか、喜んでくれたのなら何よりだ」
笑みを見せるブラッドの父親は昼食を美味しく食べるフォスティヌに声をかけていた。
「庭園には行ったかしら?」
「まだです。昼食が終わりましたらブラッドさんが案内してくれるそうです」
「わたくしも一緒に行っても良いかしら?」
セレーヌが庭園に自分も一緒にと言ってフォスティヌの方へ顔を向けた。
「あ、私は良いですけど……」
「俺はダメだ」
「え…」
ブラッドはセレーヌも一緒に庭園に行くのを断っていた。
「え~っ、どうしてダメなの?兄さん」
「今日は二人で過ごすと決めている」
(え、そうだったの?いつ決めたんだろう?)
「そうだな、今日は仕方がないセレーヌ今度フォスティヌさんを誘ったらいい…」
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「いえ」
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「昼食は終わったかしら?」
「はい」
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「おい!」
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「……はぁ…二人で行こうと思ったが……」
「ふふふふ、置いていかれたわねブラッド」
「ぅ…」
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「……はぁ…」
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「あなたよりもセレーヌが、フォスティヌさんを気に入っているようだわ」
「そうだな、同じ年でもあるがセレーヌの方が積極的のようだなセレーヌが男だったらどうなっていたか」
「……庭園へ行って来る…」
「ふふふ」
「二人の邪魔にならないようにな」
「は?……行って来る……」
ブラッドは、何故か両親から遊ばれているような気がして頭を触りながら庭園へと向かった。
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