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ブラッドの部屋
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部屋の前で「ふぅ……」と息を吐くブラッドにフォスティヌは見上げていた。
「どうしました?先輩…」
「…何故二人になると『先輩』に戻るんだ?」
「私にもわかりません」
笑顔を見せるフォスティヌにブラッドも笑みを見せていた。
「何もない部屋だが、俺の部屋に行くか?」
「え!?……」
フォスティヌは、ブラッドの部屋に案内すると聞き顔が真っ赤になっていた。キスを覚えたブラッドは、積極的になるのを知ったフォスティヌは戸惑っていた。
(先輩の部屋を見てみたいけど…キスはイヤではないけれど私が覚えていないのが怖いだけだから……)
「…ふっ、庭園が良いのか?」
「え、あ…ブラッド先輩の部屋へ……」
「決まりだな、部屋へ案内しょう」
ブラッドはフォスティヌの手を取り部屋へと向かう事になった
「え!?え?……あれ?」
フォスティヌは、『庭園へ』と言ったつもりが『部屋へ』と言ってしまったようだ。
フォスティヌは変更できないと諦め自分がただ意識し過ぎているだけと思い、今はブラッドの部屋までの通りを眺めて歩くようにした。
キラキラとゴミがない廊下を歩き、何もかもが高級に見え目がチカチカとなりそうだった。
「さっきから何を探しているんだ?」
「え?何も探していませんけど…」
「上下左右に周りを見ていたから何か探していると思ったが…」
「あ…綺麗な廊下でしたから掃除が大変だな…と思って見ていました」
「そうだな…メイド達の掃除は大変だと思う…急な来客が来てもいいように毎日は欠かせない仕事だからな…階段を上ろう」
「はい…」
フォスティヌは階段を上がり、広い廊下に扉が幾つもあり本当にここは屋敷なのかと思うほど驚くばかりだった。
「ここが、俺の部屋だ」
扉を開いたブラッドはフォスティヌを部屋に案内した。
「お邪魔しま……す……」
ポカーンと口が空き周りを見渡したフォスティヌは、これが男性の部屋なのかと思うほど綺麗に掃除がしていた。
(…兄様の部屋も綺麗だったけれど…)
「あまり、部屋に入る事はないからな…」
「部屋には入らないのですか?何処で寝ているのですか?」
「ああ…言っていなかったか?寮生活をしているんだ」
「え!?寮…ですか?」
「二人部屋の寮だが、同室の先輩には色々と相談になってもらっている」
ブラッドはフォスティヌを見て笑みを見せていた。
「そうですか、良い先輩が一緒で良かったです」
「ああ、二段ベッドだが先輩は下のベッドを使っているがよく頭を天井にぶつけているんだ」
「えっ、二段ベッドなんですか!?…ブラッド先輩が上の段で寝るのですか…ふふふ」
「何故笑う?」
「あ、すみません…先輩身長が高いからベッドから足が出ているのを想像してしまいました…」
「……確かに、足はベッドから出る時があるな…横になればなんとか足も出る事がないが……」
ブラッドは頭をガシガシと触りフォスティヌはクスクスと笑っていた。
「どうしました?先輩…」
「…何故二人になると『先輩』に戻るんだ?」
「私にもわかりません」
笑顔を見せるフォスティヌにブラッドも笑みを見せていた。
「何もない部屋だが、俺の部屋に行くか?」
「え!?……」
フォスティヌは、ブラッドの部屋に案内すると聞き顔が真っ赤になっていた。キスを覚えたブラッドは、積極的になるのを知ったフォスティヌは戸惑っていた。
(先輩の部屋を見てみたいけど…キスはイヤではないけれど私が覚えていないのが怖いだけだから……)
「…ふっ、庭園が良いのか?」
「え、あ…ブラッド先輩の部屋へ……」
「決まりだな、部屋へ案内しょう」
ブラッドはフォスティヌの手を取り部屋へと向かう事になった
「え!?え?……あれ?」
フォスティヌは、『庭園へ』と言ったつもりが『部屋へ』と言ってしまったようだ。
フォスティヌは変更できないと諦め自分がただ意識し過ぎているだけと思い、今はブラッドの部屋までの通りを眺めて歩くようにした。
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「さっきから何を探しているんだ?」
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「上下左右に周りを見ていたから何か探していると思ったが…」
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「そうだな…メイド達の掃除は大変だと思う…急な来客が来てもいいように毎日は欠かせない仕事だからな…階段を上ろう」
「はい…」
フォスティヌは階段を上がり、広い廊下に扉が幾つもあり本当にここは屋敷なのかと思うほど驚くばかりだった。
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扉を開いたブラッドはフォスティヌを部屋に案内した。
「お邪魔しま……す……」
ポカーンと口が空き周りを見渡したフォスティヌは、これが男性の部屋なのかと思うほど綺麗に掃除がしていた。
(…兄様の部屋も綺麗だったけれど…)
「あまり、部屋に入る事はないからな…」
「部屋には入らないのですか?何処で寝ているのですか?」
「ああ…言っていなかったか?寮生活をしているんだ」
「え!?寮…ですか?」
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「ああ、二段ベッドだが先輩は下のベッドを使っているがよく頭を天井にぶつけているんだ」
「えっ、二段ベッドなんですか!?…ブラッド先輩が上の段で寝るのですか…ふふふ」
「何故笑う?」
「あ、すみません…先輩身長が高いからベッドから足が出ているのを想像してしまいました…」
「……確かに、足はベッドから出る時があるな…横になればなんとか足も出る事がないが……」
ブラッドは頭をガシガシと触りフォスティヌはクスクスと笑っていた。
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