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会いたくて…
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チチチ…鳥の囀ずる声に目が覚めたフォスティヌは、あまり眠る事が出来なかったようだ。
「……昨日の事を思い出して眠れなかった……」
昨日はフォスティヌにとって、フランシスの複雑な思いとブラッドとの初めての思い出との二つの思い出ができた。
「…今日は、ブラッド先輩の屋敷へ……本当に行くのかな…ご両親に会うのかな……何を話せばいいのか不安になってきたけど…」
フォスティヌは、ベッドの上から下りた後昨日母親と一緒に決めた服を着ると鏡の前に座り「はあ~」とため息を吐いて部屋を出た。
「フォスティヌお嬢様!?」
メイドのソニアが驚いた顔で傍に来た。
「あ、おはようソニア」
「お、おはようございます…どうしたのですか?まだお目覚めには早いのですが…それに、髪の毛が寝癖のままです…」
「うん、いいのこのままで…庭園を散歩しょうと思って…部屋に戻った時に髪の毛をお願いね」
「はい…今からでも整えましょうか?」
「後からでいいの、少し歩いてくるわね」
「…分かりました」
フォスティヌはメイドのソニアに伝えると屋敷の外に出た。
まだ薄明かるくなり始めている空を見てフォスティヌは、深呼吸をして気分を落ち着かせていた。
「……はぁ…少し歩こう……」
フォスティヌは周りに咲く花を見て歩いていた時、門の外から見える馬車に気がついた。
「……馬車?どうして止まっているのかしら…何処の馬車だろう…」
門から見ていたフォスティヌは見覚えのある馬車に声を出した。
「え!?ブラッド先輩の所の馬車?!」
フォスティヌは何故ブラッドの馬車が止まっているのか、馬車の中にブラッドがいるのか確認したいが、門が閉まっているため使用人の所へ行かないと門を開ける事が出来なかった。
「ん?誰だそこにいるのは…」
「あ!マービンさん」
「…フォスティヌお嬢様?どうしたんですか?それに…髪の毛が…」
「私の髪の毛はいいの、門を開けて欲しいの…」
「門ですか?…はい、分かりました…」
使用人のマービンは門を開けるとフォスティヌは、馬の手綱を握ったまま寝ている男性に声をかけた。
「あ、あの…おはようございます…」
「…んがっ……か~…」
「……」
男性はフォスティヌの声で起きる気配もなく、その様子を見ていた使用人のマービンは眠っている男性に声を上げた。
「おい!あんた、起きろ!!おいっ!!」
「んあ!?あ?は、はいっ?」
男性は慌てたように使用人のマービンの方を見下ろして驚いた様子だった。
「あんた、こんな所で寝ると風邪引くぞ」
「す、すみません…」
「おはようございます…あの、馬車の中にはブラッドさんがいるのですか?」
「あ、はい…しばらくお待ちください…」
男性は馬車から降り扉を叩くとブラッドを呼んでいた。
コンコン!
「ブラッド様?お嬢様がお見えです…ブラッド様!?」
し~んと馬車の中から音が聞こえなかったフォスティヌは声をかけた。
コンコン!
「ブラッド先輩、私です。フォスティヌです!いますか!?」
ガタン、ドサッ!!
「え!?…」
馬車の中から何かが落ちる音を聞いたフォスティヌと使用人のマービンそして馬車の男性は、お互い顔を見て扉が開くのを待った。
「……昨日の事を思い出して眠れなかった……」
昨日はフォスティヌにとって、フランシスの複雑な思いとブラッドとの初めての思い出との二つの思い出ができた。
「…今日は、ブラッド先輩の屋敷へ……本当に行くのかな…ご両親に会うのかな……何を話せばいいのか不安になってきたけど…」
フォスティヌは、ベッドの上から下りた後昨日母親と一緒に決めた服を着ると鏡の前に座り「はあ~」とため息を吐いて部屋を出た。
「フォスティヌお嬢様!?」
メイドのソニアが驚いた顔で傍に来た。
「あ、おはようソニア」
「お、おはようございます…どうしたのですか?まだお目覚めには早いのですが…それに、髪の毛が寝癖のままです…」
「うん、いいのこのままで…庭園を散歩しょうと思って…部屋に戻った時に髪の毛をお願いね」
「はい…今からでも整えましょうか?」
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「…分かりました」
フォスティヌはメイドのソニアに伝えると屋敷の外に出た。
まだ薄明かるくなり始めている空を見てフォスティヌは、深呼吸をして気分を落ち着かせていた。
「……はぁ…少し歩こう……」
フォスティヌは周りに咲く花を見て歩いていた時、門の外から見える馬車に気がついた。
「……馬車?どうして止まっているのかしら…何処の馬車だろう…」
門から見ていたフォスティヌは見覚えのある馬車に声を出した。
「え!?ブラッド先輩の所の馬車?!」
フォスティヌは何故ブラッドの馬車が止まっているのか、馬車の中にブラッドがいるのか確認したいが、門が閉まっているため使用人の所へ行かないと門を開ける事が出来なかった。
「ん?誰だそこにいるのは…」
「あ!マービンさん」
「…フォスティヌお嬢様?どうしたんですか?それに…髪の毛が…」
「私の髪の毛はいいの、門を開けて欲しいの…」
「門ですか?…はい、分かりました…」
使用人のマービンは門を開けるとフォスティヌは、馬の手綱を握ったまま寝ている男性に声をかけた。
「あ、あの…おはようございます…」
「…んがっ……か~…」
「……」
男性はフォスティヌの声で起きる気配もなく、その様子を見ていた使用人のマービンは眠っている男性に声を上げた。
「おい!あんた、起きろ!!おいっ!!」
「んあ!?あ?は、はいっ?」
男性は慌てたように使用人のマービンの方を見下ろして驚いた様子だった。
「あんた、こんな所で寝ると風邪引くぞ」
「す、すみません…」
「おはようございます…あの、馬車の中にはブラッドさんがいるのですか?」
「あ、はい…しばらくお待ちください…」
男性は馬車から降り扉を叩くとブラッドを呼んでいた。
コンコン!
「ブラッド様?お嬢様がお見えです…ブラッド様!?」
し~んと馬車の中から音が聞こえなかったフォスティヌは声をかけた。
コンコン!
「ブラッド先輩、私です。フォスティヌです!いますか!?」
ガタン、ドサッ!!
「え!?…」
馬車の中から何かが落ちる音を聞いたフォスティヌと使用人のマービンそして馬車の男性は、お互い顔を見て扉が開くのを待った。
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