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今日そして明日
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フォスティヌとパティは学園が終わりいつものブラッドが迎えに来ていた。
フォスティヌは馬車に乗りブラッドを見ると昨日を思い出してしまい、顔が真っ赤になっていた。
「……大丈夫か?」
「え?」
「目が少し腫れているようだが…」
「あ…これでも朝よりはいいんです」
フォスティヌは苦笑いを見せブラッドに話していた。
「朝は酷かったのか?」
「はい、それはもう…目が開いているのか分からないくらいでしたから…」
「ふっ、そうか」
笑み見せるブラッドにフォスティヌは頬を染めていた。
「…指輪は……」
「部屋に保管しています!」
「保管?」
「あ、いえ、引き出しの中にあります」
「そうか…学園だったな…サイズは大丈夫だったのか?」
「えっ!?は、はい…」
フォスティヌは、指輪の話になると頬が熱くなるためブラッドの顔が見辛くなってしまう…
「明日、指輪を持って来て欲しい」
「指輪をですか?」
「ああ…明日はルーベンスの屋敷で食事会がある…フランシスも一緒だろう…」
「……」
「俺達が婚約をしたと君の手を見てわかるように…フランシスもルーベンスと婚約をするんだ。この前のように寄りを戻そうなどと言わないだろう…」
「……この前…」
フォスティヌはブラッドが話の場を作ってくれた時の事を話しているだろうと思い、自分の事を想ってくれているブラッドに頬を染め、明日はフランシスとシャロンに会うと思うとあの日の事を思い出し冷静でいる事ができるのか不安だった。
「…明日は俺の傍にいるように」
「……はい」
ブラッドの声に安心したフォスティヌは笑顔を見せていた。
その頃、フランシスは騎士学校が終ると馬車に乗りカナリアを降ろした湖のある公園へと向かっていた。
「城内の近くに湖の公園があるとは知らなかった…」
フランシスは、明日シャロンの屋敷にフォスティヌが来ると思うと嬉しさと苦しさで胸が押し潰される感じがして、馬車の中から外をじっと見ていた。
「……フォスティヌに無理に婚約はしなくてもいいと話す事が言えなかった…明日は会えるだろうか……」
フランシスは、馬車の中でフォスティヌの事を考えている間湖のある公園へと着いた。
「日が沈む頃に迎えに来てくれ、この事は内密に頼む!これはお礼だ」
フランシスは使用人にお金を渡し受け取った。
「…ありがとうございます……」
フランシスは、使用人にお金を渡すと馬車から離れ湖がある方へ歩く後ろ姿を使用人はじっと見ていた。
「……昨日の女性と会うのか?…はぁ、良いよな…顔が良い男は…婚約者になる女がいて更に別の女がいるって…凄いを通り越して驚くと言うか…怖いもの知らずなのか……」
使用人は首を振りため息を吐いて馬車を走らせた。
「カナリアさん!」
「あ!フランシス君」
湖の公園でフランシスは、昨日城内の公園のベンチでカナリアと知り合い会う約束をしていた。
カナリアは、フランシスと二歳年上になり呼び方が『君』と『さん』で決めていたようだ。
フォスティヌは馬車に乗りブラッドを見ると昨日を思い出してしまい、顔が真っ赤になっていた。
「……大丈夫か?」
「え?」
「目が少し腫れているようだが…」
「あ…これでも朝よりはいいんです」
フォスティヌは苦笑いを見せブラッドに話していた。
「朝は酷かったのか?」
「はい、それはもう…目が開いているのか分からないくらいでしたから…」
「ふっ、そうか」
笑み見せるブラッドにフォスティヌは頬を染めていた。
「…指輪は……」
「部屋に保管しています!」
「保管?」
「あ、いえ、引き出しの中にあります」
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「明日、指輪を持って来て欲しい」
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「ああ…明日はルーベンスの屋敷で食事会がある…フランシスも一緒だろう…」
「……」
「俺達が婚約をしたと君の手を見てわかるように…フランシスもルーベンスと婚約をするんだ。この前のように寄りを戻そうなどと言わないだろう…」
「……この前…」
フォスティヌはブラッドが話の場を作ってくれた時の事を話しているだろうと思い、自分の事を想ってくれているブラッドに頬を染め、明日はフランシスとシャロンに会うと思うとあの日の事を思い出し冷静でいる事ができるのか不安だった。
「…明日は俺の傍にいるように」
「……はい」
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その頃、フランシスは騎士学校が終ると馬車に乗りカナリアを降ろした湖のある公園へと向かっていた。
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フランシスは、明日シャロンの屋敷にフォスティヌが来ると思うと嬉しさと苦しさで胸が押し潰される感じがして、馬車の中から外をじっと見ていた。
「……フォスティヌに無理に婚約はしなくてもいいと話す事が言えなかった…明日は会えるだろうか……」
フランシスは、馬車の中でフォスティヌの事を考えている間湖のある公園へと着いた。
「日が沈む頃に迎えに来てくれ、この事は内密に頼む!これはお礼だ」
フランシスは使用人にお金を渡し受け取った。
「…ありがとうございます……」
フランシスは、使用人にお金を渡すと馬車から離れ湖がある方へ歩く後ろ姿を使用人はじっと見ていた。
「……昨日の女性と会うのか?…はぁ、良いよな…顔が良い男は…婚約者になる女がいて更に別の女がいるって…凄いを通り越して驚くと言うか…怖いもの知らずなのか……」
使用人は首を振りため息を吐いて馬車を走らせた。
「カナリアさん!」
「あ!フランシス君」
湖の公園でフランシスは、昨日城内の公園のベンチでカナリアと知り合い会う約束をしていた。
カナリアは、フランシスと二歳年上になり呼び方が『君』と『さん』で決めていたようだ。
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