婚約者の彼から彼女の替わりに嫁いでくれと言われた

クロユキ

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高い買い物

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「あ、これ可愛いい!これも可愛いい……でも高いな~…」
フォスティヌは選ぶのに悩み金額を見て悩んでいた。
「決まったのか?」
「あ、いえ…まだです」
眉間にシワ寄せて悩むフォスティヌを見ていたブラッドは首を傾げていた。
「悩むなら全部買うか?」
「こ、これに決めました!」
フォスティヌはブラッドの『服を全部買う』の声を聞き、慌てて側にあったドレスを手に持ってしまった。
「……これは…肌を出しすぎる…却下だ」
「~~~」
フォスティヌは顔を真っ赤にして派手なドレスを置いた。
ブラッドもわかっていたが、フォスティヌの仕草の一つ一つがいとおしくて、つい意地悪な事を言ってしまう自分にも驚いていた。
「……これ以上好きになったらどうすればいいんだ?」
「え?何か言いましたか?」
「……いや、なんでもない…」
「あ…これに決めました」
「ん?」
素足が見えるドレスに腰には紐が付いたリボンの形に色は薄い水色をフォスティヌは選んだ。
「これで良いのか?」
「はい…」
ブラッドはフォスティヌのドレスを買い店内を見渡していた。
「誰か知り合いの人がいるのですか?」
「…いや、行こうか」
ブラッドはコルベット伯爵親子がいないのを見て息を吐いていた
店を出たブラッドとフォスティヌは手提げ袋をフォスティヌに渡していた。
「……ありがとうございます…高い買い物になってしまいました…」
「気にするなと言っただろう、これから買う物が買えなくなる」
「?」
「…次の店に行こう」
「まだ、何かあるのですか?」
フォスティヌはブラッドの歩くあとをついて行き次の店へと行った。
次の店は先ほど買ったドレスに合う靴を買うことになり、フォスティヌは「屋敷にありますから大丈夫です」と言ったがブラッドが「買う」と引き下がる事はなくそのまま靴を選ぶ事になった。
(う~~っ、靴も高いお買い物になってしまって…こんなに買って貰って良いのかな…兄様との買い物は隣街に行った時だけだったから……)
フォスティヌはブラッドの後ろ姿を見て初めての買い物に頬を染めていた。
「次の店で最後だ」
「…まだ、何かあるのですか?」
フォスティヌはこれ以上何も無いと思っていたため、首を傾げていた。
チリン!
「いらっしゃいませ」
女性の店員が笑顔で挨拶をして、フォスティヌは店の中で驚いていた。
店の中は若い男女が一緒に店内を見回り女性達は皆笑顔を見せていた。
「……ブ、ブラッド先輩……」
「『ブラッド』だ!見て回るぞ」
「え、あ…はい」
フォスティヌはブラッドの買い物だと思い一緒に店内にあるガラスケースを見ていた。






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