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ブラッドとフォスティヌ⑤
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馬車に乗ったブラッドとフォスティヌは馬車を走らせ城内を後にした。
「あまり街にいる事ができなかったが楽しんだか?」
「はい、ありがとうございました…兄様の事で沈んでいましたがブラッド先輩が城内の街を案内してくれたので、気分が良くなりました」
笑顔を見せるフォスティヌにブラッドは笑みを見せていた。
「……君に話しておかないといけないんたが…」
「お話しですか?」
「フランシスが話していた食事会の事なんだが…」
ブラッドはため息を吐いてフォスティヌに話していた。
「…思い出させてしまうが…フランシスと別れて俺と会った日を覚えているか?」
「…はい……」
(……忘れる事ができない日だから…)
「貴族の夫婦が俺の傍に来たのを覚えているか?」
「貴族の夫婦ですか?…あっ!カバンの話をしていた人ですか?」
フォスティヌはブラッドに駆け寄る夫婦を思い出していた。
「ああ、その夫婦の娘が君も会ったシャロン・ルーベンスなんだ」
「え…」
フォスティヌはフランシスの隣にいたシャロンを思い出し、不機嫌な顔を見せていた。
「……私、その人にもクッキーを投げたんです…その後階段を兄様と一緒に歩いて下りて、腕まで組んでいる所を見て帰ったのを覚えています…」
「…そんな事があったのか……」
「あ…すみません…ブラッド先輩にこんな話をして…」
「気にする事はない…話の続きだが、ルーベンスの両親が俺に婚約の話を持ち出してきたんだ」
「婚約……」
「あまりにもしつこく言い寄る為俺は婚約者がいると言ったんだまだ、フォスティヌに婚約の話をしていない時でもあったが…その食事会に婚約者を連れて来るならルーベンスとの婚約の話はなかった事にすると言ってだな……その…君を巻き込むと思い言えなかったのもあるが…いや、忘れていたが…ルーベンスの食事会は行かなくてもよかったんだが、はっきりとあの夫婦に言わないとわからないと思って…その…早く君と婚約をしたいのもあるが……」
目を逸らして真っ赤になるブラッドをフォスティヌは驚いて思わず笑ってしまった。
「ふふふ…」
「……笑うような事でも話したのか?」
「いえ…見たこともないブラッド先輩の顔を見る事ができて嬉しくて…食事会、私が一緒でいいのですか?」
「!!……いいのか?…フランシスとルーベンスに会う事になるが…」
「はい…私にはブラッド先輩がいますから」
「……ブラッドだ!先輩はいらない」
「えっ、でも『先輩』って言った方が安心するので…」
「何故、先輩で安心するのかわからないが、まさか、食事会でも『先輩』と呼ぶつもりだったのか?」
ブラッドは不機嫌そうな顔でフォスティヌを見ていた。
「え…」
「……」
「…駄目ですか?」
「駄目だろう普通に考えれば…」
「もう、呼び慣れてしまったのに?」
笑顔を見せるフォスティヌにブラッドはため息を吐いていた。
「……わかった。名前で言ってくれるまで君の屋敷へ毎日通う事にしょう…ついでに勉強も見てやろうか?」
「え…?」
不敵な笑みを見せるブラッドに、フォスティヌは茫然とした顔でブラッドを見て、我にかえった時は屋敷に着いていた。
「あまり街にいる事ができなかったが楽しんだか?」
「はい、ありがとうございました…兄様の事で沈んでいましたがブラッド先輩が城内の街を案内してくれたので、気分が良くなりました」
笑顔を見せるフォスティヌにブラッドは笑みを見せていた。
「……君に話しておかないといけないんたが…」
「お話しですか?」
「フランシスが話していた食事会の事なんだが…」
ブラッドはため息を吐いてフォスティヌに話していた。
「…思い出させてしまうが…フランシスと別れて俺と会った日を覚えているか?」
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目を逸らして真っ赤になるブラッドをフォスティヌは驚いて思わず笑ってしまった。
「ふふふ…」
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「え…」
「……」
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「……わかった。名前で言ってくれるまで君の屋敷へ毎日通う事にしょう…ついでに勉強も見てやろうか?」
「え…?」
不敵な笑みを見せるブラッドに、フォスティヌは茫然とした顔でブラッドを見て、我にかえった時は屋敷に着いていた。
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