婚約者の彼から彼女の替わりに嫁いでくれと言われた

クロユキ

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フォスティヌと重ね…②

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「…君も一緒に…?!僕は一人分の料金しか持っていないよ…それにもし、泊まるのなら両親に言わないと…」
「…フランシスさんと同じ部屋でも良いですか?」
「!……君は自分が何を言っているのか分かって…」
「……傍にいたいんです…フランシスさんに彼女がいるのは知っています…あまり会う事もできないのも…フランシスさんが宿に泊まると聞いて一緒に長くいたい時間は今しかないと思って…」
「……」
フランシスは今日の自分も誰かが傍にいて欲しいと思っていた。
「……分かった…君が良ければ…ただし、両親が泊まっていいのか聞いてからだけど…もし、駄目だと言われたら泊まるのは諦めてくれ……」
「!は、はい、あの…私が戻るまで待っててくれますか?」
「わかった…」
エリアは両親に泊まる許可をもらいに家へと向かった。
「……シャロンに見つかれば殺されるな…」
フランシスはクスッと笑いベンチの周りには街灯がつき始めていた。
「……今日は色んな事がありすぎた…」
フランシスはブラッドとフォスティヌが一緒にいる姿を思い出し苦痛な思いだった。
「…ブラッドにフォスティヌと一緒になって欲しいと言ったのは僕なのに…いざ、目の前に一緒にいて会話をする姿を見ていると嫉妬するなんて……」
フランシスは両手を顔に被せため息を吐いていた。
「あの、隣あいていますか?」
女性が一人フランシスに座っているベンチの側に立ち声をかけていた。
「ええ、どうぞ…あ!いえ、彼女が来ますから…」
「そうですか…」
女性はフランシスのベンチから離れて行った。
「ふっ…彼女か……僕はフォスティヌをみんなの前で彼女だと言った事はあったかな…シャロンと出かける事が多かったから…今になって色んな所に連れていけばよかったと…後悔するなんて…」
フランシスはエリアを待っ間、何人かの女性から声をかけられたが、上の空だったようで女性達は隣に座る事はなかった。
「お待たせしました!」
エリアの声で我に返ったフランシスは、リュックを持ったエリアに驚いていた。
「…どこか、山登りでもするのかい?」
「え!?ふふっ、夜道に山登りは遭難します」
クスクスと笑うエリアを見てフランシスも笑顔を見せていた。
「両親に泊まって来ますと言ってきました」
「え…、本当に僕と泊まるのか?」
「えっ、駄目ですか?教科書を持ってきたんです。フランシスさん、以前教えてくれるって言っていましたから…」
「教科書……ぷっ、はははは…まさか、教科書を持ってくるなんて…」
「ええっ、そんなに笑わなくても…」
頬を膨らませているエリアを見てフランシスは(フォスティヌも僕に勉強を教えてと持って来ていたな…)懐かしい記憶を思い出しエリアと一緒に宿に泊まる事になった。
宿の部屋はベッドが一つにテーブルと椅子があるだけだった。
「宿に泊まるのは初めてですが…何もないんですね…」
「お腹が空いたら注文が出来るんだ」
「へえ…フランシスさんは良く泊まるのですか?」
「……たまにだけど……どうして?」
「…いぇ…彼女も泊まるのかなって思って…すみません余計な事を聞いて…」
エリアはリュックを床に置き、フランシスに彼女と泊まった事があるのかと聞いてしまったのが気まずくなっていた。
「……彼女と宿に泊まった事はないかな…彼女の屋敷に泊まる事が多かったから…」
「え!?」
フランシスはエリアにフォスティヌではなくシャロンの事を話した。フォスティヌとは関係がなかった為泊まる事はなかった。
「そ、そうですよね、宿より屋敷の方が泊まりやすいしお金がいらないから…」
ギシッと軋む音にビクッと驚くエリアはフランシスの方へ顔を向けると、ベッドに座って俯く姿を見せていた。
(…今日は疲れたと言っていたかな……)
「あの、先に休んでてください私は後から休みますから…」
「……君も一緒に…隣に座って…エリア…」
「え!?……」
フランシスの自分を呼ぶ声にエリアは、ゆっくりと歩きベッドの上に座るフランシスの前にいた時、ギュッとエリアの腰に腕を回し顔を埋めるフランシスにエリアは驚いて動けなかった。
「!?フラ…!」
「……少し、このままで……いてもいいかな……」
自分のお腹に顔を埋めるフランシスにエリアはフランシスの体を抱きしめ、フランシスは埋めた顔を上げ自分を見下ろすエリアに唇を重ねた。
「ん……」
エリアの体を抱きしめるフランシスは、何度も唇を重ね抱きしめていたエリアをベッドの上に寝かせ、二人は夜が明けるまで一緒に過ごした。






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