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フォスティヌのお客様⑧
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ブラッドはフォスティヌの両親に話が終わったと告げ、両親達は部屋の中へ入りソファーに座った。
「フォスティヌ、顔色が変わったな…」
「え?」
「まあ、ブラッド君とお話をしたおかげかしら?」
両親から変わったと言われたフォスティヌは、自分の頬を触って首を傾げていた。
「彼女が成人した日に式を挙げたいと思います」
「…し…式…」
フォスティヌはブラッドから結婚式と聞きフランシスを思い出していた。
「そうだな、まだフォスティヌは学生だったな…今でも式を挙げてもいいのだが」
「!?お、お父様?」
「ホホホ、そうよね~ブラッド君素敵な男性だからどこかの令嬢に捕られてしまわないかと心配だわ」
「お、お母様!?」
「俺は彼女しか見ていませんので」
「…ぅ…」
「おお…」
「まぁ…」
三人に笑顔で告白するブラッドにフォスティヌは顔を真っ赤になり、父親は『そうか、そうか』と頷き、母親は『お父さんから聞きたい言葉だわ』と言われ目を逸らしている父親だった。
「あの…落ち着いた頃に両親を連れて来てもいいでしょうか?」
「!おおっ、ブラッド君のご両親か…緊張するな…」
「私達はいつでもいいから、ご両親のお時間がある時で良いわよ」
「ありがとうございます。日時は後日お知らせします」
「わかった。ところで…ブラッド君の両親はどんな人なんだ?…いや、聞くのは止めておこう…はあ、会う前から緊張してきた」
「ふふふ、お父さんたら」
ブラッドと両親が会話が弾むなか一人だけ取り残された気分でいるフォスティヌはムッと頬がふくれていた。
「どうした?フォスティヌ、顔が剥れているぞ?」
「別に…」
「お父様とお母様はブラッド君を独り占めしているわけではないのよ。ふふふ」
「べ、別に…」
「構って欲しいのか?」
「べ……ぅ…先輩はどうしてそんなにお喋りなんですか?」
「は?」
「私が知っている先輩は、無愛想で笑顔なんて見せない先輩でした」
「誰だそれ?」
「ブラッド先輩です!」
「……いや、何もそんなにむきにならなくても…俺そんな顔をしていたのか?」
落ち込むブラッドを初めて見たフォスティヌは慌てていた。
「ご、ごめんなさい…私、ブラッド先輩に失礼な事を…」
「…その無愛想な俺はいつの頃なんだ?」
「えっ、学園の…頃です…」
「ふっ、そうか…初めての会話で緊張していた俺だ」
「え!?」
「覚えていてくれたんだな…」
「え?え!?それは…し、身長が高いのと…顔が…良いから…です…」
「女子が話していた会話と一緒だな…」
「え……!」
「あの頃の身長は、他の男子と変わらないと思うんだが…何故、頬を膨らませて見ているんだ?気に障る事でも言ったのか?」
「知りません!」
「?」
フォスティヌとブラッドの会話を見ていたフォスティヌの両親は笑顔を見せ、二人の会話をする姿を黙って見ていた。
会話が落ち着くとブラッドは帰る挨拶をした。
「突然の訪問と婚約を認めていただきありがとうございます…」
「…こちらこそ、ありがとうブラッド君…娘を選んでくれて…なんと言えば良いのか胸が一杯だ…」
「いつでも遊びにいらっしゃい…ミルク紅茶を用意しているから」
「ありがとうございます…それで、お願いがありますが…」
「ん?なんだい?」
「明日の夕暮れに、フォスティヌさんと行きたい場所があるのです」
「え!?明日?」
「それは構わないが…」
ブラッドはフォスティヌの方を見たあと、両親の方へ顔を向けた。
「……フランシスも一緒です」
「「「!?」」」
両親は驚きフォスティヌはもっと驚きブラッドの方を見上げていた。
「フォスティヌ、顔色が変わったな…」
「え?」
「まあ、ブラッド君とお話をしたおかげかしら?」
両親から変わったと言われたフォスティヌは、自分の頬を触って首を傾げていた。
「彼女が成人した日に式を挙げたいと思います」
「…し…式…」
フォスティヌはブラッドから結婚式と聞きフランシスを思い出していた。
「そうだな、まだフォスティヌは学生だったな…今でも式を挙げてもいいのだが」
「!?お、お父様?」
「ホホホ、そうよね~ブラッド君素敵な男性だからどこかの令嬢に捕られてしまわないかと心配だわ」
「お、お母様!?」
「俺は彼女しか見ていませんので」
「…ぅ…」
「おお…」
「まぁ…」
三人に笑顔で告白するブラッドにフォスティヌは顔を真っ赤になり、父親は『そうか、そうか』と頷き、母親は『お父さんから聞きたい言葉だわ』と言われ目を逸らしている父親だった。
「あの…落ち着いた頃に両親を連れて来てもいいでしょうか?」
「!おおっ、ブラッド君のご両親か…緊張するな…」
「私達はいつでもいいから、ご両親のお時間がある時で良いわよ」
「ありがとうございます。日時は後日お知らせします」
「わかった。ところで…ブラッド君の両親はどんな人なんだ?…いや、聞くのは止めておこう…はあ、会う前から緊張してきた」
「ふふふ、お父さんたら」
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「どうした?フォスティヌ、顔が剥れているぞ?」
「別に…」
「お父様とお母様はブラッド君を独り占めしているわけではないのよ。ふふふ」
「べ、別に…」
「構って欲しいのか?」
「べ……ぅ…先輩はどうしてそんなにお喋りなんですか?」
「は?」
「私が知っている先輩は、無愛想で笑顔なんて見せない先輩でした」
「誰だそれ?」
「ブラッド先輩です!」
「……いや、何もそんなにむきにならなくても…俺そんな顔をしていたのか?」
落ち込むブラッドを初めて見たフォスティヌは慌てていた。
「ご、ごめんなさい…私、ブラッド先輩に失礼な事を…」
「…その無愛想な俺はいつの頃なんだ?」
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「え!?」
「覚えていてくれたんだな…」
「え?え!?それは…し、身長が高いのと…顔が…良いから…です…」
「女子が話していた会話と一緒だな…」
「え……!」
「あの頃の身長は、他の男子と変わらないと思うんだが…何故、頬を膨らませて見ているんだ?気に障る事でも言ったのか?」
「知りません!」
「?」
フォスティヌとブラッドの会話を見ていたフォスティヌの両親は笑顔を見せ、二人の会話をする姿を黙って見ていた。
会話が落ち着くとブラッドは帰る挨拶をした。
「突然の訪問と婚約を認めていただきありがとうございます…」
「…こちらこそ、ありがとうブラッド君…娘を選んでくれて…なんと言えば良いのか胸が一杯だ…」
「いつでも遊びにいらっしゃい…ミルク紅茶を用意しているから」
「ありがとうございます…それで、お願いがありますが…」
「ん?なんだい?」
「明日の夕暮れに、フォスティヌさんと行きたい場所があるのです」
「え!?明日?」
「それは構わないが…」
ブラッドはフォスティヌの方を見たあと、両親の方へ顔を向けた。
「……フランシスも一緒です」
「「「!?」」」
両親は驚きフォスティヌはもっと驚きブラッドの方を見上げていた。
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