86 / 174
フォスティヌのお客様②
しおりを挟む
フォスティヌの屋敷ではバタバタと忙しくする中、今夜、屋敷へ行くと言っていたブラッドは騎士服を脱ぎ出かける準備をしていた。
「さっきまで食堂にいた奴が、もう部屋に戻ってる」
着替えるブラッドに話しかけたのは同僚のショーンだった。
「先にすませたんだ」
「…出かけるのか?」
「ああ…」
「お前もやっと娼婦館に行く気になったか」
「行くわけないだろう!」
声を出してからかうショーンにブラッドはため息を吐いていた
「そう言えば、お前今日女の子達と一緒だったんだって?」
「…誰が言ったんだ?」
「ああ、レッド達だよ。お前を探していたら噴水広場のベンチに座る女の子と一緒だったと話していたぞ、誰だよ?その女の子…いつの間に任務中に見つけてくるんだ?」
「……彼女は学園の後輩だ…任務中に噴水広場を通った時ベンチに座っていたから声をかけただけだ…」
「……珍しいな…お前から女の子に話しかけるなんてさ…いつもは女が先にお前に話しかけてくるんだけど…」
「……」
ジロジロとブラッドの着替える所を見ていたショーンはいつも着る服を見て「女性に会いに行く服じゃないよな…」と声に出していた。
「もしかして、例の夫婦の所へ行くのか?」
「違う、彼女の屋敷へ行く」
「そうか、彼女の屋敷……はあ~?!かの…おま……」
「じゃあ、行って来る!少し遅くなるかもしれない」
「え、え?!遅くっ……おい、ブラッド!」
ショーンの呼び止める声を無視してブラッドは部屋を出て騎士寮の外へと出た。
「さて…彼女の屋敷まで少し距離があるな…歩いて行くわけにはいかないし…俺の屋敷で馬車を借りるか…」
ブラッドの屋敷は城の近くに建ち、父親は屋敷から城へ通い息子のブラッドは寮に住んでいた。
「…あまり、屋敷へは行きたくないが……」
ブラッドは屋敷へ着くとベルを鳴らし屋敷内から執事が扉を開け目の前に立つブラッドに驚いていた。
「ブラッド様!?」
「急に来て悪いが、馬車を借りたいんだ。今すぐ出せる馬車はあるのか?」
「え、馬車で御座いますか?はい、準備を致しますので旦那様とお会いになりますか?」
「いや、今日はやめておく……」
「わかりました。しばらくお待ちください」
「ああ…」
「ブラッド!?」
「!」
屋敷のないを歩いていたブラッドの父親が執事と話しているブラッドに気付き声をかけた。
「珍しいな、お前が屋敷へ帰ってくるとは、食事はすませたのか?」
「食堂ですませた…」
「そうか、城内ではお前と会う事が少ない為、話をすることもできない…せっかく帰って来たのだ。時間があるなら食事部屋で話さないか?お前に話したい事がある」
「……はぁ…求婚の話だろう?」
ブラッドはため息を吐き父親に声をかけた。
「!ああっ、よくわかったな」
「屋敷へ帰れば結婚を勧めれば、親父が何が言いたいのか分かる…」
「私も何度も言いたくはないが、お前ももうすぐ二十歳になる毎日のようにお前との縁談話が来ているんだ。令嬢達と会うだけでも良いだろう?とくに、コンベルト伯爵家のシャルロット令嬢はものしずかな性格だと聞く、お前に毎日のように手紙を出している…一度会って見てはどうだ?」
父親はブラッドに会うだけでもと話をしていた。
「俺は、誰とも会うつもりはない、縁談の話も断る」
「はぁ…どうしてお前は女性に興味がないんだ?…まさか、男が……」
「それは無い!」
「……こほん、そ、そうか…それを聞いて安心した……それなら」
「気になる女性はいる……」
「えっ!?」
ブラッドは父親に話をした。
「ブラッド様、馬車の用意が出来ました」
「ありがとう」
「馬車?……何処へ行くんだ?」
「気になる女性の屋敷へ行く所です。馬車は借りて行く」
「……」
ブラッドは父親に馬車を借りてフォスティヌの屋敷へ向かって行った。
「……誰だ?……その、気になる女性は……」
「さっきまで食堂にいた奴が、もう部屋に戻ってる」
着替えるブラッドに話しかけたのは同僚のショーンだった。
「先にすませたんだ」
「…出かけるのか?」
「ああ…」
「お前もやっと娼婦館に行く気になったか」
「行くわけないだろう!」
声を出してからかうショーンにブラッドはため息を吐いていた
「そう言えば、お前今日女の子達と一緒だったんだって?」
「…誰が言ったんだ?」
「ああ、レッド達だよ。お前を探していたら噴水広場のベンチに座る女の子と一緒だったと話していたぞ、誰だよ?その女の子…いつの間に任務中に見つけてくるんだ?」
「……彼女は学園の後輩だ…任務中に噴水広場を通った時ベンチに座っていたから声をかけただけだ…」
「……珍しいな…お前から女の子に話しかけるなんてさ…いつもは女が先にお前に話しかけてくるんだけど…」
「……」
ジロジロとブラッドの着替える所を見ていたショーンはいつも着る服を見て「女性に会いに行く服じゃないよな…」と声に出していた。
「もしかして、例の夫婦の所へ行くのか?」
「違う、彼女の屋敷へ行く」
「そうか、彼女の屋敷……はあ~?!かの…おま……」
「じゃあ、行って来る!少し遅くなるかもしれない」
「え、え?!遅くっ……おい、ブラッド!」
ショーンの呼び止める声を無視してブラッドは部屋を出て騎士寮の外へと出た。
「さて…彼女の屋敷まで少し距離があるな…歩いて行くわけにはいかないし…俺の屋敷で馬車を借りるか…」
ブラッドの屋敷は城の近くに建ち、父親は屋敷から城へ通い息子のブラッドは寮に住んでいた。
「…あまり、屋敷へは行きたくないが……」
ブラッドは屋敷へ着くとベルを鳴らし屋敷内から執事が扉を開け目の前に立つブラッドに驚いていた。
「ブラッド様!?」
「急に来て悪いが、馬車を借りたいんだ。今すぐ出せる馬車はあるのか?」
「え、馬車で御座いますか?はい、準備を致しますので旦那様とお会いになりますか?」
「いや、今日はやめておく……」
「わかりました。しばらくお待ちください」
「ああ…」
「ブラッド!?」
「!」
屋敷のないを歩いていたブラッドの父親が執事と話しているブラッドに気付き声をかけた。
「珍しいな、お前が屋敷へ帰ってくるとは、食事はすませたのか?」
「食堂ですませた…」
「そうか、城内ではお前と会う事が少ない為、話をすることもできない…せっかく帰って来たのだ。時間があるなら食事部屋で話さないか?お前に話したい事がある」
「……はぁ…求婚の話だろう?」
ブラッドはため息を吐き父親に声をかけた。
「!ああっ、よくわかったな」
「屋敷へ帰れば結婚を勧めれば、親父が何が言いたいのか分かる…」
「私も何度も言いたくはないが、お前ももうすぐ二十歳になる毎日のようにお前との縁談話が来ているんだ。令嬢達と会うだけでも良いだろう?とくに、コンベルト伯爵家のシャルロット令嬢はものしずかな性格だと聞く、お前に毎日のように手紙を出している…一度会って見てはどうだ?」
父親はブラッドに会うだけでもと話をしていた。
「俺は、誰とも会うつもりはない、縁談の話も断る」
「はぁ…どうしてお前は女性に興味がないんだ?…まさか、男が……」
「それは無い!」
「……こほん、そ、そうか…それを聞いて安心した……それなら」
「気になる女性はいる……」
「えっ!?」
ブラッドは父親に話をした。
「ブラッド様、馬車の用意が出来ました」
「ありがとう」
「馬車?……何処へ行くんだ?」
「気になる女性の屋敷へ行く所です。馬車は借りて行く」
「……」
ブラッドは父親に馬車を借りてフォスティヌの屋敷へ向かって行った。
「……誰だ?……その、気になる女性は……」
330
お気に入りに追加
1,404
あなたにおすすめの小説


【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中

【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。

【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。

【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。

今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる