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突然の婚約破棄
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「ふふふ」
「お嬢様、目がタレ目になっています」
「!?もう、ソニア!私と兄様の空間に入らないでよ~」
「……」
フォスティヌは隣町へ行った日以来フランシスと会うのは久しぶりだった。
「…食べてくれるかな…兄様」
笑顔を見せるフォスティヌにメイドのソニアも一緒に笑顔を見せていた。
フランシスの屋敷ではフランシスとシャロンがフォスティヌが来るのを待っていた。
カタカタと震えるシャロンを見てフランシスは声をかけた。
「寒いのかい?」
「……いいえ…わたくし、怖いの…あなたの婚約者に会うのが…」
「……大丈夫だよ…フォスティヌは優しい子だ…」
「…本当に、いいのね?フラン…」
「……ああ…」
コンコン!
「坊っちゃま、フォスティヌお嬢様がお見えになりました」
「……わかった。部屋に通してくれ」
「はい」
フォスティヌが屋敷へ着いたと知らせを受けたフランシスは、小さな息を吐いてフォスティヌが部屋に入るのを待った。
コンコン!
「兄様、私です」
「……入っていいよ…」
「はい、お邪魔……!?」
フォスティヌは、フランシスの部屋の扉を開けると目の前にフランシスと一緒に座るシャロンに驚いていた。
(……誰?綺麗な人…兄様の親戚?)
フォスティヌは人がいるとは知らずにいたため、暫く呆然と扉の前に立ち動けずにいた。
シャロンもフォスティヌを見て思い出していた。
(……学園でいつもフランの傍にいた彼女だわ…)
シャロンはじっと見ているフォスティヌに目を逸らしていた。
「……呼び出してごめん…ソファーに座って」
「え、あっ、はい…」
フォスティヌは一緒にいるシャロンを気にしながら二人の前にあるソファーに座った。
「昨日は会わずに帰ってごめん…」
「え、うん…」
思うように声が出ないフォスティヌは二人を見る事ができずにいた。
「……今日、屋敷へ呼んだのはフォスティヌにお願いと…謝らなくてはならないと思って呼んだんだ……」
「…お願い?……謝る?」
じっとフランシスを見るフォスティヌに重い口をフランシスはフォスティヌに言った。
「……僕との婚約破棄をお願いしたいんだ……」
「……え?」
フォスティヌはフランシスから突然、婚約破棄を言われ頭の中が真っ白になって、体だけが震えていた。
「……婚約するあの日から、もっと早く君に言わなくてはならなかったのに…フォスティヌの顔を見ると言えなかったんだ……ごめん…本当にごめん……」
頭を下げて謝るフランシスにフォスティヌは何も言えずにいた。
「……」
「……彼女から、フォスティヌにお願いがあるんだ」
「……ぇ…お願い……?」
フォスティヌはフランシスを見たあと、シャロンの方へ顔を向くと俯いたままフォスティヌの顔を見ることができなかった。
フランシスは目を閉じて覚悟を決めたように息を吐いてフォスティヌへ声をかけた。
「……彼女の替わりに嫁いで欲しいんだ……」
「えっ!?」
フォスティヌはフランシスが何を自分にお願いしたのか分からずにいた。
「今すぐとは言わない、婚約だけの形だけでもいいんだ…フォスティヌにしか頼めないお願いなんだ……」
申し訳ないと謝るフランシスを見ていたフォスティヌは震える声を出していた。
「……さっきから何を言っているの?兄様…その人は誰ですか?どうして、兄様の隣に座っているの?…私は兄様の婚約者ではないの?」
「フォ…」
フォスティヌは泣きたいのを我慢して自分の前に座る二人を睨むように見ていた。
「お嬢様、目がタレ目になっています」
「!?もう、ソニア!私と兄様の空間に入らないでよ~」
「……」
フォスティヌは隣町へ行った日以来フランシスと会うのは久しぶりだった。
「…食べてくれるかな…兄様」
笑顔を見せるフォスティヌにメイドのソニアも一緒に笑顔を見せていた。
フランシスの屋敷ではフランシスとシャロンがフォスティヌが来るのを待っていた。
カタカタと震えるシャロンを見てフランシスは声をかけた。
「寒いのかい?」
「……いいえ…わたくし、怖いの…あなたの婚約者に会うのが…」
「……大丈夫だよ…フォスティヌは優しい子だ…」
「…本当に、いいのね?フラン…」
「……ああ…」
コンコン!
「坊っちゃま、フォスティヌお嬢様がお見えになりました」
「……わかった。部屋に通してくれ」
「はい」
フォスティヌが屋敷へ着いたと知らせを受けたフランシスは、小さな息を吐いてフォスティヌが部屋に入るのを待った。
コンコン!
「兄様、私です」
「……入っていいよ…」
「はい、お邪魔……!?」
フォスティヌは、フランシスの部屋の扉を開けると目の前にフランシスと一緒に座るシャロンに驚いていた。
(……誰?綺麗な人…兄様の親戚?)
フォスティヌは人がいるとは知らずにいたため、暫く呆然と扉の前に立ち動けずにいた。
シャロンもフォスティヌを見て思い出していた。
(……学園でいつもフランの傍にいた彼女だわ…)
シャロンはじっと見ているフォスティヌに目を逸らしていた。
「……呼び出してごめん…ソファーに座って」
「え、あっ、はい…」
フォスティヌは一緒にいるシャロンを気にしながら二人の前にあるソファーに座った。
「昨日は会わずに帰ってごめん…」
「え、うん…」
思うように声が出ないフォスティヌは二人を見る事ができずにいた。
「……今日、屋敷へ呼んだのはフォスティヌにお願いと…謝らなくてはならないと思って呼んだんだ……」
「…お願い?……謝る?」
じっとフランシスを見るフォスティヌに重い口をフランシスはフォスティヌに言った。
「……僕との婚約破棄をお願いしたいんだ……」
「……え?」
フォスティヌはフランシスから突然、婚約破棄を言われ頭の中が真っ白になって、体だけが震えていた。
「……婚約するあの日から、もっと早く君に言わなくてはならなかったのに…フォスティヌの顔を見ると言えなかったんだ……ごめん…本当にごめん……」
頭を下げて謝るフランシスにフォスティヌは何も言えずにいた。
「……」
「……彼女から、フォスティヌにお願いがあるんだ」
「……ぇ…お願い……?」
フォスティヌはフランシスを見たあと、シャロンの方へ顔を向くと俯いたままフォスティヌの顔を見ることができなかった。
フランシスは目を閉じて覚悟を決めたように息を吐いてフォスティヌへ声をかけた。
「……彼女の替わりに嫁いで欲しいんだ……」
「えっ!?」
フォスティヌはフランシスが何を自分にお願いしたのか分からずにいた。
「今すぐとは言わない、婚約だけの形だけでもいいんだ…フォスティヌにしか頼めないお願いなんだ……」
申し訳ないと謝るフランシスを見ていたフォスティヌは震える声を出していた。
「……さっきから何を言っているの?兄様…その人は誰ですか?どうして、兄様の隣に座っているの?…私は兄様の婚約者ではないの?」
「フォ…」
フォスティヌは泣きたいのを我慢して自分の前に座る二人を睨むように見ていた。
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