婚約者の彼から彼女の替わりに嫁いでくれと言われた

クロユキ

文字の大きさ
上 下
73 / 174

色々あった今日

しおりを挟む
「お嬢様、何か良いことでもありましたか?」
フォスティヌのメイドのソニアが就寝前のフォスティヌの寝服の手伝いをして、フォスティヌに声をかけていた。
「久しぶりにおじ様とおば様に会えたからかしら…でも、兄様に会えなかったのがとても残念かな…」
「馬車の中から見えましたから良かったではありませんか?」
「え~っ、チラッと見ただけじゃないの」
「お嬢様、おやすみの時間です」
「えーっ!?まだ眠くないわ」
「子守唄でも歌いましょうか?」
「ええ~っ?!眠れないわよ」
クスクスと笑うフォスティヌはベッドの中に入りメイドのソニアにおやすみの挨拶をした。
ベッドの中でフォスティヌはフランシスの事を考えていた。
「…兄様、今何をしているのかな…私と同じでもう寝ちゃったとか?クスクス…兄様に会いたかったな…」
フォスティヌはベッドの中で瞼が重くなり眠りについていた。

フォスティヌが眠る頃、フランシスはエリアとまた会う約束を交わし、屋敷へと戻っていた。
「…今、帰ったのか?」
「!」
フランシスの父親が部屋の前にいるフランシスに声をかけていた
「…ただいま戻りました…」
「捜していた彼は見つかったのか?」
「…はい、三日後会う約束をしました…」
「……そうか…」
短い会話をしたフランシスと父親は部屋に入ろうとしたフランシスに父親は声をかけた。
「……お前の気持ちは変わらないのか…?」
「……」
「…フォスティヌに会った…お前に会いたがっていた」
フランシスは扉の前で立ち止まり下を向いて声に出した。
「……フォスティヌと次に会うのは…婚約破棄を言う時です…」
「……」
フランシスは父親に話を終えると部屋の中へと入っていった。

今日という日が終わろうとしていた頃、いつものため息をブラッドは吐いていた。
「はぁ…」
「……」
いつもと違うブラッドに同僚のショーンが、部屋にある机の椅子に座り向かい側に座るブラッドをじーと見ていた。
「……なあ、ブラッド…その本面白いのか?」
「ん?」
「お前が持っている本、逆さまなんだけど…?」
「え…?」
ブラッドは手に持っ本が逆さまに持っていた。
「あ!」
ブラッドは逆さまに持っていた本を元に戻し苦笑いを見せていた
「お前、帰ってから変だぞ?なんかあったのか?」
「…あったって言うか…どうしたらいいのか…どうすればいいのか…俺でいいのか……なぁ、どうしたらいいんだ?」
ブラッドはフォスティヌの事でどうすればいいのか悩んでいた。
フランシスからシャロンとの婚約が嫌なら自分がシャロンと婚約をして、婚約者のフォスティヌをブラッドに譲ると言われブラッドは悩んでいた。
「俺にどうしたらいいんだと言われても…お前、何を悩んでいるんだ?また、あのしつこい夫婦の事なんだろう?その夫婦で思い出したが、お前食事会には行くんだろう?仮の婚約者は見つかったのか?」
「う…ん…、なあ、ショーン…あの夫婦の娘なんだけど俺と同期で知っている彼女だったんだ。」
「!?なんだお前の知っていた娘だったのか?」
「ああ…その彼女の彼氏も同期で知っている奴だった」
「おおっ、凄いというか、偶然?っていうか…」
「……その同期の彼なんだが、婚約者がいるんだ」
「は?」
ショーンはブラッドから彼女の彼氏は別に婚約者がいると話を聞き驚いていた。
「ちょっと待て、彼氏の婚約者は夫婦の娘だろう?」
「いや、違う。婚約者が別にいて、彼女とも付き合っているんだ……」
「……」
「…眉間にシワ寄せるの分かるけど…はぁ…あいつは婚約者がいながら浮気しているんだ…」
ブラッドは、ショーンにフランシスはフォスティヌという婚約者がいるのにシャロンと付き合っているとショーンに話をした。
「…うぁ…羨ましい…って言うか、お前が関わる事なんてないじゃん?」
「…あの夫婦が俺を放してくれないんだよ」
「あ!そうだったな」
「…今日、城内をウロウロしていたら同期の奴に会ったんだ…俺に婚約者を譲ると言ってきた」
「……は?はあっ!?」
ショーンは驚き目を見開いてブラッドを見ていた。









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】愛することはないと告げられ、最悪の新婚生活が始まりました

紫崎 藍華
恋愛
結婚式で誓われた愛は嘘だった。 初夜を迎える前に夫は別の女性の事が好きだと打ち明けた。

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない

曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが── 「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」 戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。 そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……? ──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。 ★小説家になろうさまでも公開中

【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました

As-me.com
恋愛
完結しました。  とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。  例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。  なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。  ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!  あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。 ※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。

【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい

高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。 だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。 クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。 ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。 【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】

婚約者を想うのをやめました

かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。 「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」 最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。 *書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。

【完結】殿下、自由にさせていただきます。

なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」  その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。  アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。  髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。  見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。  私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。  初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?  恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。  しかし、正騎士団は女人禁制。  故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。  晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。     身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。    そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。  これは、私の初恋が終わり。  僕として新たな人生を歩みだした話。  

今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~

コトミ
恋愛
 結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。  そしてその飛び出した先で出会った人とは? (できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです) hotランキング1位入りしました。ありがとうございます

妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます

冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。 そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。 しかも相手は妹のレナ。 最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。 夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。 最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。 それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。 「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」 確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。 言われるがままに、隣国へ向かった私。 その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。 ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。 ※ざまぁパートは第16話〜です

処理中です...