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父と娘
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フランシスが城内の公園でソニアと一緒にいる事を知らないシャロンは、家族と夕食を済ませ食後のデザートを食していた。
「旦那様、こちらの紅茶は旅行でお買い物をされました時の紅茶で御座います」
「そうか、頂こう」
メイド達がテーブルの椅子に座る両親そしてシャロンの目の前に紅茶とケーキをテーブルの上に置き、両親は旅先で買った紅茶を楽しんでいた。
「ん?どうしたシャロン、お前の好きなタルトがまだ食していないではないか?」
「…お父様、どうしてわたくしとフラン…フランシスを認めてくれないの?」
シャロンは父親の方へ顔を向けフランシスの話をした。
「お前達の交際は認めていると話したはずだが?」
「でも、昨日…フランシスが屋敷に来ました時、わたくしの部屋には入らないようにと執事とメイドにお話をしたのでしょう?」
「ああ、昨日フランシス君が来たのか執事は彼を部屋に通さなかったようだな」
シャロンの父親は口元に笑みを見せ、執事達がフランシスをシャロンの部屋に通さなかった事を聞き「そうか、そうか」と頷いていた。
「わたくしがフランシスを部屋に通しても良いでしょう?」
父親はシャロンの話を聞き紅茶を飲みカップを小皿に置いた。
「ブラッド君が婚約者を連れて来るまではお前達を二人にしてはならない」
「!?ブラッド君は関係ないわどうしてブラッド君に執着するの?」
「言ったではないか、彼のような真面目で正義感が強い男はそんなにいない…この前、彼を屋敷へ招待した時、お前のドレス姿を見て欲情するわけでもなく真面目な部分が多く見ることができた。彼ならお前を大切にしてくれると思ったのだ」
「…フランシスもわたくしを大切にしてくれているわ」
「しかし、彼には婚約者がいる、婚約破棄はしたのか?」
「……今日、ご両親にお話をすると話していたわ…」
シャロンは目の前のカップに触り、フランシスが両親達にフォスティヌとの婚約破棄を伝えると自分に話した事を信じ、シャロンはフランシスが自由になったと知らせを待っていた。
「……そうか…お前の為に婚約破棄を決心したのだな?」
「そうよ…だから彼との婚約を認めて欲しいの」
シャロンは父親にフランシスとの婚約を認めてくれるように話をした。
「……もし、フランシス君の婚約者が破棄を拒んだらどうするのだ?」
「え…」
「この前、フランシス君の両親から聞いたのだが、ご両親同士の長年の付き合いだそうだ。婚約者の娘はフランシス君を長年慕っていたと聞いた。はたして、婚約者の彼女が素直に婚約破棄を許してくれるのかが問題だが…お前も婚約者の彼女と話をしなければならないだろう…」
「……」
父親の話を聞いていたシャロンは何も言えず、ただ手で触っていたカップが小さくカタカタと鳴るのが聞こえていた。
「旦那様、こちらの紅茶は旅行でお買い物をされました時の紅茶で御座います」
「そうか、頂こう」
メイド達がテーブルの椅子に座る両親そしてシャロンの目の前に紅茶とケーキをテーブルの上に置き、両親は旅先で買った紅茶を楽しんでいた。
「ん?どうしたシャロン、お前の好きなタルトがまだ食していないではないか?」
「…お父様、どうしてわたくしとフラン…フランシスを認めてくれないの?」
シャロンは父親の方へ顔を向けフランシスの話をした。
「お前達の交際は認めていると話したはずだが?」
「でも、昨日…フランシスが屋敷に来ました時、わたくしの部屋には入らないようにと執事とメイドにお話をしたのでしょう?」
「ああ、昨日フランシス君が来たのか執事は彼を部屋に通さなかったようだな」
シャロンの父親は口元に笑みを見せ、執事達がフランシスをシャロンの部屋に通さなかった事を聞き「そうか、そうか」と頷いていた。
「わたくしがフランシスを部屋に通しても良いでしょう?」
父親はシャロンの話を聞き紅茶を飲みカップを小皿に置いた。
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「……そうか…お前の為に婚約破棄を決心したのだな?」
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シャロンは父親にフランシスとの婚約を認めてくれるように話をした。
「……もし、フランシス君の婚約者が破棄を拒んだらどうするのだ?」
「え…」
「この前、フランシス君の両親から聞いたのだが、ご両親同士の長年の付き合いだそうだ。婚約者の娘はフランシス君を長年慕っていたと聞いた。はたして、婚約者の彼女が素直に婚約破棄を許してくれるのかが問題だが…お前も婚約者の彼女と話をしなければならないだろう…」
「……」
父親の話を聞いていたシャロンは何も言えず、ただ手で触っていたカップが小さくカタカタと鳴るのが聞こえていた。
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