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ブラッドの驚き②
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「……」
「……」
公園のベンチで男二人が座り黙っていた。
「……フランシス、俺に何を話したんだ?」
ブラッドはもしかしたら聞き違いかもしれないとフランシスにもう一度尋ねる事にした。
「……シャロンとの婚約が嫌なら僕に譲ってくれないかと話をした……」
「ルーベンスの事は後で聞くが、俺にお前の婚約者をどうすると聞いている」
じっと見るブラッドにフランシスは両手を握りしめて声を出した。
「……僕の婚約者フォスティヌを君の元へ嫁がせて欲しいと話をしたんだ……」
「……は、何を言い出すといえば、お前の婚約者を俺の元へ嫁がせ、ルーベンスをお前の元へ嫁がせると言う事なのか?」
「……ああ…」
「はははは、冗談はよせ。それは無理な話だろう?ルーベンスには彼氏がいるんだ。」
「…その彼氏が僕なんだ……」
「は?」
「僕とシャロンは…学園の頃から付き合っていたんだ」
フランシスはブラッドの顔を見ることができず下をじっと見ていた。
ブラッドは、何がなんだか分からず頭の中がごちゃごちゃになって考え込んでいた。
「だから、シャロンを僕の所へ嫁がせて欲しいんだ」
「ま、待て!お前…婚約者はどうするんだ?この事を彼女は知っているのか?」
ブラッドは慌てたようにフランシスに尋ねていた。
「……僕が彼女と会っている事はフォスティヌは知らない…」
「お前……」
「僕は、フォスティヌと婚約してからもシャロンと会っていたんだ……」
「……聞いていいか?お前、この前隣街で婚約者の彼女と一緒だったよな…夕刻までベンチに座ってお前を待っていたのは知っていたのか?」
「え……隣街…」
「彼女を残してお前は友達が体調を悪くなったから送って行くと言ったそうだな、その友達は誰の事だ?わざわざ送らなくても街中には病院があったはずだ。」
「……」
「お前…まさか…彼女を残して……」
「……」
「何を考えているんだお前は!」
グイッとフランシスの襟を掴み上げたブラッドは殴りかかる手前まで止めていた。今日のブラッドは休日で騎士服は着ていないが周りは人が多い為、ぐっと堪えていた。
「……僕にはフォスティヌを幸せにしてあげる自信がないんだ…彼女は真っ白な綺麗なままだから…ブラッドにならフォスティヌを幸せにしてくれると思ったんだ……」
ブラッドはフランシスの襟を放し息を吐いていた。
「……婚約破棄はしたのか?」
「…フォスティヌにはまだ話してはいないけど、両親達には今日話をしたんだ…」
「……しばらく考えたい…」
「なるべく早く返事が欲しいんだ…」
「……わかった…三日後この公園のベンチでいいか?」
「ああ……」
フランシスとブラッドは三日後に会う約束をした。
「……」
公園のベンチで男二人が座り黙っていた。
「……フランシス、俺に何を話したんだ?」
ブラッドはもしかしたら聞き違いかもしれないとフランシスにもう一度尋ねる事にした。
「……シャロンとの婚約が嫌なら僕に譲ってくれないかと話をした……」
「ルーベンスの事は後で聞くが、俺にお前の婚約者をどうすると聞いている」
じっと見るブラッドにフランシスは両手を握りしめて声を出した。
「……僕の婚約者フォスティヌを君の元へ嫁がせて欲しいと話をしたんだ……」
「……は、何を言い出すといえば、お前の婚約者を俺の元へ嫁がせ、ルーベンスをお前の元へ嫁がせると言う事なのか?」
「……ああ…」
「はははは、冗談はよせ。それは無理な話だろう?ルーベンスには彼氏がいるんだ。」
「…その彼氏が僕なんだ……」
「は?」
「僕とシャロンは…学園の頃から付き合っていたんだ」
フランシスはブラッドの顔を見ることができず下をじっと見ていた。
ブラッドは、何がなんだか分からず頭の中がごちゃごちゃになって考え込んでいた。
「だから、シャロンを僕の所へ嫁がせて欲しいんだ」
「ま、待て!お前…婚約者はどうするんだ?この事を彼女は知っているのか?」
ブラッドは慌てたようにフランシスに尋ねていた。
「……僕が彼女と会っている事はフォスティヌは知らない…」
「お前……」
「僕は、フォスティヌと婚約してからもシャロンと会っていたんだ……」
「……聞いていいか?お前、この前隣街で婚約者の彼女と一緒だったよな…夕刻までベンチに座ってお前を待っていたのは知っていたのか?」
「え……隣街…」
「彼女を残してお前は友達が体調を悪くなったから送って行くと言ったそうだな、その友達は誰の事だ?わざわざ送らなくても街中には病院があったはずだ。」
「……」
「お前…まさか…彼女を残して……」
「……」
「何を考えているんだお前は!」
グイッとフランシスの襟を掴み上げたブラッドは殴りかかる手前まで止めていた。今日のブラッドは休日で騎士服は着ていないが周りは人が多い為、ぐっと堪えていた。
「……僕にはフォスティヌを幸せにしてあげる自信がないんだ…彼女は真っ白な綺麗なままだから…ブラッドにならフォスティヌを幸せにしてくれると思ったんだ……」
ブラッドはフランシスの襟を放し息を吐いていた。
「……婚約破棄はしたのか?」
「…フォスティヌにはまだ話してはいないけど、両親達には今日話をしたんだ…」
「……しばらく考えたい…」
「なるべく早く返事が欲しいんだ…」
「……わかった…三日後この公園のベンチでいいか?」
「ああ……」
フランシスとブラッドは三日後に会う約束をした。
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