49 / 174
両家の話し合い
しおりを挟む
フォスティヌがフランシスの屋敷から帰り、フランシスの父親はフォスティヌの馬車が見えなくなるまで見送ると屋敷の中へと入った。
「……お父さん…フォスティヌは…?」
屋敷の中ではフランシスの母親が寂しげな目を向けていた。
「…ああ、帰ったよ…背も伸びて可愛くなっていた…お前も会えば良かったのに…」
フランシスの母親が首を横に振り両手を重ねて胸に押しあてていた。
「……あの子にどんな顔で会えばいいのか…顔を見ると涙が出てしまいそうで…」
「……そうだな…」
フランシスの父親と母親が話をしていると二階の階段から下りてくるフランシスの姿があった。
「……用意はできたのか?」
「…はい……」
フランシスは沈んだ顔で父親に返事をした。
「……向こうの両親は屋敷にいるそうだ…娘も一緒だ…」
「……」
「…あなたが、好きになった彼女はどんな方なの…」
フランシスの母親がシャロンの事を尋ねていた。
「……素直で優しくて、良く気が付く両親思いの素敵な彼女だよ
父さんや母さんとも上手くやっていけると思うんだ…」
フランシスはシャロンの話を両親にして少し笑顔を見せていた。
「…あなたが好きになった人ですもの…素敵なお嬢さんでしょう…彼女は、あなたが婚約をしているのを知って付き合いをしていたのかしら?」
「え…う…ん……」
フランシスは気まずそうに母親に返事をした。
「そう…あなた達は…フォスティヌが何も知らない事をいいように…楽しんでいたのね……」
「っ……」
フランシスは母親から言われ何も言えずにいた。
「……フォスティヌの事は気になっていたんだ…でも…」
「はぁ…もういいわ…あなたと話していたら頭痛がするわ…」
「……」
フランシスの母親は、頭をかかえフラフラと屋敷の外に止めている馬車まで歩き、父親は妻の後ろ姿を見たあとフランシスに声をかけた。
「……この話し合いで今日決まるか…後日また話し合いがあるのか分からないが…フォスティヌとの婚約破棄は早く伝えた方がいいな…お前を信じ待っているあの子が不憫でならない…」
「……」
フランシスに話終えた父親は、馬車の方へ歩きフランシスはまるで取り残されたように立っていた。
フランシスと家族が向かっている事を知らないシャロンは、数日連絡が取れていないフランシスを心配していた。
「……どうしたのかしら…体調不良と聞いたけれど…こんなに学校を休むなんて……」
シャロンは騎士学校の生徒からフランシスは休みだと聞かされ心配していた。
コンコン!
「シャロン、いいかな?」
「ええ」
シャロンの父親が部屋の中に入り笑顔を見せていた。
「今日は客が来る事になって、お前も一緒だ」
「わたくしも一緒?」
「ああっ、お前も会うのが楽しみなはずだよ」
「?」
「ハハハハ」と笑う父親の姿を見て首を傾げていた。
コンコン!
「旦那様、お客様がお着きになりました」
「おおっ、そうか、シャロン一緒に下へ行こう」
「え…ええ……」
シャロンは父親と一緒に階段を下り客室の部屋へと向かった。
「……お父さん…フォスティヌは…?」
屋敷の中ではフランシスの母親が寂しげな目を向けていた。
「…ああ、帰ったよ…背も伸びて可愛くなっていた…お前も会えば良かったのに…」
フランシスの母親が首を横に振り両手を重ねて胸に押しあてていた。
「……あの子にどんな顔で会えばいいのか…顔を見ると涙が出てしまいそうで…」
「……そうだな…」
フランシスの父親と母親が話をしていると二階の階段から下りてくるフランシスの姿があった。
「……用意はできたのか?」
「…はい……」
フランシスは沈んだ顔で父親に返事をした。
「……向こうの両親は屋敷にいるそうだ…娘も一緒だ…」
「……」
「…あなたが、好きになった彼女はどんな方なの…」
フランシスの母親がシャロンの事を尋ねていた。
「……素直で優しくて、良く気が付く両親思いの素敵な彼女だよ
父さんや母さんとも上手くやっていけると思うんだ…」
フランシスはシャロンの話を両親にして少し笑顔を見せていた。
「…あなたが好きになった人ですもの…素敵なお嬢さんでしょう…彼女は、あなたが婚約をしているのを知って付き合いをしていたのかしら?」
「え…う…ん……」
フランシスは気まずそうに母親に返事をした。
「そう…あなた達は…フォスティヌが何も知らない事をいいように…楽しんでいたのね……」
「っ……」
フランシスは母親から言われ何も言えずにいた。
「……フォスティヌの事は気になっていたんだ…でも…」
「はぁ…もういいわ…あなたと話していたら頭痛がするわ…」
「……」
フランシスの母親は、頭をかかえフラフラと屋敷の外に止めている馬車まで歩き、父親は妻の後ろ姿を見たあとフランシスに声をかけた。
「……この話し合いで今日決まるか…後日また話し合いがあるのか分からないが…フォスティヌとの婚約破棄は早く伝えた方がいいな…お前を信じ待っているあの子が不憫でならない…」
「……」
フランシスに話終えた父親は、馬車の方へ歩きフランシスはまるで取り残されたように立っていた。
フランシスと家族が向かっている事を知らないシャロンは、数日連絡が取れていないフランシスを心配していた。
「……どうしたのかしら…体調不良と聞いたけれど…こんなに学校を休むなんて……」
シャロンは騎士学校の生徒からフランシスは休みだと聞かされ心配していた。
コンコン!
「シャロン、いいかな?」
「ええ」
シャロンの父親が部屋の中に入り笑顔を見せていた。
「今日は客が来る事になって、お前も一緒だ」
「わたくしも一緒?」
「ああっ、お前も会うのが楽しみなはずだよ」
「?」
「ハハハハ」と笑う父親の姿を見て首を傾げていた。
コンコン!
「旦那様、お客様がお着きになりました」
「おおっ、そうか、シャロン一緒に下へ行こう」
「え…ええ……」
シャロンは父親と一緒に階段を下り客室の部屋へと向かった。
189
お気に入りに追加
1,404
あなたにおすすめの小説


【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中

【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。

【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。

【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。

今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる