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ルーベンス家の招待
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フランシスの両親が何もかも知ってしまった事を知らないシャロンは、騎士を呼んでの食事会に出席する為身仕度をしていた。
「綺麗です。シャロンお嬢様」
「騎士様もシャロンお嬢様に見惚れますわ」
「クスッ、大袈裟ね…ただのお食事会よ」
肌をあまり出さない赤いドレスを着たシャロンは、首筋の赤い痕が見えないようにフランシスから貰った薔薇のネックレスを付けていた。
(今日のお食事会がフランだったら良かったのに…)
シャロンは鏡を通して薔薇のネックレスを触っていた。
「準備は出来たかな?」
シャロンの父親が部屋の中へ入り笑顔を見せていた。
「綺麗だよシャロン!お前の姿を見て彼が求婚を言ってくるかもしれないよ」
「お父様、わたくしには彼がいます事をお忘れですか?」
「はははは、そうだったな。だが、騎士の彼は顔もスタイルも身長もある。お前好みかもしれない」
「もうっ、お父様ったら」
「はははは」
「お父様、昨日から気になっていましたけど騎士の彼の名前は聞いていないのですか?」
「ああ、用件を話して見失ってしまうから聞けなかったのだ。だが、今日は彼の名前が分かるだろう」
コンコン!
「旦那様、馬車が着きました」
「おおっ、そうか!シャロン、迎えに行くぞ」
「はい」
父親とシャロンは階段を下りると玄関には母親が待ち、メイドに執事に使用人までも出迎えの為並んでいた。
「……」
(ただのお食事会なのに…ここまでしなくても…お父様の心を動かせるなんて……どんな方なの…)
両親の笑顔を見たあとシャロンは馬車の方へ顔を向き、馬車の中から男性が降りてシャロンは目を見開いて見ていた。
「え……ブラッド…君?!」
「ん?シャロン、彼を知っているのか?」
「え!ええ…同じ学園が一緒でしたわ」
「まぁ…」
「なんと」
両親は驚きながら笑顔をシャロンに見せていた。
「……」
馬車から降りたブラッドは、ズラリと並ぶ屋敷の執事にメイドそして使用人達の姿を見て顔が強ばっていた。
(……俺の他にも誰か来るのか?)
「ようこそ来てくださいました!ブラッド様」
「!?……何故俺の名前を…」
「娘から聞きましたの」
「娘?」
ブラッドの傍にいる両親の後ろに赤いドレスを着たシャロンを見てブラッドも驚いていた。
「……ルーベンス…?!」
「お久しぶりです…ブラッド君」
笑顔を見せるシャロンにブラッドも笑顔を見せ声を出した。
「……ここは、君の屋敷だったのか?」
「ええっ、そうよ。わたくしの父と母よ!」
「まさか、娘と同じ同期とは思いませんでした」
「これも何かの縁かしら」
「ささ…立ち話は屋敷の中へ話しましょう」
「シャロン、ご案内して」
「えっ?ええ…食事部屋へ案内するわ」
「ああ…」
シャロンとブラッドの並ぶ後ろ姿を見ていた両親はうんうんと頷いていた。
「お似合いと思わないか?」
「ええ、本当にお似合いの二人だわ…スーツ姿だと思ったけれどシンプルな格好で来るとは思わなかったわ…真っ黒で」
「そこが、良いではないのか?」
シャロンとブラッドの後ろ姿を見て離れて歩く両親は笑顔が絶えなかった。
「綺麗です。シャロンお嬢様」
「騎士様もシャロンお嬢様に見惚れますわ」
「クスッ、大袈裟ね…ただのお食事会よ」
肌をあまり出さない赤いドレスを着たシャロンは、首筋の赤い痕が見えないようにフランシスから貰った薔薇のネックレスを付けていた。
(今日のお食事会がフランだったら良かったのに…)
シャロンは鏡を通して薔薇のネックレスを触っていた。
「準備は出来たかな?」
シャロンの父親が部屋の中へ入り笑顔を見せていた。
「綺麗だよシャロン!お前の姿を見て彼が求婚を言ってくるかもしれないよ」
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「もうっ、お父様ったら」
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「お父様、昨日から気になっていましたけど騎士の彼の名前は聞いていないのですか?」
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コンコン!
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「おおっ、そうか!シャロン、迎えに行くぞ」
「はい」
父親とシャロンは階段を下りると玄関には母親が待ち、メイドに執事に使用人までも出迎えの為並んでいた。
「……」
(ただのお食事会なのに…ここまでしなくても…お父様の心を動かせるなんて……どんな方なの…)
両親の笑顔を見たあとシャロンは馬車の方へ顔を向き、馬車の中から男性が降りてシャロンは目を見開いて見ていた。
「え……ブラッド…君?!」
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「え!ええ…同じ学園が一緒でしたわ」
「まぁ…」
「なんと」
両親は驚きながら笑顔をシャロンに見せていた。
「……」
馬車から降りたブラッドは、ズラリと並ぶ屋敷の執事にメイドそして使用人達の姿を見て顔が強ばっていた。
(……俺の他にも誰か来るのか?)
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「!?……何故俺の名前を…」
「娘から聞きましたの」
「娘?」
ブラッドの傍にいる両親の後ろに赤いドレスを着たシャロンを見てブラッドも驚いていた。
「……ルーベンス…?!」
「お久しぶりです…ブラッド君」
笑顔を見せるシャロンにブラッドも笑顔を見せ声を出した。
「……ここは、君の屋敷だったのか?」
「ええっ、そうよ。わたくしの父と母よ!」
「まさか、娘と同じ同期とは思いませんでした」
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「シャロン、ご案内して」
「えっ?ええ…食事部屋へ案内するわ」
「ああ…」
シャロンとブラッドの並ぶ後ろ姿を見ていた両親はうんうんと頷いていた。
「お似合いと思わないか?」
「ええ、本当にお似合いの二人だわ…スーツ姿だと思ったけれどシンプルな格好で来るとは思わなかったわ…真っ黒で」
「そこが、良いではないのか?」
シャロンとブラッドの後ろ姿を見て離れて歩く両親は笑顔が絶えなかった。
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