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口止め料として…
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ある晴れた朝、二人のメイドが朝食を部屋まで運んでいた。
「…あの…お尋ねしてもいいですか?」
一人のメイドが先輩メイドに尋ねていた。
「何?」
「シャロンお嬢様のお部屋に朝食を運んでいるのですが…何故お食事が二つもあるのですか?」
メイドは不思議そうに朝食を見ていた。
「あなた、入ったばかりだったわね」
「はい」
「お嬢様の部屋に行けば分かるわ」
メイドは後輩のメイドに話終えると扉の前に立ち止まった。
コンコン!
「お嬢様、お食事をお持ちいたしました」
しばらくして、扉が開き後輩のメイドは驚いていた。
「おはようございます。まだ、シャロンは寝ているんだ。テーブルの上に置いてくれないか?」
「はい」
「……」
『え?誰?』と後輩のメイドは目を見開いたように男性を見ていたが、先輩のメイドが部屋の中に入った為慌てたように後輩のメイドも部屋の中に入った。
部屋のカーテンは開き朝日が部屋の中を照らし、カチャカチャと食器類をテーブルの上に置くメイド二人を男性はじっと見ていた
「……君は、初めて見る顔だね…」
男性は後輩のメイドに声をかけていた。
「あ!は、初めまして。先週から働かせて貰っていますエミと言います」
「初めまして、私はフランシス。シャロンの婚約者だよ」
「!!よ、よろしくお願いいたします」
笑顔で自己紹介を終えたフランシスはエミの手に金貨を握らせた
「!?……あの…」
「これからもよろしく」
「は、はい…」
フランシスはメイドから離れるとまだ就寝しているシャロンのベッドへ歩いて行った。
金貨を貰ったメイドのエミは少し戸惑っていた。
「良かったわね」
「えっ!あ、あの…私だけ頂いたのですが…」
「良いのよ。私もフランシス様から貰ったから大丈夫よ」
「!!そうなんですか…私、お給料の他にお金を頂いたのは初めてなんです。お嬢様の婚約者の方に頂けるなんて思ってもいなくて…とても良い方なんですね」
手に持っ金貨を見てエミは笑顔で先輩のメイドに話した。
「くすっ…」
「!?」
メイドのエミの話を聞いていた先輩メイドは笑いを堪えていた。
「……わ、私、何か変な事でも言ったのでしょうか…?」
「…ふふ、ごめんね。お嬢様の部屋を出たら説明するから」
「?はい…」
メイドのエミは先輩メイドに曖昧な返事をして、ベッドの側にいるフランシスに目を向けていた。
「シャロン、朝だよ。メイドが朝食を持ってきた」
寝顔のシャロンにキスをするフランシスにクスッと笑みを見せるシャロンは、フランシスの顔に手をやり朝のキスをしていた。
「おはよう、フラン」
「おはよう、お寝坊さん」
クスクスと笑みを見せるフランシスとシャロン。
フランシスは、騎士学校が休みのためシャロンの屋敷で泊まり、フォスティヌには会えない事を伝えていた。
「…あの…お尋ねしてもいいですか?」
一人のメイドが先輩メイドに尋ねていた。
「何?」
「シャロンお嬢様のお部屋に朝食を運んでいるのですが…何故お食事が二つもあるのですか?」
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「あなた、入ったばかりだったわね」
「はい」
「お嬢様の部屋に行けば分かるわ」
メイドは後輩のメイドに話終えると扉の前に立ち止まった。
コンコン!
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しばらくして、扉が開き後輩のメイドは驚いていた。
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「はい」
「……」
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「!!そうなんですか…私、お給料の他にお金を頂いたのは初めてなんです。お嬢様の婚約者の方に頂けるなんて思ってもいなくて…とても良い方なんですね」
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「くすっ…」
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「……わ、私、何か変な事でも言ったのでしょうか…?」
「…ふふ、ごめんね。お嬢様の部屋を出たら説明するから」
「?はい…」
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「シャロン、朝だよ。メイドが朝食を持ってきた」
寝顔のシャロンにキスをするフランシスにクスッと笑みを見せるシャロンは、フランシスの顔に手をやり朝のキスをしていた。
「おはよう、フラン」
「おはよう、お寝坊さん」
クスクスと笑みを見せるフランシスとシャロン。
フランシスは、騎士学校が休みのためシャロンの屋敷で泊まり、フォスティヌには会えない事を伝えていた。
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