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王様の決意?

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「お待たせ致しました…」
「ありがとうございます」
「君達は下がって良いぞ」
「「はい、王様」」
カップに注いだお茶を俺達の前に置いたメイドは、王様の命令で部屋を出ると、今、王様の部屋には俺とジル王子と王様三人になった。
「良い匂いでしょう?父様、ジル兄様」
「そうだな…薬草とは違う匂いだな」
「薬草じゃないよジル兄様、お茶って言います」
「フッ」
「……しかし、このような濃い緑の飲み物は見た事もないが…」
テーブルの上には、三個のカップが置いたままで白くてふちの回りは金色に輝いて、表面には綺麗な花の絵が描いてあるカップには似合わないと思う緑色のお茶がチャプンと揺れていた…
「……」
「……」
親子揃ってジーっと眺める姿が面白くて思わずニヤけてしまった
「顔が笑っているようだが…」
「えっ、僕の顔はどうでも良いのでまずは飲んでみてください」
ジル王子に声をかけた俺はニコッと笑顔を向けた。
「…飲む前に聞きたいが、シェル王子が飲んだと言うのはこのお茶の事か?」
「はい、父様。シェル兄様には一番に飲んで貰いました。」
「…そうか…シェルがこれを飲んだのか…」
「あ!ザック兄様も飲んでくれました」
「ああ…そうだったな…それでだ、二人の兄の反応はどうなんだ?」
王様が飲む前の皆の感想が聞きたいようだ。
「えっ、う~ん…ザック兄様は紅茶がいいと言っていました…シェル兄様は…一口飲んでは休憩しての繰り返しで『美味しいですよ』と言っていたと思うけど不明です」
「……そ、そうか…」
「見た目は道端にある葉っぱに似ているけど美味しいですよ」
「道端にある葉っぱ…」
王様の喉仏がゴクンと動くのが見えた俺は『道端にある葉っぱ』と言ったのがNGだったようで、顔が真っ青になっているのが分かった。
俺が王様を見ていた時カチャと音がしたジル王子の方へ顔を向けた。
「えっ、ジル兄様…」
「どうした?ウィル、覗き込むように見なくてもお前のお茶は飲んだが」
「ええ~っ、いつの間に…」
(飲んでいるとこ見たかったのに…)
「何!?ジル、飲んだのか?」
「ああ、紅茶とは違い薬草に近い味だが飲めない事は無い」
「…そうなのか…」
(なんで皆『薬草薬草』って言うんだ?こんなに美味しいお茶の良さを知らないなんて)
「美味しかったでしょう!?ジル兄様」
俺は満面の笑顔をジル王子に向け返事を待った。
「そうだな…食卓には不向きだが騎士に罰を与える時にはいい飲み物だな」
不敵な笑みを見せるジル王子は、飲み干したカップを見て騎士に罰を与える時に使えそうなお茶だと話し、王様は「そんなに凄い味なのか?」と不安な顔をしていた。
「ジル兄様、そう言うお話しは父様が飲んでから言ってください!それに、騎士様に罰でお茶を出すなんて皆の分までありません」
「クッ、そうだったな」
クスクスと笑うジル王子を無視して俺は王様に声をかけた。
「父様、無理に飲まなくても…」
「いや、ウィルが用意してくれた飲み物を私が飲まないわけにはいかない、この茶を飲み長生きしたいからな」
(寿命をのばすお茶でもないんだけど…)



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