422 / 484
ヤスミン嬢から逃げて
しおりを挟む
ヤスミン嬢と離れたシェル王子とカイザック王子は、ウィル王子の部屋へと向かっていた。
「ヤスミン嬢は諦めて行ったかもな」
「はあ~っ…」
シェル王子は手を額にやると大きなため息を出していた。
「…結構褒めていたなヤスミン嬢…誰が見ても分かると言うか…どうすんだシェル兄」
「どうすると言われましても、まだ何も言われていませんよ」
「今から言い寄って来るかも知れないだろう?」
「私には関係ありませんよ」
「それはそうだけど…シェル兄は優しすぎなんだよだから女が寄って誤解まで受け…あ!」
「……」
バッと口を押さえたカイザック王子は、隣を歩くシェル王子の顔をチラッと見てガシガシと頭を触り息を吐いた。
「わ、悪いシェル兄…」
「貴方が謝る事はありません、私は女性に優しくしている積もりはありませんが?」
「いや…笑顔で話しかけているだろう。それが女達に好感度をあげていると言うか…」
「では、怒った顔を見せたら良いのでしょうか?それともジルのように不機嫌さが出ました方が良いのでしょうか?」
「…いや…何もそこまでしなくても…」
「ふふっ、こんな事を言いますとジルから叱りを受けてしまいますね…」
「……ヤスミン嬢も分かっていると思うが、側室でも父上の奥さんだからな…弁えているといいが…」
「お話しをするだけでしたら私は何も言いません」
「そうだけどさ…何かあった場合が…今夜護衛を増やした方がいいんじゃないのか?」
「大袈裟すぎますよ…はぁ…」
「はははは、確かに」
シェル王子とカイザック王子は声を上げて笑い、ウィル王子の部屋に近くまで来ていた。
「ところで、ウィルに用があったのか?」
「ウィルの顔を見に行くだけです」
「俺は、ヤスミン嬢から離れる為ウィルの部屋に行くと思った」
「ふふふ、それもありますがウィルに会いたいのは本当ですよ」
ウィル王子の部屋の前にはレオン護衛騎士とトーマス護衛騎士が立っていた。
「お疲れ様です。ウィル王子は居ますか?」
「は!お疲れ様です。シェル騎士団長、カイザック副団長」
「お疲れ様です。シェル騎士団長、カイザック副団長」
シェル王子とカイザック王子はウィル王子の部屋に入り部屋の中ではメイドのマリアがいた。
「シェル様、カイ様」
メイドのマリアは部屋の中に入った二人の王子に頭を下げた。
「ご苦労様です。マリア、ウィルは……」
「まだ、お目覚めにはなっていません」
シェル王子はマリアからウィル王子が起きていないと話し、二人の王子はベッドの上で眠るウィル王子の寝顔を見ていた。
「ははは、ぐっすり寝ているなウィルは」
「ふふっ、そうですね…食事部屋へ行くのを止め、ウィルの寝顔を見ていたいものです」
「そうだよな~っ」
二人の王子はやんわりとした顔を見せ見下ろしていた。
「…う…ん…んんん~~~っと…良く寝……へ!?」
俺は思いっきり両手を広げてバンザ~イして見上げると、シェル王子とカイザック王子が見下ろしニコニコ笑顔で俺を見ていた。
「……シェル…兄様?…ザック兄様…いつの間に…」
「御早う御座いますウィル、可愛い寝顔でしたよ」
「なんだもう目が覚めたのか、まだ寝て良いぞウィル」
「カイ様、夕食の時間が遅くなります」
「え…夕食…あっ、僕まだ夕食がまだだったんだ。シェル兄様が「おはよう」と言ったので朝に成ったのかと思った~っ、でも、どうして兄様達が部屋に居るの?」
俺はベッドから起き上がり二人の兄王子を見上げた。
「お前の護衛騎士を決めた帰りに寄った」
「え!?僕の護衛騎士ですか?」
「ええ、数日間ですが、レオン護衛騎士とトーマス護衛騎士と同じ数日ですが護衛騎士を新たに増やしました。明日、部屋へ挨拶に向かいます」
(まさか、護衛が増えるとは思ってなかったな朝と夜に決めてんだろうな…レオンさんとトーマスさんを一日中働かせる訳にもいかないし…でもそれなら担当の騎士でも良かったんじゃないのか?学校の日直みたいに毎日違う騎士が来てさ……)
「…シェル兄様、ニックはいつ戻るのですか?」
『え?』と少し驚く顔をしたシェル王子は俺の顔を見て苦笑いのような笑みを見せていた。
「…心配しなくても後、数日で護衛に戻りますよ」
「そうだったな、ニック騎士は今巡回任務に成っていたな…この前巡回上司のマット騎士が、騎士仲間もできたようで夜間の仕事も頑張っていると聞いたぞ」
「良かった…向こうでも頑張っているみたいで安心した」
「そうですか…彼は護衛ではなく巡回騎士が似合うのかもしれませんね」
「もう、シェル兄様」
「ふふふふ」
『冗談ですよ』と笑みを見せるシェル王子…王子達と話しをしてマリアさんが夕食の準備を始め、シェル王子とカイザック王子はウィルの部屋を出た。
(あっ、カイザック王子にお茶誘うの忘れた…まあ、会った時に言えばいっか)
「ヤスミン嬢は諦めて行ったかもな」
「はあ~っ…」
シェル王子は手を額にやると大きなため息を出していた。
「…結構褒めていたなヤスミン嬢…誰が見ても分かると言うか…どうすんだシェル兄」
「どうすると言われましても、まだ何も言われていませんよ」
「今から言い寄って来るかも知れないだろう?」
「私には関係ありませんよ」
「それはそうだけど…シェル兄は優しすぎなんだよだから女が寄って誤解まで受け…あ!」
「……」
バッと口を押さえたカイザック王子は、隣を歩くシェル王子の顔をチラッと見てガシガシと頭を触り息を吐いた。
「わ、悪いシェル兄…」
「貴方が謝る事はありません、私は女性に優しくしている積もりはありませんが?」
「いや…笑顔で話しかけているだろう。それが女達に好感度をあげていると言うか…」
「では、怒った顔を見せたら良いのでしょうか?それともジルのように不機嫌さが出ました方が良いのでしょうか?」
「…いや…何もそこまでしなくても…」
「ふふっ、こんな事を言いますとジルから叱りを受けてしまいますね…」
「……ヤスミン嬢も分かっていると思うが、側室でも父上の奥さんだからな…弁えているといいが…」
「お話しをするだけでしたら私は何も言いません」
「そうだけどさ…何かあった場合が…今夜護衛を増やした方がいいんじゃないのか?」
「大袈裟すぎますよ…はぁ…」
「はははは、確かに」
シェル王子とカイザック王子は声を上げて笑い、ウィル王子の部屋に近くまで来ていた。
「ところで、ウィルに用があったのか?」
「ウィルの顔を見に行くだけです」
「俺は、ヤスミン嬢から離れる為ウィルの部屋に行くと思った」
「ふふふ、それもありますがウィルに会いたいのは本当ですよ」
ウィル王子の部屋の前にはレオン護衛騎士とトーマス護衛騎士が立っていた。
「お疲れ様です。ウィル王子は居ますか?」
「は!お疲れ様です。シェル騎士団長、カイザック副団長」
「お疲れ様です。シェル騎士団長、カイザック副団長」
シェル王子とカイザック王子はウィル王子の部屋に入り部屋の中ではメイドのマリアがいた。
「シェル様、カイ様」
メイドのマリアは部屋の中に入った二人の王子に頭を下げた。
「ご苦労様です。マリア、ウィルは……」
「まだ、お目覚めにはなっていません」
シェル王子はマリアからウィル王子が起きていないと話し、二人の王子はベッドの上で眠るウィル王子の寝顔を見ていた。
「ははは、ぐっすり寝ているなウィルは」
「ふふっ、そうですね…食事部屋へ行くのを止め、ウィルの寝顔を見ていたいものです」
「そうだよな~っ」
二人の王子はやんわりとした顔を見せ見下ろしていた。
「…う…ん…んんん~~~っと…良く寝……へ!?」
俺は思いっきり両手を広げてバンザ~イして見上げると、シェル王子とカイザック王子が見下ろしニコニコ笑顔で俺を見ていた。
「……シェル…兄様?…ザック兄様…いつの間に…」
「御早う御座いますウィル、可愛い寝顔でしたよ」
「なんだもう目が覚めたのか、まだ寝て良いぞウィル」
「カイ様、夕食の時間が遅くなります」
「え…夕食…あっ、僕まだ夕食がまだだったんだ。シェル兄様が「おはよう」と言ったので朝に成ったのかと思った~っ、でも、どうして兄様達が部屋に居るの?」
俺はベッドから起き上がり二人の兄王子を見上げた。
「お前の護衛騎士を決めた帰りに寄った」
「え!?僕の護衛騎士ですか?」
「ええ、数日間ですが、レオン護衛騎士とトーマス護衛騎士と同じ数日ですが護衛騎士を新たに増やしました。明日、部屋へ挨拶に向かいます」
(まさか、護衛が増えるとは思ってなかったな朝と夜に決めてんだろうな…レオンさんとトーマスさんを一日中働かせる訳にもいかないし…でもそれなら担当の騎士でも良かったんじゃないのか?学校の日直みたいに毎日違う騎士が来てさ……)
「…シェル兄様、ニックはいつ戻るのですか?」
『え?』と少し驚く顔をしたシェル王子は俺の顔を見て苦笑いのような笑みを見せていた。
「…心配しなくても後、数日で護衛に戻りますよ」
「そうだったな、ニック騎士は今巡回任務に成っていたな…この前巡回上司のマット騎士が、騎士仲間もできたようで夜間の仕事も頑張っていると聞いたぞ」
「良かった…向こうでも頑張っているみたいで安心した」
「そうですか…彼は護衛ではなく巡回騎士が似合うのかもしれませんね」
「もう、シェル兄様」
「ふふふふ」
『冗談ですよ』と笑みを見せるシェル王子…王子達と話しをしてマリアさんが夕食の準備を始め、シェル王子とカイザック王子はウィルの部屋を出た。
(あっ、カイザック王子にお茶誘うの忘れた…まあ、会った時に言えばいっか)
0
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説
【第1部完結】悪役令息ですが、家族のため精一杯生きているので邪魔しないでください~僕の執事は僕にだけイケすぎたオジイです~
ちくわぱん
BL
【11/28第1部完結・12/8幕間完結】(第2部開始は年明け後の予定です)ハルトライアは前世を思い出した。自分が物語の当て馬兼悪役で、王子と婚約するがのちに魔王になって結局王子と物語の主役に殺される未来を。死にたくないから婚約を回避しようと王子から逃げようとするが、なぜか好かれてしまう。とにかく悪役にならぬように魔法も武術も頑張って、自分のそばにいてくれる執事とメイドを守るんだ!と奮闘する日々。そんな毎日の中、困難は色々振ってくる。やはり当て馬として死ぬしかないのかと苦しみながらも少しずつ味方を増やし成長していくハルトライア。そして執事のカシルもまた、ハルトライアを守ろうと陰ながら行動する。そんな二人の努力と愛の記録。両片思い。じれじれ展開ですが、ハピエン。
BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている
青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子
ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ
そんな主人公が、BLゲームの世界で
モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを
楽しみにしていた。
だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない……
そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし
BL要素は、軽めです。
兄たちが弟を可愛がりすぎです~番外編春人が夢で見た二十年後の王子と護衛騎士~
クロユキ
BL
ベルスタ王国第五王子ウィル・テラ・セルディ・ベルスタ二十年前に亡くなるが、異世界から坂田春人高校二年がウィル王子の身体の中に入りそのままベルスタ王国の王子として生活をする事になる。城内では兄王子に護衛騎士など毎日春人に付きまとう日々…そして今のベルスタ王国の王が代わり、春人ことウィル王子が王様になったお話。
春人の夢の中での話で、ウィル王が兄王子達に護衛騎士に相変わらず振り回されます。
現在更新中の兄弟とはまた別の話になりますが、番外編だけでも読めるお話しになると思います
自己評価下の下のオレは、血筋がチートだった!?
トール
BL
一般家庭に生まれ、ごく普通の人生を歩んで16年。凡庸な容姿に特出した才もない平凡な少年ディークは、その容姿に負けない平凡な毎日を送っている。と思っていたのに、周りから見れば全然平凡じゃなかった!?
実はこの世界の創造主(神王)を母に持ち、騎士団の師団長(鬼神)を父に持つ尊い血筋!? 両親の素性を知らされていない世間知らずな少年が巻き起こすドタバタBLコメディー。
※「異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ」の主人公の息子の話になります。
こちらを読んでいなくても楽しめるように作っておりますが、親の話に興味がある方はぜひズボラライフも読んでいただければ、より楽しめる作品です。
俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜
明太子
BL
伯爵令息のエスメラルダは幼い頃から恋心を抱いていたレオンスタリア王国の国王であるキースと結婚し、王妃となった。
しかし、当のキースからは冷遇され、1人寂しく別居生活を送っている。
それでもキースへの想いを捨てきれないエスメラルダ。
だが、その思いも虚しく、エスメラルダはキースが別の令嬢を新しい妃を迎えようとしている場面に遭遇してしまう。
流石に心が折れてしまったエスメラルダは離婚を決意するが…?
エスメラルダの一途な初恋はキースに届くのか?
そして、キースの本当の気持ちは?
分かりづらい伏線とそこそこのどんでん返しありな喜怒哀楽激しめ王妃のシリアス?コメディ?こじらせ初恋BLです!
※R指定は保険です。
異世界転生して病んじゃったコの話
るて
BL
突然ですが、僕、異世界転生しちゃったみたいです。
これからどうしよう…
あれ、僕嫌われてる…?
あ、れ…?
もう、わかんないや。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
異世界転生して、病んじゃったコの話
嫌われ→総愛され
性癖バンバン入れるので、ごちゃごちゃするかも…
巻き込まれ異世界転移者(俺)は、村人Aなので探さないで下さい。
はちのす
BL
異世界転移に巻き込まれた憐れな俺。
騎士団や勇者に見つからないよう、村人Aとしてスローライフを謳歌してやるんだからな!!
***********
異世界からの転移者を血眼になって探す人達と、ヒラリヒラリと躱す村人A(俺)の日常。
イケメン(複数)×平凡?
全年齢対象、すごく健全
やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜
ゆきぶた
BL
異世界転生したからハーレムだ!と、思ったら男のハーレムが出来上がるBLです。主人公総受ですがエロなしのギャグ寄りです。
短編用に登場人物紹介を追加します。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
あらすじ
前世を思い出した第5王子のイルレイン(通称イル)はある日、謎の呪いで倒れてしまう。
20歳までに死ぬと言われたイルは禁呪に手を出し、呪いを解く素材を集めるため、セイと名乗り冒険者になる。
そして気がつけば、最強の冒険者の一人になっていた。
普段は病弱ながらも執事(スライム)に甘やかされ、冒険者として仲間達に甘やかされ、たまに兄達にも甘やかされる。
そして思ったハーレムとは違うハーレムを作りつつも、最強冒険者なのにいつも抱っこされてしまうイルは、自分の呪いを解くことが出来るのか??
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
お相手は人外(人型スライム)、冒険者(鍛冶屋)、錬金術師、兄王子達など。なにより皆、過保護です。
前半はギャグ多め、後半は恋愛思考が始まりラストはシリアスになります。
文章能力が低いので読みにくかったらすみません。
※一瞬でもhotランキング10位まで行けたのは皆様のおかげでございます。お気に入り1000嬉しいです。ありがとうございました!
本編は完結しましたが、暫く不定期ですがオマケを更新します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる