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騎士学校への訪問者⑯
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ウィルの様子が気になるシェル王子が、護衛騎士のエリックさんに頼んだと聞き、みんなベッドの上に座る俺の方へ顔を向けるからビックリした。
(いきなり城から居なくなり、何故か騎士学校に来ていると聞いたらシェル王子も驚くだろう。様子を見に行きたいけど忙しいからエリックさんに頼んだんだろうな…学校に来て何をしている?と思うし、俺も何しに学校へ来たんだ?と思うもんな…『異世界の学校が気に成ったから』とは言えないから『医師じぃさんに付いて行きお茶っ葉を貰いました』で良いんじゃないのか?ん?ちょっと待てよ、お茶っ葉貰ったのは良いんだけど急須が無いじゃん!?でも、ポットの中に入った紅茶の葉がカップに注いだ時に茶っ葉がカップの中に入るけど…普通にポットにお茶っ葉入れて良いかも知れないな。は~焦った~お茶飲めないかと思った~っ)
「……そうか、私と同じ事を考えていたようだな」
ジル王子は、エリックさんがシェル王子の使いで来た事に納得していたようで、俺の方を見て小さく笑みを見せているようにみえた。
「はぁ…エリック様は僕の方じゃなくてウィルを見ていたんだ」
「……」
「はぁ」と息を吐き「残念」と言ったメルシエに俺は苦笑いに成っていたと思う。
「メルシエ」
俺とメルシエがいるベッドに保健員の同級生がメルシエに声をかけていた。
「あっ!ルグラン、迎えに来てくれたんだ」
「ああ…」
(そうそう、名前はルグランって言っていた。名前なんだっけ~と考えていたんだよな~すっきりした。)
「僕の迎えはフランソワが来るんだと思っていた」
「フランソワに迎えに行くようにと話しはしたが、保健員だからと俺が行くように言われた…」
「……そっか…」
俺は二人を見て喧嘩していた訳でも無かったんだと思い、二人の様子を暫く見ていたらルグランが俺の方を見ているのに気付き、ニコッと俺は笑顔を向けた。
「……君は王子だったんだな」
「えっ、うん…ごめんなさい言わなくて……」
「謝る事はないよ、学校へ来たのは初めてなのか?」
「はい、今日が初めてです」
「そうか…他の場所と言うか見学はしたのか?」
「いえ、僕は医師様に付いて来ただけだから」
「ああっ、ベルナール先生の事か」
「僕、医師様の名前を聞いて驚いたんです」
「驚いた?」
「うん、城内ではみんなが『医師』とか『医師様』とかそう呼ぶから医師様に名前があったのを聞いて驚いた」
「ハハハ、酷いなそれ」
「ですよね~」
(おっ、笑うと爽やか系のイケメンじゃん!初めて会った時はクールな男子かと思ったけど)
「…ル、ルグラン!」
メルシエが突然声を上げ俺とルグランの会話を止めた。
「……あ…ジ、ジル王子が僕達に城へ来ても良いと言ってくれたんだ」
「ジル王子!?」
ルグランがメルシエの顔を見て驚いたようで、医師じぃさんとエリックさんの側にいるジル王子へ顔を向けていた。
「…見た事がある顔だと思ったがジル王子だったのか…」
「ルグラン、ジル王子を知っているの?」
「城内へみんなと行った時に会っている…メルシエお前も会っただろう!?」
「あ、そうだったね」
「何故ジル王子が…俺達と言うかメルシエに城へ来ても良いと言ったんだ?」
ルグランが不思議そうな顔でメルシエを見ていた。
「ふふ、僕はウィルとお友達に成ったからジル王子が城へ来て良いと言ってくれたんだ」
「……そうなのか?……」
ルグランが俺を見て確認したいと思ったようで「そうなのか?」と俺に聞くと「そうみたいです」と俺はルグランに言った。
「僕が『友達』と言った人にはお城へ来る事が出来るそうです」
「なんと言うか……余り無闇に『友達』と言わない方が良いと思うんだが…」
「大丈夫です。ジル兄様に直接言わないとダメだと思うので、ルグラン先輩は友達ですとジル兄様に言っても良いですか?」
「せ、先輩?!」
「ルグランも驚くよね。僕もウィルから先輩と言われて驚いたんだ」
「…メルシエも言われたのか……」
俺はジル王子を側に呼ぶとルグランを友達に認めて貰い城へ来る許可を貰った。
(「生徒はみんな友達」と言ったらどうなるんだろうか?)
(いきなり城から居なくなり、何故か騎士学校に来ていると聞いたらシェル王子も驚くだろう。様子を見に行きたいけど忙しいからエリックさんに頼んだんだろうな…学校に来て何をしている?と思うし、俺も何しに学校へ来たんだ?と思うもんな…『異世界の学校が気に成ったから』とは言えないから『医師じぃさんに付いて行きお茶っ葉を貰いました』で良いんじゃないのか?ん?ちょっと待てよ、お茶っ葉貰ったのは良いんだけど急須が無いじゃん!?でも、ポットの中に入った紅茶の葉がカップに注いだ時に茶っ葉がカップの中に入るけど…普通にポットにお茶っ葉入れて良いかも知れないな。は~焦った~お茶飲めないかと思った~っ)
「……そうか、私と同じ事を考えていたようだな」
ジル王子は、エリックさんがシェル王子の使いで来た事に納得していたようで、俺の方を見て小さく笑みを見せているようにみえた。
「はぁ…エリック様は僕の方じゃなくてウィルを見ていたんだ」
「……」
「はぁ」と息を吐き「残念」と言ったメルシエに俺は苦笑いに成っていたと思う。
「メルシエ」
俺とメルシエがいるベッドに保健員の同級生がメルシエに声をかけていた。
「あっ!ルグラン、迎えに来てくれたんだ」
「ああ…」
(そうそう、名前はルグランって言っていた。名前なんだっけ~と考えていたんだよな~すっきりした。)
「僕の迎えはフランソワが来るんだと思っていた」
「フランソワに迎えに行くようにと話しはしたが、保健員だからと俺が行くように言われた…」
「……そっか…」
俺は二人を見て喧嘩していた訳でも無かったんだと思い、二人の様子を暫く見ていたらルグランが俺の方を見ているのに気付き、ニコッと俺は笑顔を向けた。
「……君は王子だったんだな」
「えっ、うん…ごめんなさい言わなくて……」
「謝る事はないよ、学校へ来たのは初めてなのか?」
「はい、今日が初めてです」
「そうか…他の場所と言うか見学はしたのか?」
「いえ、僕は医師様に付いて来ただけだから」
「ああっ、ベルナール先生の事か」
「僕、医師様の名前を聞いて驚いたんです」
「驚いた?」
「うん、城内ではみんなが『医師』とか『医師様』とかそう呼ぶから医師様に名前があったのを聞いて驚いた」
「ハハハ、酷いなそれ」
「ですよね~」
(おっ、笑うと爽やか系のイケメンじゃん!初めて会った時はクールな男子かと思ったけど)
「…ル、ルグラン!」
メルシエが突然声を上げ俺とルグランの会話を止めた。
「……あ…ジ、ジル王子が僕達に城へ来ても良いと言ってくれたんだ」
「ジル王子!?」
ルグランがメルシエの顔を見て驚いたようで、医師じぃさんとエリックさんの側にいるジル王子へ顔を向けていた。
「…見た事がある顔だと思ったがジル王子だったのか…」
「ルグラン、ジル王子を知っているの?」
「城内へみんなと行った時に会っている…メルシエお前も会っただろう!?」
「あ、そうだったね」
「何故ジル王子が…俺達と言うかメルシエに城へ来ても良いと言ったんだ?」
ルグランが不思議そうな顔でメルシエを見ていた。
「ふふ、僕はウィルとお友達に成ったからジル王子が城へ来て良いと言ってくれたんだ」
「……そうなのか?……」
ルグランが俺を見て確認したいと思ったようで「そうなのか?」と俺に聞くと「そうみたいです」と俺はルグランに言った。
「僕が『友達』と言った人にはお城へ来る事が出来るそうです」
「なんと言うか……余り無闇に『友達』と言わない方が良いと思うんだが…」
「大丈夫です。ジル兄様に直接言わないとダメだと思うので、ルグラン先輩は友達ですとジル兄様に言っても良いですか?」
「せ、先輩?!」
「ルグランも驚くよね。僕もウィルから先輩と言われて驚いたんだ」
「…メルシエも言われたのか……」
俺はジル王子を側に呼ぶとルグランを友達に認めて貰い城へ来る許可を貰った。
(「生徒はみんな友達」と言ったらどうなるんだろうか?)
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