兄たちが弟を可愛がりすぎです

城の騎士学校⑦

俺は医務室の先生アンドレ先生とお茶友達という奇妙な事になり先生に焼き菓子も出して貰い俺は今日は朝から甘いお菓子に縁が在るな！とお茶は焼き菓子でも合うなと笑顔でお菓子を食べていた。
その頃運動場では、リアム先生は生徒達からまだ質問を受けていた。
「先生本当にさっきの男の子は知らないんですか？」
「私の口からお前達に教える訳にはいかん、質問は終わりだ皆走り終えたか？」
「先生、僕達の質問に答えて無いよ」
生徒達は不服のようで、運動場では二人の男子が一人の男子を支えていた。
「先生、メルシエが具合い悪いようです」
体調が悪いといった男子メルシエを真ん中に男子二人は支えていた……男子二人は先生と同級生達から離れ渡り廊下近くにいたレオン騎士が見掛けた二人の男子だった。二人は途中から運動場に入り具合いが悪い男子生徒と一緒に成った時、今まで走っていたようなふりをしていた。
「お前達有り難う、大丈夫か？メルシエ」
「……はい」
メルシエと名乗る男子は、顔が真っ青に成り、リアム先生はクラスの保健員男子を呼び、体調が悪い生徒に医務室へ連れて行くように指示を出していた。
「保健員は誰だ？」
「僕です」
大勢の生徒達の中から一番身長が高いと思う男子が生徒達の後ろから手を上げ、リアム先生とメルシエの側へと寄っていた。
「ルグランか、メルシエを医務室へ連れて行ってくれるか？」
「……はい、先生」
「……」
真っ青な顔で側に居るルグランの顔を見上げていたメルシエはルグランが手を差し伸べているのを見て彼の手を取ろうとした。
「メルシエは僕が連れて行きます」
生徒達の中から一人の男子生徒が声を掛けていた。
「ん？委員長のフランソワか…これは保健員の仕事だメルシエにはルグランに頼む事にする」
「でも先生……」
「……委員長有り難う、僕はルグランに医務室迄お願いするから大丈夫だよ」
メルシエはフランソワの顔を見て軽く首を振り二人は医務室へと向かった。
「……」
メルシエはルグランに支えて貰いながら医務室へと向かい、二人の後ろ姿を見ていたフランソワは手をギュッと握り締めていた。
パタパタパタと学校の上履きを履いた靴の音で廊下を歩くメルシエとルグランはお互い黙ったまま医務室の方へ歩いていた。
「……ごめんなさい…」
廊下を歩いていたメルシエが突然ルグランに謝り、それを聞いたルグランはただ黙ったままで…今まで支えていたメルシエの身体を離れ少し距離を置いて二人は歩いていた。
「何度も謝るのは俺は好きではない……」
「今僕と一緒に居るのが一番辛いのはルグランなのに…僕が体調崩すから……」
「気にするな俺は保健員の仕事をしているだけだ」
「……フランソワが怖い顔をしていた」
「お前の彼氏だろう、後でフランソワに話せばすむ事だ」
メルシエは歩く足を止め、少し前の方へ歩いていたルグランがメルシエの足が止まった事に気付き後ろを振り向いた。
「どうした具合いが悪いのか？メルシエ」
「……もう、僕の事…なんとも思って居ないの？ルグラン……」
「……お前にはフランソワが居るだろう……俺にそんな事を聞くのは酷じゃないのか」
「……」
メルシエは顔を下に向くと悲しげな表情を見せていた。
「俺に別れ話しをしたのはお前の方だろう、「フランソワが告白をしてくれたから僕と別れて欲しい」と言ったのは……」
「……」
「この話しは止めよう、俺達は別れたんだいつものクラスメイトに戻っただけだ。もうすぐ医務室だ後でフランソワに迎えを寄越す、今は身体を休めた方が良い」
「ルグラン……」
二人の上級生は色々と事情をかかえ学校生活を迎えていた。