376 / 484
城の騎士学校③
しおりを挟む
生徒達がヒーヒーと言いながら運動場を走る中、レオンさんが声を掛けた体育の先生だと思う人に名前を出していた。
「……レオン・クライム…どっかで聞いた……ああっ、思い出した三年前に卒業した生徒か!確か運動場で皆と走るのがいつも最後だったあのクライムか」
体育の先生はニコニコと笑顔でレオンさんの走るのが遅い生徒だったと話し、レオンさんは顔が真っ赤に成り慌てたように声を出していた。
「リ、リアム先生足が遅い生徒で覚えないで下さい」
「ハハハハ、悪い、いやあ…皆より一周遅いのが印象に残って居たからな、その時だけだと思ったが毎回の事だったからな直ぐに名前を覚える事が出来たハハハハ」
「……っ」
レオンさんは顔を真っ赤にして俺の方をチラッと見ていた。
「……あの、私の事を選んだ事に後悔しないで下さい……」
「?どうして僕がレオンさんに後悔するんですか?」
走る足が遅いと体育の先生に言われた事で、俺がレオンさんの護衛騎士でガッカリしたと思ったんだろうか?気にする事無いのにな……
「……クライムお前が城で本格的に騎士に成ったと聞き先生は嬉しかった。運動神経がいまいちのお前だったから城でもやって行けるのか心配だったんだ。」
「……リアム先生褒めているようには聞こえませんが……」
「ハハハハこれでも褒めているんだが」
「……先生」
はぁ…と小さく息を吐くレオンさんに「良い先生じゃん」と心の中で呟きやはり体育の先生の視線は俺に集中していた。
「何度も聞くようで悪い、クライムが抱き抱えているこの子は足が悪いのか?」
「ほっ、ほっ、彼の事は私が話しましょう、シェル様の弟ですぞ」
「シェ……!?あの、末の弟……」
バッ!と体育の先生は一番末のウィルを思い出し胸に手を当て俺に頭を下げてきた……俺は頭を下げて来るのは苦手で先生から頭を下げられると変な感じで嫌かな……
「せ、先生頭を上げて下さい僕にそんな事しないで下さい、生徒達が見てますから……」
俺は両手をブンブンと振り体育の先生が頭を下げないでと言っている時、何人かの生徒が走るのが終わったのだろう汗をかき「はあはあ」と息を整え俺達の方をポカーンとした顔で見ているから俺は焦っていた。
「なぁ、アイツ誰だ?寝服のままだぞ!?」
「さぁ……っておい、あの人護衛騎士じゃないのか!?」
「えっ、本当だ護衛騎士の人だ!格好いいな…俺も早く騎士に成りたいな~っ」
「でも、何で護衛騎士の人が抱き抱えてんだろう?それに何で先生頭下げてんだ?何かしたのかな先生」
ガヤガヤと生徒達が走り終え皆固まってこっち見てるから顔がひきつりそうだった……
「生徒達が待ってますぞ」
「えっ、あ……はい、少し待っていて下さい」
体育の先生が急に敬語みたいな話し方に成ってるから俺は困った……シェル王子達にも先生達はあんな感じなのか?
「コラ~ッ!お前達何サボッているんだ三周走ったのか?!」
体育の先生が生徒達の側へ行くとドドッ…と押し寄せるかのように生徒達が体育の先生に詰め掛けた。
「先生、先生、あの人護衛騎士だよね先生の知り合い?!僕達にも紹介して」
「センセ~ッ、あの子誰ですか?俺達とあんま変わんないみたいだけど~っ、何で寝服姿何です?具合い悪いんですか?」
「先生騎士の人強いんですか?」
「先生ーっ、あの子俺達と同じ歳ですか?男ですか?女ですか?」
「センセ~ッ!医務室へ行って良いですか!?」
「……」
ワイワイ、チラチラ、と見る生徒達に先生は一人でオロオロと生徒達に対応するのに必死で、何人かの生徒は隙を見て俺達の側へ行こうとする生徒もいた。
「ほっ、ほっ、ほっ、彼も忙しそうなので、私達は医務室に参りましょうかのほっ、ほっ、ほっ」
「……はぁ」
「……」
俺達三人は体育の先生を置いて医務室へと向かった。
「……レオン・クライム…どっかで聞いた……ああっ、思い出した三年前に卒業した生徒か!確か運動場で皆と走るのがいつも最後だったあのクライムか」
体育の先生はニコニコと笑顔でレオンさんの走るのが遅い生徒だったと話し、レオンさんは顔が真っ赤に成り慌てたように声を出していた。
「リ、リアム先生足が遅い生徒で覚えないで下さい」
「ハハハハ、悪い、いやあ…皆より一周遅いのが印象に残って居たからな、その時だけだと思ったが毎回の事だったからな直ぐに名前を覚える事が出来たハハハハ」
「……っ」
レオンさんは顔を真っ赤にして俺の方をチラッと見ていた。
「……あの、私の事を選んだ事に後悔しないで下さい……」
「?どうして僕がレオンさんに後悔するんですか?」
走る足が遅いと体育の先生に言われた事で、俺がレオンさんの護衛騎士でガッカリしたと思ったんだろうか?気にする事無いのにな……
「……クライムお前が城で本格的に騎士に成ったと聞き先生は嬉しかった。運動神経がいまいちのお前だったから城でもやって行けるのか心配だったんだ。」
「……リアム先生褒めているようには聞こえませんが……」
「ハハハハこれでも褒めているんだが」
「……先生」
はぁ…と小さく息を吐くレオンさんに「良い先生じゃん」と心の中で呟きやはり体育の先生の視線は俺に集中していた。
「何度も聞くようで悪い、クライムが抱き抱えているこの子は足が悪いのか?」
「ほっ、ほっ、彼の事は私が話しましょう、シェル様の弟ですぞ」
「シェ……!?あの、末の弟……」
バッ!と体育の先生は一番末のウィルを思い出し胸に手を当て俺に頭を下げてきた……俺は頭を下げて来るのは苦手で先生から頭を下げられると変な感じで嫌かな……
「せ、先生頭を上げて下さい僕にそんな事しないで下さい、生徒達が見てますから……」
俺は両手をブンブンと振り体育の先生が頭を下げないでと言っている時、何人かの生徒が走るのが終わったのだろう汗をかき「はあはあ」と息を整え俺達の方をポカーンとした顔で見ているから俺は焦っていた。
「なぁ、アイツ誰だ?寝服のままだぞ!?」
「さぁ……っておい、あの人護衛騎士じゃないのか!?」
「えっ、本当だ護衛騎士の人だ!格好いいな…俺も早く騎士に成りたいな~っ」
「でも、何で護衛騎士の人が抱き抱えてんだろう?それに何で先生頭下げてんだ?何かしたのかな先生」
ガヤガヤと生徒達が走り終え皆固まってこっち見てるから顔がひきつりそうだった……
「生徒達が待ってますぞ」
「えっ、あ……はい、少し待っていて下さい」
体育の先生が急に敬語みたいな話し方に成ってるから俺は困った……シェル王子達にも先生達はあんな感じなのか?
「コラ~ッ!お前達何サボッているんだ三周走ったのか?!」
体育の先生が生徒達の側へ行くとドドッ…と押し寄せるかのように生徒達が体育の先生に詰め掛けた。
「先生、先生、あの人護衛騎士だよね先生の知り合い?!僕達にも紹介して」
「センセ~ッ、あの子誰ですか?俺達とあんま変わんないみたいだけど~っ、何で寝服姿何です?具合い悪いんですか?」
「先生騎士の人強いんですか?」
「先生ーっ、あの子俺達と同じ歳ですか?男ですか?女ですか?」
「センセ~ッ!医務室へ行って良いですか!?」
「……」
ワイワイ、チラチラ、と見る生徒達に先生は一人でオロオロと生徒達に対応するのに必死で、何人かの生徒は隙を見て俺達の側へ行こうとする生徒もいた。
「ほっ、ほっ、ほっ、彼も忙しそうなので、私達は医務室に参りましょうかのほっ、ほっ、ほっ」
「……はぁ」
「……」
俺達三人は体育の先生を置いて医務室へと向かった。
10
お気に入りに追加
897
あなたにおすすめの小説
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
天涯孤独になった少年は、元兵士の優しいオジサンと幸せに生きる
ir(いる)
BL
ファンタジー。最愛の父を亡くした後、恋人(不倫相手)と再婚したい母に騙されて捨てられた12歳の少年。30歳の元兵士の男性との出会いで傷付いた心を癒してもらい、恋(主人公からの片思い)をする物語。
※序盤は主人公が悲しむシーンが多いです。
※主人公と相手が出会うまで、少しかかります(28話)
※BL的展開になるまでに、結構かかる予定です。主人公が恋心を自覚するようでしないのは51話くらい?
※女性は普通に登場しますが、他に明確な相手がいたり、恋愛目線で主人公たちを見ていない人ばかりです。
※同性愛者もいますが、異性愛が主流の世界です。なので主人公は、男なのに男を好きになる自分はおかしいのでは?と悩みます。
※主人公のお相手は、保護者として主人公を温かく見守り、支えたいと思っています。
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)
黒崎由希
BL
目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。
しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ?
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
…ええっと…
もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m
.
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる