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城の騎士学校③

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生徒達がヒーヒーと言いながら運動場を走る中、レオンさんが声を掛けた体育の先生だと思う人に名前を出していた。
「……レオン・クライム…どっかで聞いた……ああっ、思い出した三年前に卒業した生徒か!確か運動場で皆と走るのがいつも最後だったあのクライムか」
体育の先生はニコニコと笑顔でレオンさんの走るのが遅い生徒だったと話し、レオンさんは顔が真っ赤に成り慌てたように声を出していた。
「リ、リアム先生足が遅い生徒で覚えないで下さい」
「ハハハハ、悪い、いやあ…皆より一周遅いのが印象に残って居たからな、その時だけだと思ったが毎回の事だったからな直ぐに名前を覚える事が出来たハハハハ」
「……っ」
レオンさんは顔を真っ赤にして俺の方をチラッと見ていた。
「……あの、私の事を選んだ事に後悔しないで下さい……」
「?どうして僕がレオンさんに後悔するんですか?」
走る足が遅いと体育の先生に言われた事で、俺がレオンさんの護衛騎士でガッカリしたと思ったんだろうか?気にする事無いのにな……
「……クライムお前が城で本格的に騎士に成ったと聞き先生は嬉しかった。運動神経がいまいちのお前だったから城でもやって行けるのか心配だったんだ。」
「……リアム先生褒めているようには聞こえませんが……」
「ハハハハこれでも褒めているんだが」
「……先生」
はぁ…と小さく息を吐くレオンさんに「良い先生じゃん」と心の中で呟きやはり体育の先生の視線は俺に集中していた。
「何度も聞くようで悪い、クライムが抱き抱えているこの子は足が悪いのか?」
「ほっ、ほっ、彼の事は私が話しましょう、シェル様の弟ですぞ」
「シェ……!?あの、末の弟……」
バッ!と体育の先生は一番末のウィルを思い出し胸に手を当て俺に頭を下げてきた……俺は頭を下げて来るのは苦手で先生から頭を下げられると変な感じで嫌かな……
「せ、先生頭を上げて下さい僕にそんな事しないで下さい、生徒達が見てますから……」
俺は両手をブンブンと振り体育の先生が頭を下げないでと言っている時、何人かの生徒が走るのが終わったのだろう汗をかき「はあはあ」と息を整え俺達の方をポカーンとした顔で見ているから俺は焦っていた。
「なぁ、アイツ誰だ?寝服のままだぞ!?」
「さぁ……っておい、あの人護衛騎士じゃないのか!?」
「えっ、本当だ護衛騎士の人だ!格好いいな…俺も早く騎士に成りたいな~っ」
「でも、何で護衛騎士の人が抱き抱えてんだろう?それに何で先生頭下げてんだ?何かしたのかな先生」
ガヤガヤと生徒達が走り終え皆固まってこっち見てるから顔がひきつりそうだった……
「生徒達が待ってますぞ」
「えっ、あ……はい、少し待っていて下さい」
体育の先生が急に敬語みたいな話し方に成ってるから俺は困った……シェル王子達にも先生達はあんな感じなのか?
「コラ~ッ!お前達何サボッているんだ三周走ったのか?!」
体育の先生が生徒達の側へ行くとドドッ…と押し寄せるかのように生徒達が体育の先生に詰め掛けた。
「先生、先生、あの人護衛騎士だよね先生の知り合い?!僕達にも紹介して」
「センセ~ッ、あの子誰ですか?俺達とあんま変わんないみたいだけど~っ、何で寝服姿何です?具合い悪いんですか?」
「先生騎士の人強いんですか?」
「先生ーっ、あの子俺達と同じ歳ですか?男ですか?女ですか?」
「センセ~ッ!医務室へ行って良いですか!?」
「……」
ワイワイ、チラチラ、と見る生徒達に先生は一人でオロオロと生徒達に対応するのに必死で、何人かの生徒は隙を見て俺達の側へ行こうとする生徒もいた。
「ほっ、ほっ、ほっ、彼も忙しそうなので、私達は医務室に参りましょうかのほっ、ほっ、ほっ」
「……はぁ」
「……」
俺達三人は体育の先生を置いて医務室へと向かった。






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