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ウィル王子の医師じぃさん

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「ねぇ、騎士様に抱っこして貰って居る子は何処の令嬢かしら?それも寝服姿のままだなんて部屋から脱け出したのかしら?」
「そうかもね、それで騎士様に見付かり抱っこされるなんて私も一度くらい経験してみたいな」
「重いって言われるわよ」
「ええっ、やだ~っ」
廊下をすれ違うメイド達の黄色い声が聞こえる中、俺のウィルは女の子にも見えメイド達もウィルの姿を見た事も無いのだろうと思った。
「……僕の事を知らない人達が沢山居るんですね」
「えっ……ウィル王子?」
俺の身体を抱っこしているレオンさんにボソッと声を掛けていた
「メイド達が僕の噂をしているみたいで、何処かの令嬢と思って居るようだから僕の事を知らない人も居るんだと思いました」
「……ご自分の足で動きましたら城内の中を自由に見て回る事も出来ます、それに嫌と言うほどメイドに騎士が沢山居ますので皆直ぐにウィル王子を覚えてもらえますよ」
「城内を自由に……結構広いから一日で見回るのは無理ですね、まるで遊園地みたいだ」
「遊園地?とは何ですか?」
俺はつい城内で見て回ると聞いた時ディズニーランドの事を思い出し声に出してしまったが、この国では遊園地見たいな遊ぶ所が無いのか?と思いレオンさんに尋ねた。
「レオンさん子供が遊ぶ場所は在りませんか?」
「子供が遊ぶ場所ですか?……公園の事ですか?」
「公園……あの、他に乗り物に乗って遊ぶのは在りますか?」
「乗り物……馬の事でしょうか?」
「馬……乗ってみたいけど高くて怖そう……」
「わ、私で宜しければウィル王子と一緒に馬に乗る事も出来ます最初は怖いかも知れませんが慣れましたら楽しいと思います」
レオンさんは頬が赤く成って居るように見え、一緒に馬に乗ると言ってくれたけど俺、馬に乗った時点で叫んでしまいそうな気がするな……俺の性格から……そう言えばニックからも一緒に馬に乗せてやると言っていたっけ、今頃は部屋で寝てるだろうな……
「ウィル王子?」
「えっ、あ…はいレオンさん、馬も良いですが他には在りませんか?」
「他ですか……私が知って居ますのは馬ぐらいです…」
「そうですか……」
次元が違うこの国に春人の俺がいた国と一緒に考えてはいけないと思ってはいたが、もしかして遊園地みたいな場所があるかな~っとちょっとは期待していたのもあった。
遊園地みたいな遊び場は無かったな…と考えながらレオンさんに抱っこされている俺は廊下をすれ違うメイドに騎士達中には知っている顔も何人かいて、俺を見ると笑顔を見せて挨拶をしてくれる騎士にメイド達もいた。
知っている人達を見るとなんかホッとするな……
「おや、ウィル様では在りませんか」
レオン騎士は歩いていた足を止め俺と一緒に後ろから聞き慣れた声の方へ身体を向けた。
「医師様!」
「ほっ、ほっ、ほっ、御早う御座いますウィル様まさか廊下で御会い致しますとは思いませんでした」
「御早う御座います医師様、僕も思いました」
俺と医師じぃさんは朝の挨拶を交わした。そして医師じぃさんはレオンさんの方を見ていた。
「……いつものニック様では在りませんね、新しい護衛の騎士ですかな?」
「申し遅れましたわたくし本日よりウィル王子の護衛を任されましたレオン・クライムと申します」
「これは御丁寧に、わたくしはウィル様の医師で御座います。ウィル様これも何かの縁で御座いましょうわたくしとご一緒に来て頂きたい場所が御座いまして……」
「僕とですか?」
「はい、宜しいでしょうか?ウィル様」
「でも、マリアさんとすれ違うと……」
「レオン様と申されましたなウィル様をその場所まで一緒に来ていただきまして、ウィル様を降ろされましたらマリア様とご一緒に来て頂けますように御願いしたいのですが……ほっ、ほっ、ほっ」
「ウィル王子どう致しますか?」
「……マリアさんも一緒に来るのでしたら医師様に着いて行きますけど……何処へ行くのですか?」
「ほっ、ほっ、ほっ、それは着きましての楽しみと言う事で」
「……」
俺は長年ウィルの病気を見ていた先生だから、まぁ…行ってのお楽しみで良いか……と俺とレオンさんそして医師じぃさんが行く場所へと着いて行く事にした。











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