上 下
369 / 484

ウィル王子とシェル王子④

しおりを挟む
俺とシェル王子がヤバイ事に成っている時、食事の部屋では朝食が終わり王妃様達に側室達そして王子達は今日一日の生活が始まろうとしていた。
「ジル兄ちょっと良いか?」
「なんだ?」
食事の部屋から出た二人の王子が廊下でカイザック王子がジル王子に声を掛けていた。
「一緒にシェル兄の様子を見に行かないか?」
「私は今から書類の整理がある一日休んだお陰で仕事が増えた」
ジル王子は仕事が増えた事にもイライラとしカイザック王子と食事の部屋でウィル王子の席決めでもイライラとして、今は不機嫌が酷かった。
「うおっ、そんな恐い顔で睨まなくても良いだろう、それに書類の整理は大臣か父上に任せたら良いだろう?」
「人任せは私は好きではない……兄上の様子見はお前一人で行け」
くるっとジル王子はカイザック王子に話し終え廊下を歩き出した。護衛騎士三人組がカイザック王子に頭を下げジル王子の後を追った。
「相変わらずだな……そんな顔をするとウィルがもっと怖がると思うけどな……以前のように会話が出来なくなっても知らねえぞ」
カイザック王子は頭をガシガシと触りシェル王子とウィル王子が居る部屋へと向かっていた。
その頃シェル王子とウィル王子は今部屋に誰かが入るとまずい状態でウィル王子はシェル王子から言われ手を肌に触れていた。
「シ……シェル兄様寒くありませんか?」
「私は大丈夫ですよウィル、貴方の手の温もりが肌から伝わりますから……」
「……」
やっぱ今のシェル王子変だまだ酔って居るんじゃないのか?
俺はこのままだとシェル王子から何をされるか分からないマリアさんが来るまで何とかせねば……仕方がない未だにシェル王子にやった事が無いがこの状況を早く脱出せねば……
俺はシェル王子の胸に当てた手を放し脇腹に両手を置いた。
(みんな脇腹は弱いはずだシェル王子も一緒だ……今からシェル王子のゲラゲラと笑う姿が想像出来ないが……城内に居ますシェル王子ファンの方ごめんなさい)
「ウィル?どうしたのです?」
「シェル兄様ごめんなさい」
「えっ?」
俺はシェル王子の両脇腹にグッと両手に力を入れ一気に指先運動を開始した!
「こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!」
俺は声を出してシェル王子の硬い脇腹を思いっきり擽ってやった
勢い良く動いていた指先も段々疲れ、俺は笑い声が聞こえないシェル王子を見上げた。
「こちょこちょ……あれ?」
「……」
じっと冷めたような目をするシェル王子に俺は顔がひきつりそうに成り苦笑いを見せた。
「エヘヘヘ……シェル兄様擽ったくは無いのですか?」
ベッドの上で首を傾げ可愛くシェル王子に問いかけた俺……
「……ウィル騎士は自分の弱い部分を鍛えるように教育をしています。勿論ウィルが行いました事も皆弱い者は多いです…その行動を取りました事に褒めて上げましょう、早朝にマッサージを軽くしましたがウィルにもして上げましょう」
「えっ?へ?いや、俺いらないし遠慮しておく……」
「ああっ、今は春人ですねウィルにしましたら可哀想ですから、では春人私からのマッサージを受けて暮れますか?」
ニコッと微笑むシェル王子に俺は顔が真っ青に成った。
グッと食い込むかのようにシェル王子の両手が俺のウィルの脇腹を押さえ込んだ。
「こちょこちょこちょこちょこちょこちょ……」
「あ~っ、ははは、あ~っ、ははは……ちっ、ちょっと待って~あはははははははあはははははははあはははは……ひい~~っ止めて~~~~っ!!」
コンコンコンコン!
扉が続けて叩く音が聞こえレオンさんが慌てたように声を掛けた
「ウィル王子?どうしたのです?開けても良いですか?」
レオンさんがバッ!と扉を開け目が見開き驚いた顔をしていた。
ベッドの上に股がったような体勢で長い金色の髪がゆらりと揺れ
白いシャツは前開き全開で、扉を開けたレオンさんを見ているシェル王子に俺は「ゲッ」と声に出してしまい、この状態をレオンさんに見られてしまった。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【第1部完結】悪役令息ですが、家族のため精一杯生きているので邪魔しないでください~僕の執事は僕にだけイケすぎたオジイです~

ちくわぱん
BL
【11/28第1部完結・12/8幕間完結】(第2部開始は年明け後の予定です)ハルトライアは前世を思い出した。自分が物語の当て馬兼悪役で、王子と婚約するがのちに魔王になって結局王子と物語の主役に殺される未来を。死にたくないから婚約を回避しようと王子から逃げようとするが、なぜか好かれてしまう。とにかく悪役にならぬように魔法も武術も頑張って、自分のそばにいてくれる執事とメイドを守るんだ!と奮闘する日々。そんな毎日の中、困難は色々振ってくる。やはり当て馬として死ぬしかないのかと苦しみながらも少しずつ味方を増やし成長していくハルトライア。そして執事のカシルもまた、ハルトライアを守ろうと陰ながら行動する。そんな二人の努力と愛の記録。両片思い。じれじれ展開ですが、ハピエン。

BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている

青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子 ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ そんな主人公が、BLゲームの世界で モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを 楽しみにしていた。 だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない…… そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし BL要素は、軽めです。

兄たちが弟を可愛がりすぎです~番外編春人が夢で見た二十年後の王子と護衛騎士~

クロユキ
BL
ベルスタ王国第五王子ウィル・テラ・セルディ・ベルスタ二十年前に亡くなるが、異世界から坂田春人高校二年がウィル王子の身体の中に入りそのままベルスタ王国の王子として生活をする事になる。城内では兄王子に護衛騎士など毎日春人に付きまとう日々…そして今のベルスタ王国の王が代わり、春人ことウィル王子が王様になったお話。 春人の夢の中での話で、ウィル王が兄王子達に護衛騎士に相変わらず振り回されます。 現在更新中の兄弟とはまた別の話になりますが、番外編だけでも読めるお話しになると思います

自己評価下の下のオレは、血筋がチートだった!?

トール
BL
一般家庭に生まれ、ごく普通の人生を歩んで16年。凡庸な容姿に特出した才もない平凡な少年ディークは、その容姿に負けない平凡な毎日を送っている。と思っていたのに、周りから見れば全然平凡じゃなかった!? 実はこの世界の創造主(神王)を母に持ち、騎士団の師団長(鬼神)を父に持つ尊い血筋!? 両親の素性を知らされていない世間知らずな少年が巻き起こすドタバタBLコメディー。 ※「異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ」の主人公の息子の話になります。 こちらを読んでいなくても楽しめるように作っておりますが、親の話に興味がある方はぜひズボラライフも読んでいただければ、より楽しめる作品です。

俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜

明太子
BL
伯爵令息のエスメラルダは幼い頃から恋心を抱いていたレオンスタリア王国の国王であるキースと結婚し、王妃となった。 しかし、当のキースからは冷遇され、1人寂しく別居生活を送っている。 それでもキースへの想いを捨てきれないエスメラルダ。 だが、その思いも虚しく、エスメラルダはキースが別の令嬢を新しい妃を迎えようとしている場面に遭遇してしまう。 流石に心が折れてしまったエスメラルダは離婚を決意するが…? エスメラルダの一途な初恋はキースに届くのか? そして、キースの本当の気持ちは? 分かりづらい伏線とそこそこのどんでん返しありな喜怒哀楽激しめ王妃のシリアス?コメディ?こじらせ初恋BLです! ※R指定は保険です。

異世界転生して病んじゃったコの話

るて
BL
突然ですが、僕、異世界転生しちゃったみたいです。 これからどうしよう… あれ、僕嫌われてる…? あ、れ…? もう、わかんないや。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 異世界転生して、病んじゃったコの話 嫌われ→総愛され 性癖バンバン入れるので、ごちゃごちゃするかも…

やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜

ゆきぶた
BL
異世界転生したからハーレムだ!と、思ったら男のハーレムが出来上がるBLです。主人公総受ですがエロなしのギャグ寄りです。 短編用に登場人物紹介を追加します。 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ あらすじ 前世を思い出した第5王子のイルレイン(通称イル)はある日、謎の呪いで倒れてしまう。 20歳までに死ぬと言われたイルは禁呪に手を出し、呪いを解く素材を集めるため、セイと名乗り冒険者になる。 そして気がつけば、最強の冒険者の一人になっていた。 普段は病弱ながらも執事(スライム)に甘やかされ、冒険者として仲間達に甘やかされ、たまに兄達にも甘やかされる。 そして思ったハーレムとは違うハーレムを作りつつも、最強冒険者なのにいつも抱っこされてしまうイルは、自分の呪いを解くことが出来るのか?? ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ お相手は人外(人型スライム)、冒険者(鍛冶屋)、錬金術師、兄王子達など。なにより皆、過保護です。 前半はギャグ多め、後半は恋愛思考が始まりラストはシリアスになります。 文章能力が低いので読みにくかったらすみません。 ※一瞬でもhotランキング10位まで行けたのは皆様のおかげでございます。お気に入り1000嬉しいです。ありがとうございました! 本編は完結しましたが、暫く不定期ですがオマケを更新します!

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

処理中です...