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ウィル王子の席決めに揉める王子達

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「王様そろそろ御時間に成ります」
王様付きの近衛騎士の一人が食卓で王様に声を掛け朝食の時間の終わりを告げた。
「おおっ、もうそんな時間に成るのか今日は朝の食卓が終わるのが早かったな」
「ウィルが一緒に居たからな~っ、父上、またウィルを食事に誘っても良いか?」
「そうだな一緒に食事をしたいが、まだウィル王子は同じ食事がとれないからな食後のデザートなら一緒にウィル王子を誘う事が出来るが……そなた達はどう思うのだ?」
王様はウィル王子をまた食事の部屋へ誘って良いのかを王妃様達に尋ね誰も首を横に振る者は居なかった。
「わたくしはウィル王子と御一緒でも宜しいですわシェル王子も大変喜びワインで酔うほど喜んでおりましたから」
「ふふっ、わたくしもウィル王子との食事は楽しみですわカイも喜んで居ますから」
「わたくしは最初からウィルちゃんと一緒に御食事は賛成していましたわ、ねぇ~っジルちゃん!」
ピクッとジル王子の眉毛が動きムスッとした顔付きは相変わらずだった。
「……食卓へはウィルの体調を考え決めた方が宜しいかと思いますが、それにウィルの座る席も考えて下さい…カイザックの隣だとウィルもゆっくりと食事が取れないと思います」
「なっ!?ジル兄それは無いだろう俺の隣はウィルと決まって居るんだ」
「お前の隣の席はフィンの席だろう、フィンが戻ればウィルの隣の席はフィンになる」
「今はフィンは居ないぞ、だからウィルの席は俺の隣だ」
「……」
ジル王子とカイザック王子はウィル王子の席決めで言い争いに成りエリーゼ妃は一人笑みを浮かべていた。
(ジルちゃんもウィルちゃんが自分の隣の席にとは言えないものね…素直じゃないからねジルちゃんは)
「ウィル王子の席で何を揉めているのだ?二人の王子達は…ウィル王子の席は私が決めようそれならば文句は無いだろう?」
ジル王子とカイザック王子は次にウィル王子が食卓へ来た時は王様が席を決めると言われ二人の王子は頷いた。
二人の王子の様子を見ていたロラ嬢とヤスミン嬢は小声で会話をしていた。
「ウィル王子は兄王子の二人に大変可愛がられて少し妬けましたわ」
「…それはどういう意味なのですヤスミン様」
「わたくし達は王様の妻ですが、たまにわたくし達とお歳が変わらない王子様達と会話を楽しみたいと思いません?ロラ様」
(……ヤスミン様もわたくしが思っていました事をお考えなのね)
「そうですわね……王子様方との会話をしてみたいですわ」
ロラ嬢はただ一人の王子をじっと見つめ(ヤスミン様より先に親しく成らなくてはいけませんが……わたくしが見ています事に気付いて下されば良いのに)ロラ嬢はふぅ…と小さく息を吐きグラスの中に少し残ったワインを眺めていた。






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