344 / 484
ウィル王子を食卓へ⑤
しおりを挟む
「はあ~っ……」
メイド達が仕度をする一人の女性が朝からため息を吐いて居た。
「食事の部屋には行きたく無いわ」
「王妃様が御決めに成った事です。ロラ様」
側室の部屋で身仕度をしているのは側室のロラ嬢だった。
「どうして、王妃様達と食事をしなくてはいけないの?王様と二人で食事がしたいわ」
(王様だけでは無いわ、ジル様にシェル様カイ様も一緒に食事が出来れば何て幸せかしら御歳もわたくしと変わりませんし、夕食の時はシェル様とカイ様がおりましたお陰で食事を終える事が出来たわ……王様は王妃様達から言われ続け少しガッカリした所もありましたけど…最初は王様の妃に慣れて嬉しいと思ったわ。でも、あんな素敵な王子達が目の前に居ますのに他の女性の者に成るなんて考えただけでも嫌ですわ)
「ロラ様!」
ハッ!と考え事をしていたロラ嬢はメイドの声で我に返り身仕度が整ったとメイドが知らせていた。
「……はぁ、行きますわよ」
「はい、ロラ様」
ロラ嬢と二人のメイドが部屋を出るとふとイリス嬢の部屋を見ると王様付きの護衛騎士がイリス嬢の部屋の前に立っている為ロラ嬢は「王様がいらっしゃるのかしら……」と言うとイリス嬢の部屋へと足を向け、メイド達は「ロラ様?」と慌てて後ろを走っていた。
「御早う御座います騎士様、王様がイリス様の御部屋にいらっしゃいますの?」
王様の近衛騎士ニースが目の前にいるロラ嬢を見て声を掛けた。
「御早う御座いますロラ様、いえ、王様は此処にはおりません」
「え?でも貴方が居ますわ?!」
「わたくしは王様からイリス様の護衛騎士として任されたのです」
「えっ!?イリス様の護衛騎士……?」
「はい、イリス様を御守りするようにとわたくしがイリス様の護衛騎士に成ったので御座います」
「……そうですか、護衛お疲れ様です…」
「有り難う御座います」
ニース騎士と会話を終えたロラ嬢の耳にイリス嬢の声が聞こえていた。
「ニース様、此方の棚から取って頂きたい物が在りますわ」
「あっ、はい、待って居てくださいわたくしがお取りしますから」
「ふふっ、御願いします」
扉越しの会話が楽しく聞こえたロラ嬢はイリス嬢と護衛騎士が羨ましく思い始めていた。
「では、ロラ様失礼致します」
ニース騎士がロラ嬢に礼をした後、慌てたように部屋の中へ入って行った。
「イリス様に騎士の方が付いて居ましたのね」
「身籠られていますから騎士の方をつけたのかしら」
メイド達の話し声を聞き、イリス嬢のようにいつも側にいて守ってくれる騎士が欲しいなと憧れを持ち、思いながらロラ嬢は食事の部屋へと歩いていた。
食事の部屋では王妃のサーラと第三妃ジャンヌが部屋の中に入っていた。
「あら、まだどなたも来ていませんでしたわ」
「そうですわね、サーラ様わたくし達より先に側室のロラ様とヤスミン様が席に着いて御待ちしなくてはいけませんのに、若い方はのんびりですわね」
「ふふふ、ジャンヌ様わたくし達がまるで姑みたいですわよ」
「あら、嫌だわ」
ホホホ…と笑い声を上げる妃達にエリーゼ妃が部屋の中に入り自分の座る席へと歩いていた。
「ジルちゃんまだ来ていないのね、今日からお仕事だから忙しいのかしら……」
「ジル王子今日からお務めなの?身体の方はまだ無理をすると大変よ」
「ジルちゃん私が言っても聞いてくれないんですもの」
「シェルでも無理だと言っていたわジル王子が素直に聞いて下さいます相手が居ましたら良いのですが」
「そのような方は居るのかしら?」
「もう、二人ともまたジルちゃんをからかうなんて駄目じゃないの」
サーラ王妃とジャンヌ妃の笑い声がするなか側室のロラ嬢とヤスミン嬢が部屋の中に入って来た。途中でお互い出会ったようで自分達の席へと向かい王妃達に挨拶をしていた。
「御早う御座いますサーラ様ジャンヌ様エリーゼ様御待たせ致しました……」
「御早う御座います王妃様ジャンヌ様エリーゼ様遅くなりまして申し訳御座いません……」
二人の側室達は挨拶を終えると椅子に座り早く王子達に王様が来るのを待ちわびた。
メイド達が仕度をする一人の女性が朝からため息を吐いて居た。
「食事の部屋には行きたく無いわ」
「王妃様が御決めに成った事です。ロラ様」
側室の部屋で身仕度をしているのは側室のロラ嬢だった。
「どうして、王妃様達と食事をしなくてはいけないの?王様と二人で食事がしたいわ」
(王様だけでは無いわ、ジル様にシェル様カイ様も一緒に食事が出来れば何て幸せかしら御歳もわたくしと変わりませんし、夕食の時はシェル様とカイ様がおりましたお陰で食事を終える事が出来たわ……王様は王妃様達から言われ続け少しガッカリした所もありましたけど…最初は王様の妃に慣れて嬉しいと思ったわ。でも、あんな素敵な王子達が目の前に居ますのに他の女性の者に成るなんて考えただけでも嫌ですわ)
「ロラ様!」
ハッ!と考え事をしていたロラ嬢はメイドの声で我に返り身仕度が整ったとメイドが知らせていた。
「……はぁ、行きますわよ」
「はい、ロラ様」
ロラ嬢と二人のメイドが部屋を出るとふとイリス嬢の部屋を見ると王様付きの護衛騎士がイリス嬢の部屋の前に立っている為ロラ嬢は「王様がいらっしゃるのかしら……」と言うとイリス嬢の部屋へと足を向け、メイド達は「ロラ様?」と慌てて後ろを走っていた。
「御早う御座います騎士様、王様がイリス様の御部屋にいらっしゃいますの?」
王様の近衛騎士ニースが目の前にいるロラ嬢を見て声を掛けた。
「御早う御座いますロラ様、いえ、王様は此処にはおりません」
「え?でも貴方が居ますわ?!」
「わたくしは王様からイリス様の護衛騎士として任されたのです」
「えっ!?イリス様の護衛騎士……?」
「はい、イリス様を御守りするようにとわたくしがイリス様の護衛騎士に成ったので御座います」
「……そうですか、護衛お疲れ様です…」
「有り難う御座います」
ニース騎士と会話を終えたロラ嬢の耳にイリス嬢の声が聞こえていた。
「ニース様、此方の棚から取って頂きたい物が在りますわ」
「あっ、はい、待って居てくださいわたくしがお取りしますから」
「ふふっ、御願いします」
扉越しの会話が楽しく聞こえたロラ嬢はイリス嬢と護衛騎士が羨ましく思い始めていた。
「では、ロラ様失礼致します」
ニース騎士がロラ嬢に礼をした後、慌てたように部屋の中へ入って行った。
「イリス様に騎士の方が付いて居ましたのね」
「身籠られていますから騎士の方をつけたのかしら」
メイド達の話し声を聞き、イリス嬢のようにいつも側にいて守ってくれる騎士が欲しいなと憧れを持ち、思いながらロラ嬢は食事の部屋へと歩いていた。
食事の部屋では王妃のサーラと第三妃ジャンヌが部屋の中に入っていた。
「あら、まだどなたも来ていませんでしたわ」
「そうですわね、サーラ様わたくし達より先に側室のロラ様とヤスミン様が席に着いて御待ちしなくてはいけませんのに、若い方はのんびりですわね」
「ふふふ、ジャンヌ様わたくし達がまるで姑みたいですわよ」
「あら、嫌だわ」
ホホホ…と笑い声を上げる妃達にエリーゼ妃が部屋の中に入り自分の座る席へと歩いていた。
「ジルちゃんまだ来ていないのね、今日からお仕事だから忙しいのかしら……」
「ジル王子今日からお務めなの?身体の方はまだ無理をすると大変よ」
「ジルちゃん私が言っても聞いてくれないんですもの」
「シェルでも無理だと言っていたわジル王子が素直に聞いて下さいます相手が居ましたら良いのですが」
「そのような方は居るのかしら?」
「もう、二人ともまたジルちゃんをからかうなんて駄目じゃないの」
サーラ王妃とジャンヌ妃の笑い声がするなか側室のロラ嬢とヤスミン嬢が部屋の中に入って来た。途中でお互い出会ったようで自分達の席へと向かい王妃達に挨拶をしていた。
「御早う御座いますサーラ様ジャンヌ様エリーゼ様御待たせ致しました……」
「御早う御座います王妃様ジャンヌ様エリーゼ様遅くなりまして申し訳御座いません……」
二人の側室達は挨拶を終えると椅子に座り早く王子達に王様が来るのを待ちわびた。
0
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説
【第1部完結】悪役令息ですが、家族のため精一杯生きているので邪魔しないでください~僕の執事は僕にだけイケすぎたオジイです~
ちくわぱん
BL
【11/28第1部完結・12/8幕間完結】(第2部開始は年明け後の予定です)ハルトライアは前世を思い出した。自分が物語の当て馬兼悪役で、王子と婚約するがのちに魔王になって結局王子と物語の主役に殺される未来を。死にたくないから婚約を回避しようと王子から逃げようとするが、なぜか好かれてしまう。とにかく悪役にならぬように魔法も武術も頑張って、自分のそばにいてくれる執事とメイドを守るんだ!と奮闘する日々。そんな毎日の中、困難は色々振ってくる。やはり当て馬として死ぬしかないのかと苦しみながらも少しずつ味方を増やし成長していくハルトライア。そして執事のカシルもまた、ハルトライアを守ろうと陰ながら行動する。そんな二人の努力と愛の記録。両片思い。じれじれ展開ですが、ハピエン。
BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている
青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子
ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ
そんな主人公が、BLゲームの世界で
モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを
楽しみにしていた。
だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない……
そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし
BL要素は、軽めです。
兄たちが弟を可愛がりすぎです~番外編春人が夢で見た二十年後の王子と護衛騎士~
クロユキ
BL
ベルスタ王国第五王子ウィル・テラ・セルディ・ベルスタ二十年前に亡くなるが、異世界から坂田春人高校二年がウィル王子の身体の中に入りそのままベルスタ王国の王子として生活をする事になる。城内では兄王子に護衛騎士など毎日春人に付きまとう日々…そして今のベルスタ王国の王が代わり、春人ことウィル王子が王様になったお話。
春人の夢の中での話で、ウィル王が兄王子達に護衛騎士に相変わらず振り回されます。
現在更新中の兄弟とはまた別の話になりますが、番外編だけでも読めるお話しになると思います
自己評価下の下のオレは、血筋がチートだった!?
トール
BL
一般家庭に生まれ、ごく普通の人生を歩んで16年。凡庸な容姿に特出した才もない平凡な少年ディークは、その容姿に負けない平凡な毎日を送っている。と思っていたのに、周りから見れば全然平凡じゃなかった!?
実はこの世界の創造主(神王)を母に持ち、騎士団の師団長(鬼神)を父に持つ尊い血筋!? 両親の素性を知らされていない世間知らずな少年が巻き起こすドタバタBLコメディー。
※「異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ」の主人公の息子の話になります。
こちらを読んでいなくても楽しめるように作っておりますが、親の話に興味がある方はぜひズボラライフも読んでいただければ、より楽しめる作品です。
俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜
明太子
BL
伯爵令息のエスメラルダは幼い頃から恋心を抱いていたレオンスタリア王国の国王であるキースと結婚し、王妃となった。
しかし、当のキースからは冷遇され、1人寂しく別居生活を送っている。
それでもキースへの想いを捨てきれないエスメラルダ。
だが、その思いも虚しく、エスメラルダはキースが別の令嬢を新しい妃を迎えようとしている場面に遭遇してしまう。
流石に心が折れてしまったエスメラルダは離婚を決意するが…?
エスメラルダの一途な初恋はキースに届くのか?
そして、キースの本当の気持ちは?
分かりづらい伏線とそこそこのどんでん返しありな喜怒哀楽激しめ王妃のシリアス?コメディ?こじらせ初恋BLです!
※R指定は保険です。
異世界転生して病んじゃったコの話
るて
BL
突然ですが、僕、異世界転生しちゃったみたいです。
これからどうしよう…
あれ、僕嫌われてる…?
あ、れ…?
もう、わかんないや。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
異世界転生して、病んじゃったコの話
嫌われ→総愛され
性癖バンバン入れるので、ごちゃごちゃするかも…
巻き込まれ異世界転移者(俺)は、村人Aなので探さないで下さい。
はちのす
BL
異世界転移に巻き込まれた憐れな俺。
騎士団や勇者に見つからないよう、村人Aとしてスローライフを謳歌してやるんだからな!!
***********
異世界からの転移者を血眼になって探す人達と、ヒラリヒラリと躱す村人A(俺)の日常。
イケメン(複数)×平凡?
全年齢対象、すごく健全
やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜
ゆきぶた
BL
異世界転生したからハーレムだ!と、思ったら男のハーレムが出来上がるBLです。主人公総受ですがエロなしのギャグ寄りです。
短編用に登場人物紹介を追加します。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
あらすじ
前世を思い出した第5王子のイルレイン(通称イル)はある日、謎の呪いで倒れてしまう。
20歳までに死ぬと言われたイルは禁呪に手を出し、呪いを解く素材を集めるため、セイと名乗り冒険者になる。
そして気がつけば、最強の冒険者の一人になっていた。
普段は病弱ながらも執事(スライム)に甘やかされ、冒険者として仲間達に甘やかされ、たまに兄達にも甘やかされる。
そして思ったハーレムとは違うハーレムを作りつつも、最強冒険者なのにいつも抱っこされてしまうイルは、自分の呪いを解くことが出来るのか??
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
お相手は人外(人型スライム)、冒険者(鍛冶屋)、錬金術師、兄王子達など。なにより皆、過保護です。
前半はギャグ多め、後半は恋愛思考が始まりラストはシリアスになります。
文章能力が低いので読みにくかったらすみません。
※一瞬でもhotランキング10位まで行けたのは皆様のおかげでございます。お気に入り1000嬉しいです。ありがとうございました!
本編は完結しましたが、暫く不定期ですがオマケを更新します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる