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私はウィル王子の世話係

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「それにしても何を話して居るんだ?あのコリン嬢も凄いな…さっき俺達と会ったばかりだぞ」
「ふふっ、そうですわね彼女の長所でもあり短所でもありますから……」
メイドのマリアはカイザック王子と話し終えシェル王子とメイドのコリンの側へと歩き出していた。
「そうですか、ウィルの指示で動いていたのですね」
「はい、マリアには仕事の御話しを聞いていたのですが忘れてしまいまして……あ、申し訳在りません、私……」
「王子の御世話は初めての事で忘れる事もあると思います、次から気を付けて下さい」
「はい、分かりました。シェル様」
「ですからシェル様はメイドに優しいのです」
シェル王子とメイドのコリンの側にマリアが立ち会話に加わっていた。
「マリア、一緒に来ていたの?」
「……シェル様の側に居ましたわよ」
「あはは……こほん!……ふふふ、分かりませんでしたわ」
「……」
メイドのコリンは「ふふふ」と手を口元に当てとても幸せな顔をメイドのマリアに向けていた。
「……コリン、メイド長から事伝よ私と入れ替わりで自分の持ち場に戻りなさいとメイド長から言われているわ」
「えっ!」
メイドのコリンが笑顔から真顔になる様子をメイドのマリアは見ると、食器を乗せた台の取っ手に手を差し出しメイドのマリアは
「コリン、交替よ」とメイドのコリンの顔を見て言った。
(……そうだった、私はマリアが来るまでの替わりでウィル王子の御世話を任されただけで、私がずっとウィル王子のメイド付きでも無かった……この数時間楽しくて忘れていた。
最近のマリアはウィル王子の御世話が楽しいと言って、私は病弱で寝たきりの王子様に何が楽しいのだろうとその時マリアの事を変な子と思っていた。先輩方の噂ではウィル王子の世話は大変で良く熱など出される日が多く、医師様を連れてくる日々が続く日もあり、体調を崩して世話係を辞める先輩も、疲れるからと辞める先輩達もいたと聞いた事があった。でもマリアは違っていた……ウィル王子の世話係に成って大変な事も苦労した事もあったのに、前にマリアに尋ねた時はウィル様のメイド付きだから苦労する事もあるけど、ウィル様の体調が良い日には書物を読まれる姿がとても好きだと言っていた。)
メイドのコリンはマリアに声を掛けていた。
「私も一緒に厨房へ行っても良いマリア、まだ私はウィル王子の世話係なのよ」
メイドのコリンの言葉にマリアは黙って見た後、スッと隣に来るようにとメイドのコリンに一緒に厨房に行く事を誘っていた。
「シェル様、コリンと一緒に厨房へ行きますわ~」
「分かりました、私達は先にウィルの部屋へ行きます。コリンさんも部屋でまた会いましょう」
「はい、シェル様」
「行きましょうコリン」
「ええ……」
ガラガラガラ…と音をたてメイドのマリアとコリンは二人で厨房へと向かった。












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