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母と息子

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王様は近衛騎士ニースを連れエリーゼ妃の部屋を出、廊下を歩くとジャンヌ妃の部屋に近付き護衛騎士二人が王様がエリーゼ妃の部屋の方から歩く姿を見て先ほど近衛騎士が言っていた事は本当だったのだと二人の騎士は驚いたまま王様に礼をしていた。
「護衛御苦労……ジャンヌ妃は休んだのか?」
「……王様と御話しをなさいました後からはお姿は伺ってはおりません……就寝なさいましたと思います」
「……そうか…ジャンヌ妃には酷い事をしてしまった……カイザック王子は部屋に戻ったのか?」
護衛騎士二人は顔を見合わせ王様に話しをして良いのか戸惑っていた。
「ん?どうしたのだ?」
「あ……いえ、王様カイザック様はまだ御部屋の中にいらっしゃいます」
「……」
王様はカイザック王子がまだジャンヌ妃の部屋に居ると聞き驚いた顔をしていたが、落ち着き護衛騎士達に話し掛けた。
「……冷静に考えてみればカイザック王子は私が思っていたような事をする王子では無いと今頃に成り気が付いた。
身体が大きい割に恥ずかしがり屋だという事を忘れていた。カイザック王子にも嫌な思いをしただろう…今夜は母と息子で一緒に過ごすと良いだろう」
王様はジャンヌ妃の護衛騎士二人に話し終え通り過ぎて行った。
王様が通り過ぎた時一人の護衛騎士がチラッともう一人の護衛騎士を見て声に出さずに心の中で声を出していた。
(確かに王様が言われるようにカイザック王子は、王様や我々が思っているような王子では無いが、王様がジャンヌ様の元へ通われて居ないこの半年の一~二ヵ月の間、ジャンヌ様がカイザック王子を部屋に良く呼ぶように成った。カイザック王子の話しだとウィル王子のマッサージの練習相手をジャンヌ様が受けている事は本当だろう。カイザック王子がジャンヌ様の部屋に入られた時は部屋の中は静かなもので、騎士の中で騒がしいカイザック王子だが母親のジャンヌ様と一緒に過ごされる夜は怖い程静かだ。
……ジャンヌ様とカイザック王子が夜一緒に居るのは今夜が初めてでは無い…王様にはこの話しはして居ない、ジャンヌ様から王様には話さなくて良いと言われ話しはしていない)
はぁ……と護衛騎士は息を吐きため息を吐いた護衛騎士に気付いたもう一人の騎士が声を掛けていた。
「どうしたんだ?ため息を吐いて」
「…いや、何でも無い……部屋の中が静かだと思い御二人とも休まれたのかと思っていた」
「……そうだよな、カイザック王子が部屋に来る日はいつも静かだよな……」
「……聞いても良いか?ジャンヌ様をお慕いしているお前には嫌な話しだと思うが、もし、もしも王様が言ったようにジャンヌ様とカイザック王子がその……」
護衛騎士は話しの途中で言葉につまらせていた。
「……お前が言いたい事は分かっている、だがそれは無いと思う王様が良くジャンヌ様の部屋に通われていた日は、護衛をしていた俺達にも聞こえていた……ジャンヌ様の声が……俺からすれば王様と一緒に過ごされる日が一番嫌な時だな」
フッと護衛騎士に苦笑いを見せた騎士は、話しを止め「そうだよな」ともう一人の護衛騎士が話し終え二人共静かな部屋の護衛を続けた。
二人の護衛騎士が気になる部屋の中では大きな広いベッドがあり親子で大きな広いベッドの上で身体を寄せ合い眠っていた。
カイザック王子は上半身裸のままでその胸に顔を埋めるかのようにジャンヌ妃が隣で眠っていた。
親子とは思えない程二人は身体を寄せ合い眠り、女性の下着姿で恥ずかしさを見せていた王子とは思えない程、母親と一緒にいるカイザック王子は別人のようだった。
ふと眠りから目が覚めたカイザック王子は母親の柔らかい良い匂いのする髪の毛が胸の回りを擽り、膝枕のように置いていた腕を動かし母親の髪の毛を触っていた。
「……素直じゃないからな…」
ボソッとカイザック王子は呟くと、ゆっくりと母親のジャンヌ妃から離れベッドから降り、三人用の椅子に腰を降ろし髪の毛をかき上げ顔を下に向き息を吐いていた。
「……こんな所ウィルには見せられ無いな…」
一番に思い出したのはウィル王子の姿だった。
王子の中で(フィン王子を除き)ウィル王子に普通の兄弟として接して居るのはカイザック王子だけであった。
「……カイ…」
ギシッ…とベッドが軋み動く音がすると同時に、ジャンヌ妃がベッドの上から身体を起こし椅子に座るカイザック王子に声を掛けていた。
「母上目が覚めたのか?朝にはまだ早い寝た方が良いぞ」
「カイも眠りなさい、騎士達に剣稽古を教えるのでしょう?」
「ああっ、俺は大丈夫だシェル兄がウィルの護衛を二人決めるその間だ……騎士を決めなくても俺がウィルの護衛に成っても良いんだがな…」
「フフフ、カイはウィル王子が好きなのね」
ベッドの上に座る腰を上げ、ベッドから降りたジャンヌ妃は寝服姿でも男を引き寄せる容姿を見せ、椅子に座るカイザック王子の隣に腰を降ろした。
「ああっ、母上が言ったように俺はウィルの事が好きだ。異性として見ている……だから母上とこんな事をしている姿は見せたく無い」
カイザック王子は母親であるジャンヌ妃にウィル王子の想いは以前から話しをしていた為、母親のジャンヌ妃には色々と話しをするカイザック王子はウィル王子の事も話しをしていた。














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