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王様と妃達④
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「……王様ジャンヌ様の御部屋の前におりましても…今はカイザック王子が御側にいらっしゃいますので日を改めまして謝罪をなさいました方が宜しいかと……」
「……そうだな…」
王様はジャンヌ妃の部屋を見たあと廊下を歩き出しその様子を見ていたジャンヌ妃の護衛騎士達は話し出していた。
「さっきの王様にも驚いたがジャンヌ様がまさか王様に手を出されるとは思いもしなかったな……ジャンヌ様がお怒りに成るのも分かる」
「王様も半年御見えに成って居ないんだろう?それを今頃ジャンヌ様の元へ来られて勘違いをしてお怒りになるのはおかしいだろう?……今のジャンヌ様に男が居てもおかしくないだろう?」
「おい、王様に聞こえるぞ!?思って居ても声に出すなよ……お前が言いたい事は分かるが、ジャンヌ様が相手をお探しなら俺がジャンヌ様の相手に成っても良いと思っている」
「お、おい!?お前こそ王様に聞こえてしまうとただでは済まない言い方だぞ、……それにジャンヌ様の相手をと……お前本気で言って居るのか?」
「ああっ、本気だ!俺はジャンヌ様の護衛に成る前からお慕いしていた。ジャンヌ様の護衛騎士と成りこのお方を御守り出来る事が俺の喜びだった……だが、この半年以上王様はジャンヌ様の部屋に向かわれる事も無くジャンヌ様も王様の部屋へ向かわれる事が無かった。」
「……確かに王様とジャンヌ様は夜を共にしていない……普通の夫婦だと直ぐに別れる所だよな、王族に嫁がれたジャンヌ様には辛いと思うな……」
「その辛さを少しでも和らげたらと……気が強いと思われているジャンヌ様は表はそうだが内ではとても脆いお方何だ……何も出来ない俺はジャンヌ様を影で御守りする事だけだ……」
「……」
初めて聞く同僚の護衛騎士のジャンヌ妃に対する想いに応援をしてあげたいがどうする事も出来ず「護衛をして御守りしょう」と一言声を掛けただけだった。
ジャンヌ妃の部屋を出た王様は行く宛てを見失ったかのようにフラフラとした歩き方で進みその後ろ姿を見ていた近衛騎士は「このまま部屋に戻った方が良いのだが……」と思い王様に声を掛けようとした。
「……部屋に戻るか……」
まさか王様から部屋に戻ると言うとは思いもしなかった近衛騎士はつい声に出してしまった。
「……すぐ目の前の御部屋はエリーゼ様ですが……」
「……」
王様は無意識にエリーゼ妃の部屋まで歩いたようで、エリーゼ妃の部屋の前には護衛騎士が二人立ち王様の姿に気付き慌てたようにエリーゼ妃の部屋の中に一人の護衛騎士が入るのを見た王様はもうため息しか出ず肩を落としていた。
エリーゼ妃とは一年近く通う事は無かった。
食事の部屋で会うが、エリーゼ妃は何も言う事無く普通に話し掛けてくる為王様は部屋に通う事無く、またエリーゼ妃も王様の部屋まで来た時もあったが王様がいつも部屋に居ない為エリーゼ妃も王様の部屋へ通わなくなり、いつの間にか王様が部屋に来ない事が当たり前のようになってしまった。
王様は思い出したように、今夜はエリーゼ妃の部屋に向かうかと思っている時に限り、大臣達からの大量の仕事を渡されたり、ジル王子からのフィン王子の小言を言われたり、次から次へと色々と邪魔が入る日が続き、エリーゼ妃の部屋まで途中歩くとロラ嬢と会いエリーゼ妃の元へ行くのも忘れてしまう事もあった。
「……今更エリーゼの元へ行った所でジルから言われそうだな…ジル王子の体調の事も一つは私とエリーゼが原因だろう…」
「王様如何致しますか?」
エリーゼ妃の部屋の近くで足を止め立っている王様に近衛騎士が訪ねていた時、扉が開く姿が見えヒョイッと開いた扉からエリーゼ妃が顔を覗かせ、王様はここまで来るのに色々在りすぎて身体が勝手にビクッと跳ねてしまうように成っていた。
「王様?どうしたのですか、そんな離れて…部屋の中に入らないのですか?」
「……は?」
王様はエリーゼ妃の思いもしない言葉に驚き思わず身体が固まり近衛騎士も顔が笑顔になり王様に「良かったですね」と声を掛けていた。
王様は止めていた足を進めエリーゼ妃の扉の前に立っていた。
「……エリーゼ、私が部屋の中に入っても良いのか?」
「変な王様ですわね、どうぞ王様!わたくしとメイド達だけなので、たまには誰かを誘いたいと思って居ましたの、護衛騎士の二人はジルに恐がり相手をしてくれなくて……」
「メイド達?騎士達に相手……?」
王様はエリーゼ妃から腕を引かれ部屋の中に入った……
「えっ?えっ?王様!?」
「キャーッ王様よ!」
黄色い声が部屋中に響き、エリーゼ妃付きのメイド達五人が部屋の中にまだ居ることにも驚き、そして部屋の中を見て驚いた。
三つある丸いテーブルにワインビンが幾つもあり、紅茶用のカップにポット、幾つものお皿の上には小さな四角い種類のケーキが何十個とあり、そのわき役としてクッキーに塩味のお菓子等が幾つもお皿の上に乗っていた為、甘い物が苦手な人には部屋に居ることが無理であろうといった光景が広がっていた。
「……」
王様は部屋の中がパーティー状態と成っていた為「誰かの御祝いか?」見たいな顔で、メイド達が普段は見せない顔でキャー、キャー、と騒ぎ良く見るとメイド達はメイド服を脱ぎ自分達用の寝服姿で長椅子に座り楽しむ姿を目にした。
「はい、はい、貴方も入って!」
「えっ?えっ?わたくしもですか?」
近衛騎士がエリーゼ妃から無理矢理部屋の中に入り、更にメイド達がキャー、キャーッ、と騒ぐため部屋の中は大騒ぎとなった。
「……そうだな…」
王様はジャンヌ妃の部屋を見たあと廊下を歩き出しその様子を見ていたジャンヌ妃の護衛騎士達は話し出していた。
「さっきの王様にも驚いたがジャンヌ様がまさか王様に手を出されるとは思いもしなかったな……ジャンヌ様がお怒りに成るのも分かる」
「王様も半年御見えに成って居ないんだろう?それを今頃ジャンヌ様の元へ来られて勘違いをしてお怒りになるのはおかしいだろう?……今のジャンヌ様に男が居てもおかしくないだろう?」
「おい、王様に聞こえるぞ!?思って居ても声に出すなよ……お前が言いたい事は分かるが、ジャンヌ様が相手をお探しなら俺がジャンヌ様の相手に成っても良いと思っている」
「お、おい!?お前こそ王様に聞こえてしまうとただでは済まない言い方だぞ、……それにジャンヌ様の相手をと……お前本気で言って居るのか?」
「ああっ、本気だ!俺はジャンヌ様の護衛に成る前からお慕いしていた。ジャンヌ様の護衛騎士と成りこのお方を御守り出来る事が俺の喜びだった……だが、この半年以上王様はジャンヌ様の部屋に向かわれる事も無くジャンヌ様も王様の部屋へ向かわれる事が無かった。」
「……確かに王様とジャンヌ様は夜を共にしていない……普通の夫婦だと直ぐに別れる所だよな、王族に嫁がれたジャンヌ様には辛いと思うな……」
「その辛さを少しでも和らげたらと……気が強いと思われているジャンヌ様は表はそうだが内ではとても脆いお方何だ……何も出来ない俺はジャンヌ様を影で御守りする事だけだ……」
「……」
初めて聞く同僚の護衛騎士のジャンヌ妃に対する想いに応援をしてあげたいがどうする事も出来ず「護衛をして御守りしょう」と一言声を掛けただけだった。
ジャンヌ妃の部屋を出た王様は行く宛てを見失ったかのようにフラフラとした歩き方で進みその後ろ姿を見ていた近衛騎士は「このまま部屋に戻った方が良いのだが……」と思い王様に声を掛けようとした。
「……部屋に戻るか……」
まさか王様から部屋に戻ると言うとは思いもしなかった近衛騎士はつい声に出してしまった。
「……すぐ目の前の御部屋はエリーゼ様ですが……」
「……」
王様は無意識にエリーゼ妃の部屋まで歩いたようで、エリーゼ妃の部屋の前には護衛騎士が二人立ち王様の姿に気付き慌てたようにエリーゼ妃の部屋の中に一人の護衛騎士が入るのを見た王様はもうため息しか出ず肩を落としていた。
エリーゼ妃とは一年近く通う事は無かった。
食事の部屋で会うが、エリーゼ妃は何も言う事無く普通に話し掛けてくる為王様は部屋に通う事無く、またエリーゼ妃も王様の部屋まで来た時もあったが王様がいつも部屋に居ない為エリーゼ妃も王様の部屋へ通わなくなり、いつの間にか王様が部屋に来ない事が当たり前のようになってしまった。
王様は思い出したように、今夜はエリーゼ妃の部屋に向かうかと思っている時に限り、大臣達からの大量の仕事を渡されたり、ジル王子からのフィン王子の小言を言われたり、次から次へと色々と邪魔が入る日が続き、エリーゼ妃の部屋まで途中歩くとロラ嬢と会いエリーゼ妃の元へ行くのも忘れてしまう事もあった。
「……今更エリーゼの元へ行った所でジルから言われそうだな…ジル王子の体調の事も一つは私とエリーゼが原因だろう…」
「王様如何致しますか?」
エリーゼ妃の部屋の近くで足を止め立っている王様に近衛騎士が訪ねていた時、扉が開く姿が見えヒョイッと開いた扉からエリーゼ妃が顔を覗かせ、王様はここまで来るのに色々在りすぎて身体が勝手にビクッと跳ねてしまうように成っていた。
「王様?どうしたのですか、そんな離れて…部屋の中に入らないのですか?」
「……は?」
王様はエリーゼ妃の思いもしない言葉に驚き思わず身体が固まり近衛騎士も顔が笑顔になり王様に「良かったですね」と声を掛けていた。
王様は止めていた足を進めエリーゼ妃の扉の前に立っていた。
「……エリーゼ、私が部屋の中に入っても良いのか?」
「変な王様ですわね、どうぞ王様!わたくしとメイド達だけなので、たまには誰かを誘いたいと思って居ましたの、護衛騎士の二人はジルに恐がり相手をしてくれなくて……」
「メイド達?騎士達に相手……?」
王様はエリーゼ妃から腕を引かれ部屋の中に入った……
「えっ?えっ?王様!?」
「キャーッ王様よ!」
黄色い声が部屋中に響き、エリーゼ妃付きのメイド達五人が部屋の中にまだ居ることにも驚き、そして部屋の中を見て驚いた。
三つある丸いテーブルにワインビンが幾つもあり、紅茶用のカップにポット、幾つものお皿の上には小さな四角い種類のケーキが何十個とあり、そのわき役としてクッキーに塩味のお菓子等が幾つもお皿の上に乗っていた為、甘い物が苦手な人には部屋に居ることが無理であろうといった光景が広がっていた。
「……」
王様は部屋の中がパーティー状態と成っていた為「誰かの御祝いか?」見たいな顔で、メイド達が普段は見せない顔でキャー、キャー、と騒ぎ良く見るとメイド達はメイド服を脱ぎ自分達用の寝服姿で長椅子に座り楽しむ姿を目にした。
「はい、はい、貴方も入って!」
「えっ?えっ?わたくしもですか?」
近衛騎士がエリーゼ妃から無理矢理部屋の中に入り、更にメイド達がキャー、キャーッ、と騒ぐため部屋の中は大騒ぎとなった。
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