兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ

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王族の食卓

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長いテーブルの上には、生けた花に幾つも離れた所に置かれた沢山のパンに果物、そしてテーブルには幾つもの皿に食器類がある、椅子には決まった席に着く王妃に妃そして王子がいた。
王様は決まった席に着きシェル王子とカイザック王子がまだ来ていない事に気が付いた。
「シェル王子とカイザック王子はどうしたのだ?」
「まだ御見えには成っておりません……」
一人のメイドが王様のグラスにワインを注ぎ応え王様は「そうか」と応えそしてテーブルに座る妃達を見ていた。
王様の近くに座るシェル王子の母親サーラ王妃にその隣はジル王子の母親エリーゼ妃にそしてその隣にはカイザック王子の母親ジャンヌ妃、フィン王子の母親は城を出ている為以前座っていた席には側室の一人ロラ嬢とその隣側室のヤスミン嬢が座っていた。
妊婦の側室イリス嬢は自室で食事を取っている。
側室達は皆二十代半ばで貴族の娘達だ城で披露宴など行われた時に王様に見初められ側室として迎えられた。
王様の子を授かれば「妃」の名を与えられ地位も上がる
食卓へ座る側室のロラとヤスミンは何故か落ち着きが無く顔は下を向いていた。
「……何故側室の二人が座って居るのだ?」
本来は側室達は各部屋で食事を取るのだが今夜は何故か側室も一緒の食卓に居る為王様は問いかけていた。
「わたくしが御呼び致しましたの王様」
「王妃が?……」
「ええっ、ロラ様とヤスミン様もわたくし達と同じ立場にこれから先御成りになりますので、空いております席が勿体無いと思い御二人を御呼びしたのです。イリス様には無理は出来ませんので御子様が御生まれに成りました時に御誘い致しますわ」
「……」
「まぁ、そう言う事でしたのサーラ様わたくし何故側室である御二人が同じ食卓にお座りに成っている事に不思議に思っておりましたわ」
「ジャンヌ妃…」
「ふふっ、御二人とも王様が困っておりますわよ、ロラ様、ヤスミン様下を向いて居ましたら皆様のお顔が見えませんわよ。
あっ!ジルちゃんには惚れたら駄目ですよ、ふふっ」
「……母上…」
王様とジル王子は同じようにため息を吐きその時扉を叩く音が聞こえ騎士がジル王子に声を掛けていた。
「ジル様、護衛騎士がジル様にご報告が在りますとの事で待機しておりますが…」
「私の側に来るように伝えてくれ」
「はい、分かりました」
騎士はジル王子の護衛騎士を部屋に通しジル王子の食卓へ歩き報告を告げていた。
「ジル様只今戻りました」
「御苦労…で、ウィル王子は部屋に戻ったのか?」
「はい、今はカイザック様とご一緒で御座います」
「カイザックと?」
「はい、急遽ウィル様の護衛騎士を御選びに成るとの事でシェル様が護衛騎士を集めウィル様の護衛を御決めに成っております」
「……」
ジル王子は何故ウィル王子の護衛騎士が居るのにも関わらず新たに護衛を選ぶ事が分からずにいた。
「……ウィル王子には護衛騎士が付いていたはずだが…新たに選ぶ事なのか?」
「詳しくは分かりませんが、今夜の護衛をお選びするとの事まで判りましたことで後の事は…申し訳御座いません」
「謝る事は無いウィル王子が部屋にいる事が分かればそれで良い…御苦労だった」
「はっ、失礼致します」
ジル王子の護衛騎士は礼をした後扉の列で並んでいる護衛騎士の仲間と合流し腕を重ね「お疲れ」と声に出さずとも腕で挨拶を交わしていた。
ジル王子は護衛騎士からの話しを聞き何故ウィル王子の護衛をまた決めるのかと腕を組み考え事をしていた。
「ジル王子」
ハッ!と王様の声で我に返り腕を組んでいた手を放し自分に声を掛けた王様に顔を向けた。
「先ほど護衛の者がウィル王子の話しをしていたが、カイザック王子も一緒に居ると言っていたな…ウィル王子に何かあったのか?」
「……いえ、ただ今日はウィル王子に付き合って貰い部屋に着いた事を確認したまでで御座います。カイザック王子も一緒にいると伺ったものですから」
「そうか、カイザック王子も夕食だと言うのにウィル王子の部屋にいたのだな、シェル王子は一緒では無いのか?」
「……兄上は今騎士を集めウィル王子の護衛騎士を選んでいますとの事です」
「何?ウィル王子の護衛騎士選びとは……確かウィル王子には護衛騎士がいたはずだがまた新たに護衛を選ぶのか?」
「……わたくしも良く分かりません…兄上が戻られた時に御聞き下さい」
「……うむ、そうだな、それにしてもそなた達兄弟はウィル王子が好きなのだな兄弟仲が良くて羨ましいくらいだ」
「……」
ジル王子は王様の問いかけに黙ったままで、ジル王子の母親エリーゼはジル王子の顔を見てニコニコと笑顔を見せていたが、王妃とカイザック王子の母親ジャンヌ妃はいつものジル王子に違う事に気付いていた。
「……珍しいわねジル王子が王様が御話しをしました事に何も言われない何て…いつもでしたら否定致しますのに」
「そうですわね、いつものジル王子では在りませんわねウィル王子と何か有りましたかしら?」
「……っ」
二人の王妃とジャンヌ妃から問い詰めるかのようにいつもと雰囲気が違うジル王子に心の中を見られているような気がして、いつものジル王子だと王妃でもジャンヌ妃でも冷たい言葉を掛けていたが今のジル王子はそれが出来ずにいた。
「もう、二人とも私のジルちゃんを苛めないでくれる!?今日からジルちゃんは昔のジルちゃんに戻ったのよこれもウィルちゃんと王様のお蔭なのよ」
「「王様のお蔭?」」
ジロッと何故か二人の王妃とジャンヌ妃から睨まれている王様は「何故そんな目で私を見るのだ?」と王様は二人の妃達を見た後エリーゼ妃に問いかけていた。
「エリーゼ妃何故ジル王子の事が私とウィル王子のお蔭に成るのだ?」
「ウィルちゃんには嫌な事だったと思うけど、王様の趣味みたいな事のお蔭でジルちゃんとウィルちゃん護衛騎士の皆と私でとても楽しい一日だったのジルちゃんもウィルちゃんのお兄ちゃんとして世話をしている姿を見て涙が出たくらいよ。」
「ジル王子がウィル王子の御世話?エリーゼ……そういえば貴女突然居なく成ったわよねお茶に誘うと思って貴女の部屋にも伺ったけど誰も居なくて、そういえば城内が騒がしいと思ったけどそれとメイド達が騒いでいた事も関係あるのかしら…?」
「わたくしも思ったわエリーゼ、王様の趣味みたいな事って何の事かしら?」
「えっ、フィンちゃんのように綺麗なドレスをウィルちゃんが着る事かな私もまさか王様がウィルちゃんにドレスを着て女の子のような姿に成っているとは思わなかったの、王様が凄く機嫌が良くて私王様に問い詰めたらジルちゃんとウィルちゃんで庭園でお出掛けすると聞いて私も急いで庭園に行ったのよとっても楽しかったわ」
「ウィル王子にドレス?」
「女の子の姿で庭園ですって?」
「えっ、あっ、いやその……普通では楽しくないと思ってフィンの部屋にドレスがある事を思い出し、ジル王子に楽しんで貰おうと思って……なぁ、ジル楽しかっただろう!?」
「えっ!?あっ……その……」
突然王様がジル王子に尋ねた為ジル王子は顔が赤くなり思わず手を口元にやり戸惑う姿は、今まで笑う事も無く気難しく気遣う事も無いと言われていたジル王子とはまた別人のように見え、王様に王妃と妃は今のジル王子の姿を見て驚いた顔を見せ、エリーゼ妃はどんなジル王子でも好きだと思う気持ちは変わらず、今のジル王子は何処にでもいる青年の姿だと思い、ウィル王子がジル王子を変えたのだと亡きマリーネ妃にウィル王子を残してくれた事に感謝をしていた。
テーブルの離れで王様達の様子を見ていた側室の二人ロラ嬢とヤスミン嬢はジル王子との面識が無く初めて見るジル王子の容姿に話し方に意識始めているようで、歳も変わらない為会話が出来たらと思い二人はボソッと小声で話していた。
「私、初めてジル王子を見たわ」
「私もよ」
側室のロラ嬢とヤスミン嬢は座る席は離れては居るが、向かい側で座るジル王子の姿をただ眺めて見ているだけだが、今日この席で会えた事に感謝していた。









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