222 / 484
護衛から離れて
しおりを挟む
一人部屋の中に入ってきたニック騎士は、ウィル王子のベッドの側の、棚の上にある薄明かるいランプにウィル王子が眠るその場所だけ照らされていた。
ニック騎士は扉の前に立ち、そしてベッドの上でスヤスヤと眠るウィル王子の側に行きジッ…とウィル王子の寝顔を眺めていた。
「……寝るのが早すぎですよ…春人……今日は仕方無いかな、着なれない服を着て化粧に髪の毛を被され庭園まで足を運ぶ事に成ってしまったからな…あの時シェル王子が知らせに来なければそのまま知らずに居ただろう、シェル王子も必死だった事が伝わった俺に知らせてくれたシェル王子に感謝はしているが、殿下を自分のモノにする事には話しは別だ」
ニック騎士はウィル王子の寝顔に手で触り今護衛から外され側に居ることが出来ない苦痛に耐えていた。
「……ん…」
「!」
パッと、ウィル王子の顔に触れていた手を思わず離してしまったニック騎士は、いつもならそのまま触り続けていたはずだが…と、離した自分の手をギュッと握り締めていた時だった……
「……ニッ…ク……?!」
顔を横に向け、薄く目を開けたウィル王子がベッドの側で立っているニック騎士に気が付いた。
「……殿下…」
ニック騎士はまだ意識がはっきりとしていないウィル王子のベッドの上に座り身体が覆い被さるようにしてウィル王子の顔にキスを始めていた。
額に瞼に鼻に頬にニック騎士はウィル王子の顔に触れるようなキスをした後唇に軽く口付けをした。
「……ニッ……っ…」
声を出そうとしたウィル王子の唇に軽く触れるような口付けをした後今度はグッと押さえるような口付けをニック騎士は唇を重ねていた。
「んん……ん…はぁ……」
ウィル王子はニック騎士が唇を離した時に息が出来ると「はぁ……」と吐いていた。
「ふっ、目が覚めましたか殿下?!……まだ息つぎが下手ですね、鼻で息をしても良いんですよ」
チュッ!と唇に口付けをした後、手で顔を触りウィル王子に覆い被さる身体を起こしベッドの上に普通に座りニコッと微笑みウィル王子の顔を見ていた。
ウィル王子はニック騎士が口付けをした為顔が真っ赤に成り、完全に目が覚めてしまった。
「ニック、お前いつ部屋に来ていたんだよ?それにいつものように寝込みを襲ってくるのは相変わらずだな…馬鹿ニック!」
「ええっ!?馬鹿は言い過ぎですよ春人…こうやって仕事前に会いに来てあげたのにな」
「仕事前?……」
ウィル王子はいつもの騎士服で無い事に気付き今から別の仕事に行くのだとニックの顔を見続けていた。
「……騎士服が違うんだな…今からどんな仕事をするんだ?」
「……今から城下町へ行きます、街の見回りですが今夜は娼婦館が建ち並ぶ場所に見回りに行くそうです」
「娼婦?娼婦って……あの、女の人が身体を売る…所なのか!?」
俺はテレビの番組で、そんな場所があるとテレビを見て知り、まさかこの国でもそんな場所があるとは思いもしなかった。
「意外ですね春人も知っていたのですね、女でも男でも快楽を求める場所が在るのです。騎士も見回りの途中で誘われ一夜を共にした者もいるそうです」
「!?」
ギュッ!っと俺はニックがベッドの上に手を置いている腕を握り締めいつの間にか身体がカタカタと震えていた。
「…殿下……大丈夫ですよ春人、俺には春人が居ます…女の誘いにも男の誘いにも行きませんので、それに巡回の上司が一緒なのです。仕事から戻りましたら真っ直ぐ殿下の元へ来ます」
「……仕事が終わったら俺に隠さず何でも話してくれニック…」
「はい……俺は殿下のモノですから……」
クスッ、とニックが笑った後ベッドの上に座っていた腰をあげ立ち上がったニックはクルッと俺の方へ身体を向けると唇を重ねそして俺から離れた
「ニック……また突然……」
俺は口に手を当て顔から火が出てきそうでそんな俺の顔を見たニックはニヤッと笑みを浮かべていた。
「殿下、行って参ります」
「……うん、気を付けて……グリーンの騎士服似合っているよ」
「ハハッ、今頃褒めるのですか?」
ニコッと笑顔を見せたニックはウィルの部屋を出ていった。
ニックの騎士服を見て俺の護衛から一週間だけ離れるだけなのに、このまま今の仕事に付いたらと思うと胸が締め付ける思いだった。
ニック騎士は扉の前に立ち、そしてベッドの上でスヤスヤと眠るウィル王子の側に行きジッ…とウィル王子の寝顔を眺めていた。
「……寝るのが早すぎですよ…春人……今日は仕方無いかな、着なれない服を着て化粧に髪の毛を被され庭園まで足を運ぶ事に成ってしまったからな…あの時シェル王子が知らせに来なければそのまま知らずに居ただろう、シェル王子も必死だった事が伝わった俺に知らせてくれたシェル王子に感謝はしているが、殿下を自分のモノにする事には話しは別だ」
ニック騎士はウィル王子の寝顔に手で触り今護衛から外され側に居ることが出来ない苦痛に耐えていた。
「……ん…」
「!」
パッと、ウィル王子の顔に触れていた手を思わず離してしまったニック騎士は、いつもならそのまま触り続けていたはずだが…と、離した自分の手をギュッと握り締めていた時だった……
「……ニッ…ク……?!」
顔を横に向け、薄く目を開けたウィル王子がベッドの側で立っているニック騎士に気が付いた。
「……殿下…」
ニック騎士はまだ意識がはっきりとしていないウィル王子のベッドの上に座り身体が覆い被さるようにしてウィル王子の顔にキスを始めていた。
額に瞼に鼻に頬にニック騎士はウィル王子の顔に触れるようなキスをした後唇に軽く口付けをした。
「……ニッ……っ…」
声を出そうとしたウィル王子の唇に軽く触れるような口付けをした後今度はグッと押さえるような口付けをニック騎士は唇を重ねていた。
「んん……ん…はぁ……」
ウィル王子はニック騎士が唇を離した時に息が出来ると「はぁ……」と吐いていた。
「ふっ、目が覚めましたか殿下?!……まだ息つぎが下手ですね、鼻で息をしても良いんですよ」
チュッ!と唇に口付けをした後、手で顔を触りウィル王子に覆い被さる身体を起こしベッドの上に普通に座りニコッと微笑みウィル王子の顔を見ていた。
ウィル王子はニック騎士が口付けをした為顔が真っ赤に成り、完全に目が覚めてしまった。
「ニック、お前いつ部屋に来ていたんだよ?それにいつものように寝込みを襲ってくるのは相変わらずだな…馬鹿ニック!」
「ええっ!?馬鹿は言い過ぎですよ春人…こうやって仕事前に会いに来てあげたのにな」
「仕事前?……」
ウィル王子はいつもの騎士服で無い事に気付き今から別の仕事に行くのだとニックの顔を見続けていた。
「……騎士服が違うんだな…今からどんな仕事をするんだ?」
「……今から城下町へ行きます、街の見回りですが今夜は娼婦館が建ち並ぶ場所に見回りに行くそうです」
「娼婦?娼婦って……あの、女の人が身体を売る…所なのか!?」
俺はテレビの番組で、そんな場所があるとテレビを見て知り、まさかこの国でもそんな場所があるとは思いもしなかった。
「意外ですね春人も知っていたのですね、女でも男でも快楽を求める場所が在るのです。騎士も見回りの途中で誘われ一夜を共にした者もいるそうです」
「!?」
ギュッ!っと俺はニックがベッドの上に手を置いている腕を握り締めいつの間にか身体がカタカタと震えていた。
「…殿下……大丈夫ですよ春人、俺には春人が居ます…女の誘いにも男の誘いにも行きませんので、それに巡回の上司が一緒なのです。仕事から戻りましたら真っ直ぐ殿下の元へ来ます」
「……仕事が終わったら俺に隠さず何でも話してくれニック…」
「はい……俺は殿下のモノですから……」
クスッ、とニックが笑った後ベッドの上に座っていた腰をあげ立ち上がったニックはクルッと俺の方へ身体を向けると唇を重ねそして俺から離れた
「ニック……また突然……」
俺は口に手を当て顔から火が出てきそうでそんな俺の顔を見たニックはニヤッと笑みを浮かべていた。
「殿下、行って参ります」
「……うん、気を付けて……グリーンの騎士服似合っているよ」
「ハハッ、今頃褒めるのですか?」
ニコッと笑顔を見せたニックはウィルの部屋を出ていった。
ニックの騎士服を見て俺の護衛から一週間だけ離れるだけなのに、このまま今の仕事に付いたらと思うと胸が締め付ける思いだった。
1
お気に入りに追加
869
あなたにおすすめの小説
【第1部完結】悪役令息ですが、家族のため精一杯生きているので邪魔しないでください~僕の執事は僕にだけイケすぎたオジイです~
ちくわぱん
BL
【11/28第1部完結・12/8幕間完結】(第2部開始は年明け後の予定です)ハルトライアは前世を思い出した。自分が物語の当て馬兼悪役で、王子と婚約するがのちに魔王になって結局王子と物語の主役に殺される未来を。死にたくないから婚約を回避しようと王子から逃げようとするが、なぜか好かれてしまう。とにかく悪役にならぬように魔法も武術も頑張って、自分のそばにいてくれる執事とメイドを守るんだ!と奮闘する日々。そんな毎日の中、困難は色々振ってくる。やはり当て馬として死ぬしかないのかと苦しみながらも少しずつ味方を増やし成長していくハルトライア。そして執事のカシルもまた、ハルトライアを守ろうと陰ながら行動する。そんな二人の努力と愛の記録。両片思い。じれじれ展開ですが、ハピエン。
BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている
青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子
ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ
そんな主人公が、BLゲームの世界で
モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを
楽しみにしていた。
だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない……
そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし
BL要素は、軽めです。
兄たちが弟を可愛がりすぎです~番外編春人が夢で見た二十年後の王子と護衛騎士~
クロユキ
BL
ベルスタ王国第五王子ウィル・テラ・セルディ・ベルスタ二十年前に亡くなるが、異世界から坂田春人高校二年がウィル王子の身体の中に入りそのままベルスタ王国の王子として生活をする事になる。城内では兄王子に護衛騎士など毎日春人に付きまとう日々…そして今のベルスタ王国の王が代わり、春人ことウィル王子が王様になったお話。
春人の夢の中での話で、ウィル王が兄王子達に護衛騎士に相変わらず振り回されます。
現在更新中の兄弟とはまた別の話になりますが、番外編だけでも読めるお話しになると思います
自己評価下の下のオレは、血筋がチートだった!?
トール
BL
一般家庭に生まれ、ごく普通の人生を歩んで16年。凡庸な容姿に特出した才もない平凡な少年ディークは、その容姿に負けない平凡な毎日を送っている。と思っていたのに、周りから見れば全然平凡じゃなかった!?
実はこの世界の創造主(神王)を母に持ち、騎士団の師団長(鬼神)を父に持つ尊い血筋!? 両親の素性を知らされていない世間知らずな少年が巻き起こすドタバタBLコメディー。
※「異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ」の主人公の息子の話になります。
こちらを読んでいなくても楽しめるように作っておりますが、親の話に興味がある方はぜひズボラライフも読んでいただければ、より楽しめる作品です。
俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜
明太子
BL
伯爵令息のエスメラルダは幼い頃から恋心を抱いていたレオンスタリア王国の国王であるキースと結婚し、王妃となった。
しかし、当のキースからは冷遇され、1人寂しく別居生活を送っている。
それでもキースへの想いを捨てきれないエスメラルダ。
だが、その思いも虚しく、エスメラルダはキースが別の令嬢を新しい妃を迎えようとしている場面に遭遇してしまう。
流石に心が折れてしまったエスメラルダは離婚を決意するが…?
エスメラルダの一途な初恋はキースに届くのか?
そして、キースの本当の気持ちは?
分かりづらい伏線とそこそこのどんでん返しありな喜怒哀楽激しめ王妃のシリアス?コメディ?こじらせ初恋BLです!
※R指定は保険です。
異世界転生して病んじゃったコの話
るて
BL
突然ですが、僕、異世界転生しちゃったみたいです。
これからどうしよう…
あれ、僕嫌われてる…?
あ、れ…?
もう、わかんないや。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
異世界転生して、病んじゃったコの話
嫌われ→総愛され
性癖バンバン入れるので、ごちゃごちゃするかも…
やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜
ゆきぶた
BL
異世界転生したからハーレムだ!と、思ったら男のハーレムが出来上がるBLです。主人公総受ですがエロなしのギャグ寄りです。
短編用に登場人物紹介を追加します。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
あらすじ
前世を思い出した第5王子のイルレイン(通称イル)はある日、謎の呪いで倒れてしまう。
20歳までに死ぬと言われたイルは禁呪に手を出し、呪いを解く素材を集めるため、セイと名乗り冒険者になる。
そして気がつけば、最強の冒険者の一人になっていた。
普段は病弱ながらも執事(スライム)に甘やかされ、冒険者として仲間達に甘やかされ、たまに兄達にも甘やかされる。
そして思ったハーレムとは違うハーレムを作りつつも、最強冒険者なのにいつも抱っこされてしまうイルは、自分の呪いを解くことが出来るのか??
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
お相手は人外(人型スライム)、冒険者(鍛冶屋)、錬金術師、兄王子達など。なにより皆、過保護です。
前半はギャグ多め、後半は恋愛思考が始まりラストはシリアスになります。
文章能力が低いので読みにくかったらすみません。
※一瞬でもhotランキング10位まで行けたのは皆様のおかげでございます。お気に入り1000嬉しいです。ありがとうございました!
本編は完結しましたが、暫く不定期ですがオマケを更新します!
ヒロイン不在の異世界ハーレム
藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。
神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。
飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。
ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる