兄たちが弟を可愛がりすぎです

天国と地獄？

見習い騎士団の上司アーサー騎士と別れたシェル団長と明日からウィル王子の護衛に決まったトーマス騎士とレオン騎士がウィル王子の挨拶をする為部屋に向かっていた。
（ウィルが騎士達に食べ物を与えるとは思いませんでした…ウィルにはもっと食して欲しいものですが……今回ウィルが直接食べ物を騎士に与えた事でアーサー騎士の話しでは騎士達が感謝をしていると聞きました……どうして騎士達に食べ物を与えたのかを後でウィルに聞かなくては……またウィルに興味を持ち始める騎士が増えたらどうするのですか…ﾌﾞｯﾌﾞｯ…）
シェル団長は心の中で騎士達がウィル王子に異性を感じたらどうする…と、変な方へと考えウィル王子を弟と思わず恋愛対象で見ていたシェル団長にとっては騎士達がウィル王子にとっての好感度が高く成る事を恐れていた
「……これ以上敵を増やしたくは在りません…」
「シェル騎士団長、何か申されましたでしょうか？」
「いえ、何でも在りません」
シェル団長の後ろから歩いていたトーマス騎士がシェル団長の独り言を聞き訪ねていた。
ドクン…ドクン……と心臓の高鳴りが止まないレオン騎士は笑みが止まらなかった。
（ああっ、もうすぐウィル王子に会えるのですね！初めてウィル王子の護衛を任された日からあの天使のお姿を忘れた事は無かった…先ほど見習い騎士団の上司の方が騎士に御自分の食事を分けられ騎士にあげたと聞き、騎士達に嫉妬してしまいました。
ああっ、ウィル王子は天使だったのですね、はぁ……）
レオン騎士は歩きながら胸に手を当てウィル王子に会える喜びで胸がいっぱいだった。
隣で一緒に歩いていたトーマス騎士がレオン騎士を見て話し掛けていた。
「胸に手を当て具合でも悪いのか？レオン騎士」
「えっ？」
「どうしました？具合が悪いのですか？レオン騎士、ウィル王子の挨拶は明日にしますか？」
「えっ？あ、あの、わたくしは具合いは悪くは在りませんが…」
「そうですか、安心しました。体調が悪く成るようでしたら遠慮無く言って下さいレオン騎士」
「……あっ、はい、有り難う御座います…」
「歩けない時は私が抱え上げる、気にするなレオン騎士」
「……」
（……そうでした明日のウィル王子の護衛には彼が居る事を忘れていました…胸に手を当てている時の私の顔を見なかったのですか？トーマス騎士、微笑んでいる所を何故具合いが悪い事に成るのでしょうか？）
はぁ…と、心の中でため息を吐くレオン騎士は明日は天国と地獄が待っている気がして成らなかった。