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ザック兄の嬉しさの余り

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「私は闘技場へ向かいますので何かあれば知らせてください」
「ああ、分かったシェル兄」
シェル王子は俺のウィルの顔を見て微笑むと俺はシェル王子に手を振った。
「…いっものシェル兄だな……」
ザック兄がシェル王子が部屋を出た後ボソっと呟いていた。
そしてシェル王子が部屋を出た後くるっと俺の方をザック兄が振り向いて俺の女の子の姿をジーと見ていた。
しかも近距離間で…余り近くでザック兄が見てくるから俺は身体を少し後ろに動かし…「ザック兄様近いです」と言ってやったら
「ガハハハ、悪いウィル余りにも可愛い女の子が座って居るから
つい見てしまった」
「嬉しくない誉め言葉です」
「ウィルもう少しこの姿のままで居てくれないか?」
「ええっ、僕早く着替えたいのに…分かりました少しだけなら」
「おーっ、ありがとうウィル」
ザック兄が俺にお礼を言うといきなり抱き抱えられた。
「えーっ?ザック兄様突然……」
「ガハハハ、ウィル窓際に行ってみようシェル兄が歩いているかも知れないぞ」
ザック兄は外側の窓を開け周りを見渡していた。
ウィルの部屋は一階にあるため、騎士達が近くに歩いて居るように見える、立ち並ぶ木々の隙間からも見える。ザック兄は小さなベランダに出ると騎士達が歩いて居るのが分かった。
騎士達がぞろぞろと外を歩いていると、ザック兄が大声で騎士達に話し掛けていた。
「おーい!何をするのか分からんが頑張れよーっ」
突然のザック兄の大きな声で驚く騎士達と身体が跳ねる騎士もいて何事か?みたいな顔と俺の女の子の姿を抱っこしているのも騎士達は驚いていた。
俺はザック兄がまさか大きな声で叫ぶとは思ってもいなかった為顔が真っ赤になって、そしてある人物を見つけてしまった。
騎士達の中に紛れ込みそして俺とザック兄の側に寄って来た。
ベランダにいる俺とザック兄は騎士に気付き、ザック兄は手を振っていた。
「……カイ少し腰を低くして貰えますか?」
「どうしたシェル兄?」
ザック兄が俺が落ちないように腰を低くするとボカッ!と、シェル王子がザック兄の頭を叩いた。
「痛って!?何で叩くんだシェル兄」
「貴方はウィルと一緒に何をしているのですか?」
「何って騎士達に声掛けして…後シェル兄探ししていたが」
シェル王子は「はぁ」とため息をはき「早く部屋の中に入りなさい、そしてウィルの着替えを御願いします」シェル王子は俺達に話終わるとスタスタと歩いて行った。
「何で叩くんだろうなウィル」
俺はもう言葉が出ず早く着替えたいとザック兄に言いたい。






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