兄たちが弟を可愛がりすぎです

医師のなが話

「ウィル様、申し訳御座いませんでした…」
深々と、頭を下げていたのは、部屋のノックを忘れ勢いよくドアを開けた、茶髪のメイドだった
俺（ウィル）は、「……うん、突然だったから……ビ……お……驚いただけだから、今度から、気をつけてね」
にこっ、と俺（ウィル）は笑った。
今俺は医師という人に、手で、脈を測って診てもらっている。
「ほっ、ほっ、ほっ、しかし、先ほどのウィル様の、お声はウィル様がお産まれになった時から、お仕えしておりましたが、今日初めて聞きましたぞ、顔色もよろしいようで…数時間前の出来事が嘘のようで御座います。」
白髪で短いあごひげの医師が言った。
「数時間前の出来事？」
何？と俺は首を傾げた。
「記憶にないのも、無理も、御座いません……ウィル様は、つい先ほどまで危篤状態でいらっしゃいました…。」
「えっ！？」
俺は驚いて目を大きく開いていた。
白髪医師が話した。
「ウィル様の御体は、お産まれになられた時から、御体は弱く、よく熱を出される事も、何度もありました。御体が弱かった為、お命も危ない事が何度も御座いました。一週間ほど前から、ウィル様は体調を崩され、起き上がる事も出来ない程でした。
今日この数時間前にウィル様は、危篤状態になられたのです。私は、ウィル様の残された時間はないと思い、私とそこに居りますメイドにウィル様の、側を離れる事にしたのです。
ウィル様とシェル殿下に別れの挨拶をと思いまして、後にしたのです。私は、王様にウィル様の事をご報告にと、思いましてウィル様の部屋を離れました。
その数十分後に、メイドが私を呼びに来て、ウィル様がお目覚めになられたと聞き、私は、驚きを隠せなかったのです。
先ほどまで、ウィル様は危篤状態であったのにと、私は、戸惑いを隠せず、慌ててメイドと一緒に部屋へ参りました。
そして、私と一緒に居ましたメイドが、ノックもせず、勢いでウィル様の部屋の扉をおもいっきり開けたのです。
バァン！「ウィル様～～～お医者様を連れて参りました～～～」
とのメイドの声にウィル様が私も初めてお聞きするような、お声を出されて驚きました。
「うぎゃーーーーっ」と！
私は、ウィル様の危篤状態よりも、ウィル様のその天使の様なお姿で、奇妙なお声を出されるとは思ってもおりませんでした……と、いうことであります。
おやっ？脈が先ほど早くなられておりますが？」

俺は（ウィル）顔が真っ赤になり心臓がバクバク鳴り出した
「……くくっ……」と、笑い声が聞こえた方に目をやると、シェル王子が顔に手をやり声を殺して笑っていた
（くそっ、シェル王子全部てめえのせいだからな！）
俺（ウィル）が、じっ…と睨むようにシェル王子を見たら、シェル王子が俺に気づいてフッ…と悪戯っぽい顔をして笑っていた。俺は、ゾワｯ……として、冷や汗と顔が熱くなっているのが分かった……コワッ……と思った。