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眠れない日々
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「う~ん…アルフォンス皇子様にも困ったわ…妹が可愛いのは分かるけれど…まだ、寝ている所を部屋の中に入って来られたら…旦那様の時はこんな事はなかったから…部屋に入る事なんてあったかしら…なかったわね…」
はぁ…と息をはくソフィアは鏡の前で髪の毛を整えていた。
「小さい頃は真っ直ぐでサラサラの髪の毛だったけれど…今はネコ毛のように癖毛になるなんて思わなかったわ…」
コンコン!
「ソフィア皇女殿下失礼します。身仕度に伺いました…」
「あ…ごめんなさい、ほとんど終わってしまったわ」
「……皇女様~っ、私達の仕事を残しておいてください~っ」
「ごめんなさい…次はそうします」
「次はと言われてご自分でしていたではありませんか~っ」
「ははは…」
つい一人で身の回りをしてしまうソフィアはメイドから泣き付かれながら、家族が待つ食事の部屋へと入った。
「おはようございます。」
ソフィアは家族が席に付く食卓の前で朝の挨拶をした。
「ああ、おはよう遅かったな、まだ眠っていたのか?」
「…はい…アルお兄様から起こして貰いました…」
「はははは、私達の姫はお寝坊さんだ」
四十歳は過ぎている陛下は昔と変わらない容姿のままで相変わらず娘には甘いが、ソフィアは甘えるのが苦手なのか我が儘は言った事はなかった。
なんでも手に入る皇女として生まれたが贅沢はしていないようだ。
「…あまり眠れないのかしら?」
「あ…今はよく眠れていると思います…ご心配をお掛けしました…」
「そう…それならいいのだけど…眠れない日が続きましたらわたくし達に言うのですよ」
「はい、お母様」
皇后はソフィアの母親だが、三人の子持ちとは思えない程昔と変わらない美貌を保っている。
ソフィアが眠れない時が続いた時は父親の陛下よりも心配していた。
ソフィアは大きく成長してからアレックとの生活の夢をよく見るようになり、時々魘される時があった…
はぁ…と息をはくソフィアは鏡の前で髪の毛を整えていた。
「小さい頃は真っ直ぐでサラサラの髪の毛だったけれど…今はネコ毛のように癖毛になるなんて思わなかったわ…」
コンコン!
「ソフィア皇女殿下失礼します。身仕度に伺いました…」
「あ…ごめんなさい、ほとんど終わってしまったわ」
「……皇女様~っ、私達の仕事を残しておいてください~っ」
「ごめんなさい…次はそうします」
「次はと言われてご自分でしていたではありませんか~っ」
「ははは…」
つい一人で身の回りをしてしまうソフィアはメイドから泣き付かれながら、家族が待つ食事の部屋へと入った。
「おはようございます。」
ソフィアは家族が席に付く食卓の前で朝の挨拶をした。
「ああ、おはよう遅かったな、まだ眠っていたのか?」
「…はい…アルお兄様から起こして貰いました…」
「はははは、私達の姫はお寝坊さんだ」
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なんでも手に入る皇女として生まれたが贅沢はしていないようだ。
「…あまり眠れないのかしら?」
「あ…今はよく眠れていると思います…ご心配をお掛けしました…」
「そう…それならいいのだけど…眠れない日が続きましたらわたくし達に言うのですよ」
「はい、お母様」
皇后はソフィアの母親だが、三人の子持ちとは思えない程昔と変わらない美貌を保っている。
ソフィアが眠れない時が続いた時は父親の陛下よりも心配していた。
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