捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ

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真実を知ったとき…

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エミリーは姉のソフィアに会いたいと言っていたが、体調の事を考え今は安静にとエミリーを休ませていた。
「……しばらく、妻と二人にして欲しい…」
アレックは部屋にいたメイド達を部屋から出るように伝え、ソフィアの部屋にはアレックとベッドの上で眠るソフィアと二人になった。
「……君の手はこんなに小さかったのか…君の髪の毛は焦げ茶色で背中まで伸ばしていたんだ…いつも後ろに束ねていたから…」
アレックはソフィアの髪の毛を一房手に取り口付けをした。
「……すまなかった…俺は君を傷つけ手の届かない所へ逝かせてしまった……何度も君と向き合おうとした…手を触れた時君が驚いた顔で見ていたから嫌なんだと思い込んでしまった……そんな時にエミリーが屋敷へ来たんだ…エミリーの笑顔に話しかけてくる姿を見て君とエミリーを比べるようになっていた…エミリーが俺とソフィアの子供の話しになった時、関係を持った事はないと話してしまった…その頃から俺とエミリーは……ふ…こんな話をして俺は……」
コンコン!
「……旦那様…奥様のご家族がお見えです」
「……通してくれ…」
メイドは、ソフィアの両親を部屋に入れるとベッドの上で眠るソフィアを見つけ震える体でベッドに近づいた。
「……ソフィア…?」
「…あああ……!?」
両親は声を上げてソフィアを触り続け、左手の包帯に血がついているのに気が付いた。
「……侯爵…娘に何があった?」
「……」
「何があったと聞いている!」
父親はアレックの胸ぐらを掴み声を上げていた。
「……妻は……自ら…手を……」
「理由はなんだ?娘に何があったんだ…」
グッと手を握りしめるアレックは重い口を開いた。
「……エミリーさんに…子供が出来た事を知って……妻は…」
「……子供?何を言っている?エミリーはまだ結婚はしていない、式は来月挙げる事になっている」
「!?式…?」
アレックは目を見開いて父親を見ていた。
「エミリーから何も聞いていないのか?来月エミリーは、伯爵家の嫡男と式を挙げる事になっている」
「!?」
アレックは気が抜けたように真っ青になり震えが止まらなかった
「結婚する前にソフィアに会いたいと言って通っていたはずだ。だが、ここ数ヵ月帰って来ない為迎えに行く所だった…ソフィアの側から離れたくないのはわかるが、婚約者を数ヵ月も会わせないわけにはいかないだろう、婚約者の彼も心配していた」
「……」
「子供は、君とソフィアではないのか?」
「……エミリーさんのお腹には…私の子を身籠っています……」
「な!?」
「!?」
父親は驚き母親は声に出せないほどだった。
バシッ!ガタンと床に倒れるアレックに父親は怒りがおさまらなかった。
「お前は、妻がいる身でありながら結婚を控えているエミリーに手を出したのかーっ!!」
「……っ!も、申し訳御座いません…」
アレックは父親に頭を下げ、何度も殴られ、たえていた……
「や、やめて、お父様!」
エミリーが音に気付き部屋に入って来た。
「…エミリー…お前は婚約者がいながら姉の夫と……」
「エミリー、嘘よね?貴女がソフィアの旦那様と…」
両親はエミリーが嘘だと言ってくれるのを待った。
「嘘ではないわ…私のお腹の中にはアレック様の赤ちゃんがいるの」
「な!?」
「っ……な、なんて事を……」
「だから私は、ポール様とは結婚できないの」
「……エミリー、お前は自分が何を言っているのか分かっているのか?来月は式を挙げるはずだったんだぞ!」
「私はアレック様と結婚します」
パシッ!「きゃっ!」父親は娘のエミリーの頬を叩いてしまった。
「あなた、お腹には赤ちゃんがいるのですよ!」
「つ…」
エミリーは頬に手をあて涙を見せていた。
「どうして、私が悪いの?好きな人の子供を身籠って何が悪いの?私は、お姉様の代わりに身籠ったのに…そうよ、お姉様が悪いの!一人で死んで狡いわ!」
「やめろ!」
「!?」
アレックの声にエミリーは驚いていた。
「…な、何よ……みんな、嫌いよ!」
「エミリー!?」
部屋を出たエミリーを母親が後を追っていた。
部屋には、父親とまだ床の上に座っているアレックに父親は手を伸ばしていた。
「……すまない……エミリーの事を直接話すべきだった…まさかこんなことになるとは……」
父親は目に涙を溜めアレックに頭を下げていた。
「……すべては…私が招いた事です…彼女と向き合っていれば…」
アレックは立ち上がり、父親から叩かれた足を引きずりベッドの上で眠るソフィアの側に立ったアレックは、冷たくなった唇に口付けをした。
「……もっと早くこうしていたら……すまない、すまない…ソフィア……」
ソフィアの冷たくなった顔に暖かい涙が流れ落ちていた。








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