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転生者ユリウス

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ロバート伯爵とユリウスが氷の部屋の側に来ると、執事とメイド長に数名のメイド達が部屋の中に居ると思うルィーズ夫人を心配して、ロバート伯爵が来た事に気付いたメイド長が話し掛けてきた。
「ロバート坊っちゃまと、ユリウス様!?」
まさかロバート伯爵がユリウスを連れて来るとは思わず驚きメイド達は頬を赤く染めユリウスの姿に喜んでいた。
ロバート伯爵は氷の部屋を眺め何も変わらない事に苦痛の表情をして今の様子をメイド長に訪ねていた。
「……何も変わらないのか?」
「…はい、坊っちゃま……何度か魔法で試しましたが…」
「……」
ロバート伯爵はギュッと手を握り締め氷の部屋を見ていた。
ユリウスは氷の壁と成った部屋と部屋から氷が廊下まで広がる光景を見て驚きと興奮で氷の部屋を見渡していた。
『な…何だ?この氷の部屋は!?それに廊下までも氷に…ユリウスの魔法でも無理だぞこんなデカイ壁の氷は…廊下まで氷じゃん!アニメと外国映画でしか見たこと無いのに……どうやって創るんだ?こんなもん……兄ちゃんに見せてやりたかったな……』
ユリウスは目の前の氷の部屋を見て思わず勇樹の口調で日本語で話してしまい、まるで少年に戻ったかのように氷の部屋を触りまくっていた。
「……」
(学生の頃から時々知らない言葉を話すユリウスが頭の良い奴だとは思っていた。女子がユリウスに夢中に成るのも分かってはいたが、容姿が美であるユリウスの外見とはまた違う落ち着きが無い所を見る事があった為いちどユリウス本人に「お前ユリウスだよな?」と、確認していた事を思い出した。)
「……ん!?」
ユリウスは氷となった部屋を触るのを止め何かを感じていた。
「……中に人が居るのか?!」
「……部屋を触っただけで分かるのか……そうだ私の妻ルィーズがこの部屋の中にいる……そしてこの氷を創ったのも多分彼女だ…」
「!?」
ユリウスはロバート伯爵から氷を創ったのがルィーズ夫人だと聞き驚いたが何かあっての事だと分かった。
「……この氷の量は以上だと思う、もしかして奥さんは魔力の暴走で内に込めていた何かが吹き出し表に出たと思う」
「……魔力の暴走…」
ロバート伯爵が何故ルィーズ夫人が魔力の暴走に成ってしまった事に気付いていた。
「お前が私をここに呼んだのは奥さんの治癒だけでは無いな…」
「……ああっ、この氷を壊して貰う為にユリウスお前を連れてきた、騎士でもあるお前ならこの氷をどうにかしてくれると思ったんだ」
「期待のように言われても困るが……それに私は魔法は使わない事はお前も知って居ただろう?」
ユリウスは学生の頃授業で魔法を使うだけでその後は学校に居ても使う事はなく体育の授業でも魔法は使う事が出来たが、運動神経が良かったユリウスには魔法は必要無く魔法を使わないユリウスを見ていた女子達はますますユリウスに夢中に成り学校でも魔法を使わない事で注目を浴びていたユリウスにカレンも夢中に成っていた独りだった。
「ああっ、知っている…魔法を使いたくても使え無かったのではないのか?逆の意味で……」
「……」
ユリウスは転生者だった為他の者達とは違う魔力が大きかった為子供の頃は魔法を持っ事で喜びコントロールの仕方も知らずに使い死に目に合う事もあった、だが今は魔法を難なく使いこなせてはいたが魔法自体使う事が無かった。
ユリウスは「はあ……」と大きく息を吐き断れない事もあり部屋に覆われた氷を壊す事にした。
「……扉が壊れても知らないぞ…」
「私の部屋ではあるが住んでは居ない、扉の一つや二つ気にしないで思いっきり壊してくれ……だが妻に危害を加えないように心掛けてくれ」
「頼んでおいて注文が多いなお前は…」
ユリウスとロバート伯爵はお互いクスッと笑った後ユリウスが部屋の前に立ち氷に手を伸ばし顔付きが代わり始めた。
「……放れていろ…」
ユリウスはロバート伯爵と側にいた執事にメイド長そしてメイド達に部屋から放れる事を伝えたユリウスは神経を集中始めていた
ユリウスの周りから魔力が溢れ広がり周りにいた者達はその圧力で体が震えまるでユリウスが化け物のように思えロバート伯爵はユリウスが魔法を使わない意味が分かったような表情を見せそしてユリウスが手を置いていた扉の氷から亀裂の音が聞こえ始めていた。
ビキビキ…バキバキ……!
ユリウスの手を通し氷の壁に亀裂が広がり扉の氷がボロボロと崩れ始めそして氷の壁が砕け散った
バリーン!
「きゃあーっ!」
「くっ…!」
氷の破片が飛び散りロバート伯爵は自分達の周りに魔法で丸い壁を創り矢のように飛び散る氷の破片をはね除けていた。
「……っ、ユリウス!?」
砕け散た氷の粒がキラキラと光りユリウスの体に浴びている氷の粒が神秘的に見えるような感じでロバート伯爵は呟いていた。
「……化け物だなアイツは……」
ロバート伯爵は氷が無くなった部屋を見て安堵と不安で直ぐには扉を開ける事が出来ず部屋の中に居るルィーズ夫人の姿を見る事が怖いと思っていた。
最悪の場合が頭の中を駆け巡っていた。









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