転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

不安な気持ち

ルィーズ夫人はメイドに椅子と紅茶とお菓子を追加をした後庭園の場所に向かっていた。
「でも驚いたカレンと会うなんて学校を卒業して以来会っていないから…でもどうして御母様と一緒に居たのかしら……」
ルィーズ夫人は友達と会えて嬉しいと思う気持ちと母親と一緒にいた事が気には成っていたが気にせず庭園に向かっていた。
庭園に着くとテーブルには誰も居ない事に気付き何処へ行ったのだろうと辺りを探し回った。
テーブルを置かれた場所から少し奥に入ると綺麗な花が並んでいる木々が幾つか立ち並ぶ一本の木にロバート伯爵の母親が隠れるような仕草で木を支えとして何かを必死で見ているようだった。
「ほらっ、もっと近付いて、ほらっ、二人とも手を繋いで、ああっ、ロバート何しているの屈むならもっと顔を寄せなさい、あ～っ、じれったい子だね！」
ブッブッと一人で話す後ろ姿を見ていたルィーズ夫人はロバート伯爵の母親に声を掛けた。
「御母様？ここで何をしているのですか？」
「ひやあ！？」
ロバート伯爵の母親は後ろからルィーズ夫人が話し掛けて来た為驚き声を出してしまい花を見ていたロバート伯爵とカレンが声のする方へ体を向けた。
「はあ～っ！ルィーズさん…ビックリするじゃないの」
「ごめんなさい御母様、ここで何を…」
ルィーズ夫人は母親が見ていた先を見るとロバート伯爵とカレンが走りルィーズ夫人の元へ駆け寄っていた。
「ルィーズ！？戻って来たんだねでも何故ここに御母様と一緒に居るんだ？テーブルで待っているように御母様に話しをしたはずだけど……」
「……戻って誰も居ないので探しましたら御母様がここに居ましたの……」
ロバート伯爵はルィーズ夫人の話しを聞き母親の方を見た。
「えっ！？ホホホ…ロバートがカレンさんに花の名前を教えているのか気になって見に来ていたの」
「私はテーブルで待っように言いましたが……」
ロバート伯爵は母親をジロッと少し不機嫌そうな感じを見せ母親は慌てて話しを逸らしていた。
「ほ、ほら皆テーブルに戻りましょう私達の分も用意できていると思うから、さぁさぁ行きましょう」
母親はルィーズ夫人の腕を掴み歩き出しルィーズ夫人は驚き母親と一緒に歩く事に成った。
「ルィーズさん私と一緒に歩きましょう」
「えっ！？あ…はい、御母様……」
ロバート伯爵の母親はルィーズ夫人の腕を組み一緒に歩き出しその様子を後ろから見ていたロバート伯爵は小さく息を吐きルィーズ夫人を心配していた。母親が来るたびに子供の話しをする事で距離を置くように成っていたルィーズ夫人をロバート伯爵は気に掛けていた。
グイッ！と腕を掴む事に気が付いたロバート伯爵はカレンの顔を見ていた。
「わたくし達も参りましょうロバート様」
「え…ああっ」
花を一緒に見ていた事もありカレンはロバート伯爵に慣れ積極的に成っていた。その姿を見ていたロバート伯爵は困っていた。
ルィーズ夫人が変に思わないだろうかと心配していた。
先にテーブルに着いたルィーズ夫人と母親はメイド達が新たに用意してくれた椅子と紅茶とお菓子がテーブルの上に置かれた。
少し遅れてロバート伯爵とカレンが一緒に歩いている姿を見ていたルィーズ夫人が二人を見て気付いた。
「あらあら、腕まで組んでまるで夫婦見たいね」
「ふふふっ、おば様とルィーズを見て真似をしましたの」
「……」
ルィーズ夫人はカレンの積極的な行動を見て胸の中が苦しく感じた。
カレンがロバート伯爵の腕を組み体を寄せようとするとロバート伯爵がカレンの手を外そうとした。
「……カレンさん腕を放して貰えますか？椅子に座れません」
「えっ！？……あっ、はい、ごめんなさいわたくし余計な事を…」
カレンはロバート伯爵から言われ腕を組んでいた手を放した
「ロバート、カレンさんに失礼よ良いじゃないの腕を組んでも、そんな事でルィーズさんは怒りはしませんわ…ねぇ、ルィーズさん」
「えっ……」
ルィーズ夫人は何も言えず黙ったままでその様子を見ていたロバート伯爵がルィーズ夫人の隣に座り頬を触っていた。
「えっ！？旦那様？」
「ハハハ、ルィーズが変な顔をしていたからね触って見たくなったんだ」
「旦那様！」
ルィーズ夫人は顔を真っ赤にしてロバート伯爵自分の側に来てくれた事に笑顔を見せていた。
「仲が良いことは良いのにね……」
ロバート伯爵の母親はぁ……と息を吐きカレンに感心を向けないロバート伯爵にため息を吐いていた。
「……」
カレンはロバート伯爵の母親の隣に座り二人の様子を見て嫉妬を感じていた。