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ホルン家

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結婚した後のルィーズ夫人とロバート伯爵は貴族の間で仲の良い夫婦だと周りの人達からは羨ましいと言われユリウスとユリーナ母さんの次に仲の良い夫婦として噂に成っていた。
ただ、ホルン家には子供が居ない為ルィーズ夫人は周りの目が怖い程片身の狭い思いをしていた。
特に跡取りが欲しいホルン家の両親はルィーズ夫人が中々子供を授かる事がなく、たまにロバート伯爵の屋敷を訪れていた両親は遠回りのようにルィーズ夫人に他の貴族の家族の話しを良くしていた。
「そうそう、御近所の御子様が屋敷で家庭教師を雇われるとか話しがあったの「勉強してくれると良いけど」と奥様が心配して御話しをなさったのよ」
ロバート伯爵の母親が近所に住む貴族の家族の話しをした後テーブルに用意していた紅茶に口をつけていた。
客間には少し長いテーブルを真ん中にあり二人用のソファーが二つあった。そのソファーにロバート伯爵の母親と父親そしてロバート伯爵とルィーズ夫人が座り会話をしていた。
「ああっ、そうだったわブランシェ家のユリーナ御夫人が四人目かしら五人目かしら最近御子様が生まれたそうよ、凄いわよね御子様が何人も御生みに成るなんて屋敷の中は賑やかでしょうね」
はあ…とため息を付きテーブルに置かれたお菓子を食べていた。
「……御母様私達の屋敷に来る度に子供の話しは止めて下さいとこの前も言いましたが」
ロバート伯爵が向かい側に座っている母親に子供の話しは止めて欲しいと話していた。
ルィーズ夫人は屋敷に訪れる両親達が毎回子供の話しをする為両親が屋敷に来る事が嫌だった。
「ごめんなさい、ルィーズさん貴女を責めているのではないのよ……あなた達夫婦は仲の良い夫婦で貴族の方々は羨ましいくらいと言われている程なの……ただ、私達にも早く孫が見たいと思っているの」
「ルィーズが悪いと思わないで下さい、私にも責任があります」
「誰もお前達二人に子供が出来ないから悪いと言っては居ない結婚して五年も経っため心配して言っているのだ」
「……御心配を御掛けしてすみません、御父様、御母様…子供の事は自然に任せているのです、子供を持たない家族は私達だけでは無いはずです他の御家庭も子供が居ない家族もいます。
10年、20年で子供を授かった家族も居たと聞いた事があります。周りが焦るような事をしましたら授かる事が出来ません…御父様、御母様、私達の事は長いめで見守って貰えたらと思っています。」
ロバート伯爵は両親に時間が欲しい事を告げていた。





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