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「シルビア様!シルビア様!」
メイドが走りシルビア王女の名前を何度も呼び広い城の中を探し周っていた。
王様も廊下を走り周りシルビア王女が通り行く場所を探していた。
ユリウスの葬儀の準備を涙を抑え仕事をしていたメイド達が廊下を寝服姿で走る男性を見て驚くメイド達がいた。
ユリウスの葬儀の手伝いをしているメイド達は殆どが屋敷から来たメイド達で涙を流し準備をするメイドもいれば何度も手で顔を拭い化粧が取れるメイドもいた。
そんなメイド達の間を辺りをキョロキョロと見回しながら時々歩き走り出す寝服の男性にメイド達は作業を止め見いってしまい泣いていた顔が頬を赤く染めているメイド達が男性が走り去る姿をボーっと見ているメイドが多かった。
「えっ、えっ?今の人誰?寝服姿よね」
「私も見た!この城の中で生活をしている人じゃない?騎士か、大臣かも」
「さっきの男性素敵だったと思わない!?私旦那様が亡くなってお城で働く自信が無かったけどさっきの男性を見たらお城に居ても良いかもと思ったわ」
「あっ、私もその事考えてた~っ」
屋敷にいたメイド達は王様だとは気付かず騎士または大臣と思いユリウスの死を忘れたかの様に寝服姿の王様に夢中になっていた。
王様に何度か会っては居るが髪型に服装が違う為屋敷のメイド為は分からずにいた。
メイド達が王様の姿で騒いでいる事も知らず王様はシルビア王女を探し続けた。
「…シルビア何処に居るのだ……シルビア!」
王様は城内を走り周り大臣に騎士達とメイド達が王様が寝服姿で走る姿を見て驚く者もいた。
「お、おい、さっきの寝服姿の男性は王様だったよな」
「…ああっ、多分そうだと思うが…城内を寝服で歩くのは王様ぐらいだよな」
騎士達が王様が廊下を走る姿を見て話し出していた時後ろから王様の護衛騎士二人が走り出している事にも驚き騎士の一人が走っているアノルドさんに声を掛けていた。
「おい、何があったんだ?さっきのは王様だよな、お前達まで走ってどうしたんだ?」
「……悪い今は言えないんだ先を急ぐ」
「えっ、あっ、おい!?」
護衛騎士のアノルドさんと同じ護衛騎士の一人が廊下ですれ違う騎士達に話し終えた後走り出し去って行ってしまった。
「何だ……?」
騎士達はお互いに顔を見合わせ王様と護衛騎士二人の後ろ姿を見ているだけだった。
「今のは…王様と護衛騎士の二人では在りませんでしたか?」
大臣が王様と護衛騎士のアノルドさん達が走る姿を見て一緒にいる大臣と話しをしていた。
「そのようですな、王様も若い事は分かりますが少し落ち着きませんと…王様も後一人いえ御二人でも御子様が居ましたら宜しいのに」
「王妃様がお妃候補を受け入れて下されば宜しいものを、困った御方達ですな」
「そんな若い王様と王妃様をわたくし達が支えておりますのですよ…皆様方」
「おおっ、そうでしたな」
大臣達は笑顔で会話を楽しみ自分達大臣がいる事で城は安泰なのだと会話が弾んでいるようだった。
王様は息を整える為足を止めまだ探していない箇所を見回していた。
「はあ、はあ…こんなに走った事は王妃からお妃候補の女を逃がした時以来だな…思い出すな…ベッドでお妃候補にと思った女とヤっている時に王妃が扉を叩く物で壊し部屋に乱入しお妃候補の女との取っ組み合いになった姿を……あの時は彼女を王妃から逃がす事で必死で城の門まで彼女と一緒に走り逃がしてあげる事に必死に走った記憶が思い出すな……」
王様は昔の事を思い出した後ハッと我にかえりシルビア王女を探し始めシルビア王女が良く庭園にいる事を思い出し庭園に向かう為また王様は走り出していた。









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