転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

１６８

「総隊長殿と一緒に歩いている家族はブランシェ家の家族ですかな？！」
「そのようですな、良くもまあ…あれほどの子供を持ちながら離婚をしましたブランシェ殿が信じられませんな、子供を見捨てたうえにシルビア王女との結婚と申された時は驚きました。いやはや……若い者の考えている事が分かりませんな」
「全くですな、あの若者には嫌気をさしておりました。
王になる前に居なくなりまして良かったですぞ……おっと…王様に聞かれましたらわたくしの首が飛ぶ所でした」
「それはわたくしも同じ事ですな」
ハハハ！と声を出して笑う年配の大臣達らしき数名が固まり話しをする場面を俺達は総隊長さんの案内で廊下を歩いて見ていた。
「ユリウスの葬儀だと言うのに声を出して笑うとは…」
ユリーナ母さんの父親が大臣達の姿を見て険しい顔でその様子を見ていた。
「……大臣達です…ユリウスの事を余り良く思わない方々でユリウスとはよく口論に成っていた時も在りました」
総隊長さんが大臣とユリウスとの関係を話していた。
「お城の中では皆様に思われて居ると思っていましたわ…あの子もお城で色々と苦労をしていたのね……」
ユリーナ母さんの母親が大臣達の姿を見て城内でユリウスがどの様に過ごして居たのか分かったような気がしていた。
俺も総隊長さんの話しを聞きユリウスも城内では息の詰まる事が在ったのだとこの時初めて知った…アイツは仕事の事は話さないでいた事もあり俺も聞く事はなかった。
昔からそうだった仕事で上司とトラブルがありその夜酒に寄って行きつけの飲み屋から俺の所に連絡があり迎えに行った事があった。
その頃はまだ勇樹は結婚していない時で酔い潰れた勇樹を部屋まで連れてベッドに寝かし付けた時勇樹が突然起き出し俺を襲い始めその夜は無理矢理に勇樹とヤった事を覚えている…その時の勇樹の顔が辛そうに見え、翌朝飲み屋で酔い潰れ部屋に運び無理矢理ヤったと話したときは笑いながら昨日の事は覚えて居ないと言って俺とヤっていた事も覚えて居ないと言っていた後残念がる姿を見て「昨日何が在ったのか？」と聞いたが「何でも無いよ久しぶりに飲んだものだから酔っただけだよ」とその日は話してはくれなかったが…優花さんと会った時に仕事で上司と揉めた事を話してくれた。
結局は俺に仕事の悩みを言わず優花さんだけに話しをしていた勇樹に何故俺に相談しないんだとその時優花さんが羨ましいと思った事があった。
「……話したくても話せなかったのか…」
「何か言った？カイ」
俺が声を出して居たようでルカリオ兄が隣にいる俺に声を掛けていた。
「えっ、あ…何でも無いよにぃ……父様も城内では大変だったのかなと思っていたんだ。」
「僕も知らなかったな、総隊長さんの話しを聞いて誰とでも明るく話しをしている父様を見ていたから僕達にとって城の中では意見が合わない人も居たんだ…父様は自分の仕事での事を余り僕達に話したことが無かったからね」
俺とルカリオ兄が話をしている時俺達を見て気付いたメイド達が掛けよって来る姿を見た。
「坊っちゃま、お嬢様」
屋敷にいたメイド達数名が涙を流し俺達に話し掛けていた。
「旦那様が旦那様が御亡くなりに成るなんて…」
「わたくし達旦那様を慕いお城まで来ましたのに…」
「旦那様がいらっしゃいませんお城でわたくし達はどうすれば良いのでしょう…」
屋敷にいたメイド達はユリウスを追いかけ城で働き始めたがユリウスが居なくなると自分達はどうなるのだろうかと自分達の事を話し始め俺達は黙ってメイド達の話しを聞いていた。
「お前達今から忙しくなる時に何を言って居るんだ。
持ち場を離れるとメイド長に叱りを受けるぞ早く持ち場に戻れ」
総隊長さんはメイド達に騎士と変わらない態度で話しをした為メイド達はビクッと体が跳ねるのが分かり慌てて自分達の持ち場へ戻って行った。
「…さっきのメイド達父様狙いで城に着いて行って居たんだね」
「半分父様の事で泣いて半分自分達の事を話していた様に聞こえたみたい……」
ジェーン兄とアニー姉が屋敷にいたメイド達の後ろ姿を見て話し俺達は一つの大きな扉の前に立っていた。
俺とルカリオ兄が知っている扉で、ユリウスがシルビア王女との結婚の約束をした場所に俺達は扉の前に立っていた。
「王様に取り次ぎをブランシェ家の御家族と親族の方が御見えだ」
「はっ！」
大広間の扉の前に騎士が二人待機し王様に取り次ぎを伝えていた
「王様ブランシェ家の親族の方々が御見えで御座います」
「通しなさい」
「はいっ、王様」
大広間の扉が開き総隊長さんの後に続き俺達家族が大広間の部屋に入った。
総隊長さんの誘導で俺達は座高で座る王様と隣で座る王妃様そして俺達の側から少し離れた場所で王様の護衛騎士と大臣見たいな人達が立ち俺達が来るのを待っていたようだった。
王様の側にはシルビア王女の姿が無くユリウスの棺も無く他の部屋に運び込まれているのだと思い俺達は王様の前で跪いていた。