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「……家族皆幸せに暮らしました。……おしまい…」
ユリウスが絵本を読み終わると兄姉達はまるで催眠術でも掛かったかのように幽体のユリウスを囲む様に眠ってしまった。
「……っ…」
俺も眠りそうに成ったがどうにか持ちこたえ今部屋の中ではユリーナ母さんと3歳の姿をした俺は眠る事なく起きている。
「クスッ、カイトも眠ってしまうと思っていたよ」
ユリウスは微笑んだ後兄姉達の寝顔を一人ずつ見て回っていた。
「…旦那様子供達に御話しはしなくても良かったのですか?」
ユリーナ母さんは声がするユリウスの方を見て話し掛け広げていた絵本を閉じていた。
「ああっ、これで良いんだユリーナ…有難う、今夜は子供達と話しが出来たことに神様に感謝しているよ」
「旦那様……」
ユリーナ母さんは絵本を持ち座っていた体を立ち上がろうとしていた時フラ~ッと睡魔が襲い掛かりリン姉が眠る側で座り込んでしまった。
「あっ……!」
「…済まないユリーナ君に魔法を使わせてしまった。
君が一番使いたく無い魔法だったね…君にお願いして子供達を眠らせた。それにこの魔法は自分にも関わって来てしまう難易な魔法だという事を……」
「…旦那様……私はまだ眠る訳には行きません…まだ旦那様に御話ししたい事が…沢山在ります……」
ユリーナ母さんは体を震わせ眠りにつこうとする自分に耐えていた。
その姿を見ていたユリウスがユリーナ母さんの側に行き抱き締めている姿が見えた。
「ユリーナ、私は君と出会い沢山の子供達に恵まれ幸せだった。
そんな幸せを壊してしまった事を後悔している済まなかったユリーナ……君にはこれから先幸せに成って貰いたい、そしてスティーブン伯爵と幸せな家庭を築いて欲しい…私は先に逝ってしまう事を許してくれ」
「……許しませわ旦那様…私と…子供達を残して逝ってしまうなんて…それにまだ旦那様からの御話しが…」
ユリーナ母さんは涙を流し少しずつ睡魔が襲い掛かっていた。
「……まだはっきりとは…これから先は君にしか頼めない事何だ…」
「……私だけで御座いますか?」
ユリウスは抱き締めたまま耳元で話しユリーナ母さんは驚き自分の耳元で話しをしているユリウスの方へ顔を向けた。
「旦那様!?……まさか…」
ユリーナ母さんは俺の顔を見ていた為俺は何を話しているのか首を傾げるだけで、ユリーナ母さんは俺の顔を見た後ため息をついている様だった。
「……2人とも何故僕の顔を見ているの?」
「…ごめんなさいカイちゃんではないの……」
「?」
ユリーナ母さんが3歳の俺の事ではないと言っていたが、黒髪の快斗の方だろうか…
「……済まないユリーナ…時が来れば快斗に…兄に伝えて欲しい…私との繋がりを残して置きたいと思った事なんだ」
俺はユリウスが何を話しているのかも分からずただ二人の会話を聞くだけで、ユリウスもユリーナ母さんも俺には今は話せないと言うだけだった。
「……旦那様は……最後まで、勝手な方でした。
それでも…私は旦那様を……愛しています……旦那様…」
「ユリーナ私も愛しているよ…そして有難う…」
ユリウスは薄く瞼を開けているユリーナ母さんの唇を重ね最後の別れを惜しみ眠りに付いてしまった。









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