転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

１５６

ショーン兄はルカリオ兄がユリウスが亡くなり明日は葬儀の為に学校は休みなのだと伝えていた。
ショーン兄はユリウスのいつもの席を見て姿が見えないユリウスに声を掛けていた。
「…父様……僕父様が亡くなっている事が信じられなくて…でもルカリオに言われ父様が亡くなっている事に気づいた……父様は今はベッドの上で眠り明日はもう僕達の側に居る事が無いんだ…」
「……ショーン…」
「ショーンちゃん…」
ユリーナ母さんはテーブルの席から立ちそのまま動かないショーン兄の体を抱き締めていた。
「ショーン、父様は皆と話しができ父様の事を思ってくれている事が分かっただけでもとても嬉しいよ、今夜は皆と一緒に朝に成るまで父様はお話しがしたいな」
ユリウスはショーン兄とユリーナ母さんの体をギュッと抱き締めそしてルカリオ兄を呼んでいた。
「ルカリオ、父様達の所へおいで抱き締めてあげるよ」
「何故僕も一緒なのですか？」
「ふふっ、最後にギュッとしたいんだよ…ルカリオは最後まで父様に甘える事がなかったね…今この部屋には私達だけなんだよ。
父様はルカリオにもギュッとしたいんだおいでルカリオ！」
「……」
姿が見えないがルカリオ兄の目には自分に手を差し伸べて居るユリウスの姿が見えたようで、ルカリオ兄は「はぁ…」と息を吐いていた。
「勝手何だから父様は…」
ルカリオ兄は一言呟いた後ユリーナ母さんとショーン兄の側に行きユリーナ母さんがルカリオ兄に手を差し伸べ一緒に抱き締めていた。
ルカリオ兄もユリーナ母さんが自分を抱き締めそして背後から包み込むような気配を感じユリウスが自分に抱き締めて居るのだと顔が自然に微笑んでいた。
「あっ、ルカリオが笑っている」
「ふふっ、ルーちゃん素直ではないものね」
「今後私の替わりにルカリオの抱き締め役をカイトにお願いするとしょう」
「……別に僕は抱き締めて貰わなくても良いよ、それに何故カイなのかが分かんないけど…父様」
ユリウスはふと周りを見回しカイトの俺が食事部屋にまだ戻って来ていない事に気が付いた。
「そう言えばカイトが居ないね」
「今頃気付いたの？父様、カイは今お風呂に行っているよ」
「…そうか、今お風呂何だね」
「……旦那様も御一緒にどうです？」
「母様！？」
ルカリオ兄はまさかユリーナ母さんがユリウスにお風呂を一緒に進めるとは思わず驚いていた。
「…有難うユリーナ、カイトと一緒に入る事は無理だと思うが様子を見てくるよ」
ユリウスは風呂場へ向かい、ユリウスの声が聞こえ無くなった事でルカリオ兄がユリーナ母さんに問い質していた。
「母様、何故父様をカイと一緒にお風呂と言ったの？」
「母様僕も思ったのですが、父様は魂だけですからお風呂には入る事が出来ないのでは？」
２人の問いかける意味は違うがユリーナ母さんはルカリオ兄の顔を見て話し出した。
「母様も分からないのよ…勝手に声に出した様で……」
「母様…」
ユリーナ母さんはルカリオ兄に自分でも良く分からないと応えた後ニコッと微笑みルカリオ兄に話し出していた。
「兄弟一緒に居て欲しいと思ったの…」
ユリーナ母さんはルカリオ兄に話終えショーン兄とルカリオ兄の体を抱き寄せていた。