転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

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俺はベッドの上で黒の背広を着て眠るユリウスを見て頬を触った魔法のお陰で今は柔らかな肌をしているが触っている手からは冷たい肌の感触しか無い……魂と成り幽体のユリウスの体は生きていた頃と変わらない暖かさが在ったのに…と、いざユリウスの生身の体を見ると涙が出てきてしまいそうだった。
俺がユリウスの頬を触って居ると魂となり俺だけが見えるユリウスがじっと自分の体がベッドの上で眠る姿を見て自分の本体に手をかざした。
ユリウスの幽体の手が本体をすり抜ける様子を見てユリウスは呟いていた。
「……本当に死んだのだね…」
「えっ！？」
パッとアニー姉がベッドに着いていた顔を上げユリウスの顔を見ていた。
俺は反対側にいた為アニー姉はユリウスの顔を見た後俺の顔を見て驚いた顔をして話し掛けてきた。
「カイちゃん…今父様の声が聞こえなかった？！」
「え！？父様？」
ジェーン兄がアニー姉の声に反応してパッと顔を上げユリウスが眠っているベッドに目を向けた。
「……父様…？」
ショーン兄もユリウスの声が聞こえたのか床に座っていた腰を上げ立ち上がっていた。
エミリー姉もショーン兄の反応を見てユリウスの方へ顔を向けた
ユリーナ母さんも兄と姉達が騒いでいる事に気付き様子を伺っていた。
ルカリオ兄もユリウスの声に気付いたのか俺の後ろへ行き覗き込むようにユリウスの寝顔を見ていた。
アニー姉が俺の顔とユリウスの寝顔を両方見ていた様でアニー姉が俺に言った。
「…カイちゃんって良く見たら父様の顔にそっくりだね…髪の毛の色と目の色と身長を除いたらまるで父様に生き写し見たい……」
今度はアニー姉がジーと俺の顔を見始めアニー姉の言った事に他のショーン兄とジェーン兄そしてルカリオ兄までも俺の顔を見始めた。
ユリウスが神様に俺の姿をそのままユリウスの容姿にしたと聞いた事を思い出しそんなに似ているのか？と俺はユリウスの寝顔を見ていた。
「もしかしてカイトの中に父様が乗り移ったのかも！？」
「ええっ？」
ジェーン兄が怖い事を言い始めた為何故かユリウスの声を聞いて皆俺の顔を見始めていた。
「ふふっ、カイトが困って居るよ」
「「「「「「！？」」」」」」
ユリウスの声を聞いた兄姉達は何故か俺の方を見て驚いた顔を見せていた。
「カイちゃんが…言っているの？……父様の声で…」
アニー姉が俺の顔とユリウスの顔を見て話をしていた。
「ハハハ…違うよ本当に父様が皆に話をしているんだよ」
「……カイト…本当に、父様が……」
ショーン兄がフラフラとユリウスの眠るベッドに近付き俺に問いかけていた。
「…私だよショーン…済まなかった…お前とは喧嘩別れたように成りこのようなかたちで帰って来るとは……」
「…父様、父様……本当に父様が僕達の側で話をして…」
「ああっ、そうだよショーン…声だけだがお前達の側に居るよ」
「父様！！」
ショーン兄はベッドの上に眠るユリウスの胸に顔を埋めそして思いっきり泣いた。