転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

１３５

ユリウスの部屋に向かう途中メイドのカトリアさんと廊下で会った。
「カイト坊っちゃまどちらへいらしたのですか？ルカリオ坊っちゃまが心配しておりました。」
「すみませんカトリアさん、総隊長とお話しをしていたのです。皆まだ父様の部屋に居るのですか？」
「…はい、皆様…御食事もまだなのです…まさか旦那様が御亡くなりに成るとは思ってもいませんでした……」
カトリアさんが涙を溜めユリウスの死を悲しんでいた。
「有難うカトリアさん父様の為に泣いてくれて…」
「メイド達みんな旦那様をお慕いしておりました」
俺は泣いているカトリアさんに触れようとした時腕をグイッと引っ張っていたユリウスの姿が合った。
カトリアさんには見えて居ないようで俺の腕が変な動きをしていた為それに気付いたカトリアさんが声を掛けていた。
「カイト坊っちゃま？腕が…」
「えっ、ああごめんね何でも無いんだ、父様の部屋に行って来るよ」
「……はい、カイト坊っちゃま」
俺はメイドのカトリアさんと廊下で別れた後俺にだけ見えるユリウスに顔を向けた。
「何やって居るんだよ、カトリアさんが俺の事変だと思われたじゃないか」
「私は快斗が彼女に触れようとした為腕を引っ張っただけだが、彼女はお前の事が好きみたいだね…知って居たのではないかい？」
「……知ってはいたけど…今はお前の部屋に行く事が先だよ」
俺は話しを反らし廊下を歩き出した。
「はぁ、私が居なくなった時が心配だ…」
ユリウスはボソッと呟いた後自分の部屋に向かった。
ユリウスの廊下の周りにはメイド達に使用人とメイド長に医師そしてユリーナ母さんの両親にスティーブン伯爵そしてユリーナ母さんが廊下に立ちユリウスの死の悲しみをお互い抱き合い慰めていた。
「旦那様の葬儀は明日お城で行われます…夜明けと共に旦那様の御体はお城へ向かう事に成りました」
ユリーナ母さんが廊下で一緒に居る両親にスティーブン伯爵、メイド長に医師そして近くで話しを聞いていたメイド達がユリウスの葬儀の事を話していた。
「私達も明日お城に向かう準備を致します。」
「私達も屋敷に戻り明日の用意をするとしょうか…貴族内では大騒ぎに成るかも知れないな…ユリーナ私達が側に居なくても大丈夫なのか？」
ユリーナ母さんの父親が心配をして問いかけていた。
「大丈夫です。有難う御座います御父様…今夜は家族が揃って居ますので旦那様と一緒に過ごします。」
「…ユリーナ本当に大丈夫かい？」
スティーブン伯爵が心配をしてユリーナ母さんの手を握り締めていた。
「ふふっ、皆さん心配症なのですね、私はブランシェ家の当主です。当主らしく明日笑顔で旦那様を見送るつもりです…」
「分かった…明日君達と一緒に城に行きたいが私も一緒に行動しても良いかい！？」
「はい、御願い致しますスティーブン御兄様」
明日の葬儀の事で話しをしている時俺が立って居る事に気付いたユリーナ母さんが俺の側に駆け寄って来た。
「総隊長様との御話しは終わったのですか？」
「はい……遅くなってすみません…兄達の夕食がまだだとメイドが心配していました。」
「あ…夕食がまだだったわね…私は今は食べる気がしませんので子供達だけでも食事にしましょう」
ユリーナ母さんが食べない事を知ったユリウスが俺に話し掛けていた。
「…快斗、ユリーナに食事を取るように言ってくれ…食べ物が喉に通らない悲しみは私も知って居るが、食べないと駄目だ」
ユリウスの言葉に俺は頷き食事を取るように言った。
「ユリーナさん…食事は取って下さいユリウスも心配しています」
「…大丈夫です御兄様、後で食べますので…子供達に夕食を伝えてきます」
ユリーナ母さんが俺の側を離れようとした時俺はユリーナ母さんにお願いをした。
「後での食事は駄目です。一緒に食事を取りましょうユリウスも一緒に食事がしたいそうです。ユリーナさんお願いが在りますユリウスの分も用意をお願いしても良いですか？」
「……旦那様の分もですか！？」
「はい、ユリウスの食事は私が作ります…最後に大好きだった食事を出してあげたいと思います」
俺はユリーナ母さんにお願いをして厨房を借りる事に成りユリウスの勇樹の好きだった食べ物を作る事にした。