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ユリウスは俺を抱き締めたまま語り始めた
「私に残された時間は今夜限りで夜が明ける頃私は消え神様の元へ旅立つ…その前にユリーナと子供達と話しがしたい、私の事をカイトからユリーナに伝えて欲しい」
「だから俺を呼びに総隊長さんと来たのか……本当に居なくなるのか?俺をこの国に残したまま居なくなるのか?!最後まで勝手だなお前は…俺はお前が居なく成ったこの国でどう生きて行けばいいんだ?お前は始めから転生する覚悟でこの国に生まれた。
だが俺は違う気持ちの整理が着かないまま転生したんだ…お前が思っている程俺は強くない…狡い…狡いよ…」
「……カイト…」
『俺は誰と日本語で話しをすれば良いんだ?…誰と怒りをぶつければ良いんだ?……教えてくれ…勇樹…』
『…兄ちゃん……』
『…俺の事を『兄ちゃん』とその言葉で呼んでくれる奴は俺を残したまま居なくなる、ふざけんな…ふざけんな……』
俺は目の前に立っているユリウスの体を叩き続けた。
『ごめん…兄ちゃん…どうしょうも無い弟でごめん…兄ちゃんには俺と同じ騎士の道を歩んで欲しいと思って居るんだ俺の持っている能力を全部兄ちゃんに授けたその能力で国を王様を…シルビアを守ってくれ』
『…何を勝手に人の将来を決めて居るんだお前は…』
『ハハハ、将来に迷いがある時は騎士に成る事も考えて欲しいと思ったんだ』
『……シルビア王女に言い残す事は在るのか?』
『…シルビアには悪い事をした…俺が結婚の申し込みをしなければ…彼女の地位を利用したようなものだ。シルビアの事は好きだった…だが今思えばショーンと同じ歳の子供として見ていたのかもしれない……もしシルビアに伝える事が出来たら、「済まなかった」と伝えて欲しい』
『分かった…彼女に伝える事が出来れば話そう』
『有難う兄ちゃん』
姿が見えないユリウスだが『兄ちゃん』と俺を呼ぶ声をもっともっと、聞きたいと思った。
ユリウスと喧嘩をした時「その声で兄と呼ぶな」と言った事を思い出した。
俺は思い出し笑いをするとそれに気付いたユリウスが聞いてきた
『何を思い出し笑いして居るんだ兄ちゃん』
『ああっ、以前ユリウスにその声で兄と呼ぶなと言った事を思い出したんだ』
『……うっ、あの時は本当にショックを受けたよ「兄ちゃん酷い」と言おうとも思ったんだ』
『は?何で俺が酷いって言われるんだ?お前が悪いと思ったから言ったんだ』
『ううっ、何も言い返せない俺ってやっぱ兄ちゃんには敵わないや…いや、1つだけ兄ちゃんに対抗出来る事があった。』
『俺と対抗出来る事?』
『兄ちゃんエッチする事が苦手だからその分俺が兄ちゃんに勝って居る事に成るんだ』
ボカッ!
『痛っ!?何で叩くんだ』
『お前の頭の中はそんな事で俺と張り合うつもりなのか?』
『だって俺兄ちゃんと張り合う事はこれしかないし…兄ちゃんを満足させる事が出来るのは俺だけだと思っているから』
『…凄い自信だな』
『うん、何度でも言えるよ』
クスッと鼻で笑う声がしたユリウスに俺の唇が重なる事が分かり俺は最後にユリウスを受け入れた。








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