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「父様……父様……」
「御父様……」
「父様…イヤ、父様が死んだなんて信じない」
ユリウスの部屋の前で泣き崩れる兄姉達に医師とメイド長は宥めるのに必死だった。
兄姉達の泣き声が廊下に響き渡る中ユリウスの部屋の扉がゆっくりと開きユリーナ母さんがユリウスの部屋から出て来たのだった。
「母様!!」
兄姉達は部屋からユリーナ母さんが出て来た為皆側に駆け寄りユリウスの事を尋ね始めた…ただ一人跪いたまま動かないショーン兄と側で支えているエミリー姉以外ユリーナ母さんの側にアニー姉とジェーン兄そしてルカリオ兄がいた。
「母様…父様が、父様が…亡くなったと言う事は嘘ですよね?!」
「母様…ひくっ……こ、こんな事に成るなら一緒にお城に行けば良かった…父様…」
「……父様は狡い…狡いよ……」
兄姉達三人の声を聞いたユリーナ母さんはギュッと三人の体を抱き締めていた。
「……廊下で騒いで居ると父様が眠れないから皆部屋に入りなさいと言って居るわよ…さぁ、皆部屋の中へ入って…父様が待って居るわよ」
ユリーナ母さんはアニー姉とジェーン兄とルカリオ兄達を部屋の中に入る様にと言った後ショーン兄とエミリー姉の側に行くとユリーナ母さんも一緒に跪きショーン兄の頬に手を当て声をころして泣くショーン兄に笑顔で応えていた。
「ショーン、御父様が待って居るわよ部屋へ入りなさい…エミリーも一緒に……」
「……母様、僕は……」
ショーン兄はユリーナ母さんの顔を見て大粒の涙を流していた。
ユリーナ母さんはショーン兄とエミリー姉に笑顔を見せ一緒に部屋に入る様にメイド長と医師も一緒にユリウスの部屋に入って行った。
部屋の入り口近くにはまだ兄姉達が立ったままで少し離れた所にベッドの上で眠るユリウスの姿がありその側に大人の快斗の俺が立ち兄と姉達を側に来るように呼んだ
「待って居たよ兄様達…父様の側に来て!いつも会いたいと言って居たから……やっと屋敷に帰る事が出来たんだよ」
俺が話し終えるとユリウスの眠るベッドに皆走り出し眠るユリウスに話し掛けていた。
「父様、父様、僕だよジェーンだよ目を開けて父様…」
「父様どうしてお顔が冷たいの…まだ柔らかいのに…父様お城で待っていると言ったのに……」
「……父様…狡いよ父様……カイの心を持って逝って仕舞うなんて…狡いよ…父様……」
「御父様ショーン御兄様が泣いて居ますわ…ショーン御兄様が泣きましたら御話しが出来ません…今すぐ起きて御兄様に声を掛けて下さい……御父様…」
「……」
ショーン兄はユリウスの微笑む寝顔を見て家族皆で過ごした懐かしい日々を時間を巻き戻せる事が出来る魔法が在れば…と神様に祈り続けた。





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